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『哲学』アンソロジー刊行開始です

あすなろ書房の『日本文学』アンソロジーが好評なので続編が出ました。松田哲夫編『中学生までに読んでおきたい哲学』全八巻です。

松田哲夫(まつだてつお)

1947年東京都生まれ。編集者。書評家。「週刊ポスト」で「松田哲夫の愉快痛快人名録 ニッポン元気印時代」を連載中です。著書に『印刷に恋して』、『「本」に恋して』。

イチオシ!秘密とロマン満載の美術ミステリー

秘密のコレクションを有するスイスの大富豪の邸宅に招かれた二人、ニューヨーク近代美術館(MoMA)学芸員ティム・ブラウンと気鋭の日本人美術研究者早川織絵。大富豪は二人に、素朴派の巨匠アンリ・ルソーの大作「夢」とほぼ同じ構図、同じタッチの作品を示し、一週間後に、この真贋を正しく判定した者に作品を取り扱う権利を与えると宣言します。そして、謎めいた物語を一日一章ずつ読むという奇妙な条件がつけられています。若きルソー研究者同士の静かな戦いがはじまります。ルソーとピカソが生きていた時代を描いた物語と並行して、二人を取り巻く世界も緊張の度合いを強くしていくのでした。美術史的なエピソードをふんだんに盛り込みながら、切ない恋物語が進行し、思いがけない結末へと導かれます。楽しくも切ない極上の美術ミステリーです。

紙の月

『紙の月』

角田光代

ホラーよりも恐ろしい物語

パートで銀行に勤め始めた主婦・梅澤梨花は、年下の大学生・光太と出会うことで、金銭感覚が狂い始め、一億円もの大金を横領してしまいます。梨花の友人知人の日常も描かれるのですが、彼女たちにも、同じような衝動の芽が潜んでいることが明らかになり、ゾッとします。

夢のある会社でありたい

窮地に追い込まれた中堅電子部品メーカー青島製作所、迅速かつ徹底的なリストラが求められ、廃部寸前の野球部、ふたつのドラマが並行して進みます。手に汗握るシーソーゲームを戦う彼らに、思いがけない救世主が登場します。日本の会社のあるべき姿を示す企業小説の傑作。

ガリバーの冒険

『ガリバーの冒険』

ジョナサン・スウィフト原作、井上ひさし文、安野光雅絵

「井上ひさし」を探せ!

小人国に流れ着いたガリバーの物語を絵本にした作品。四十三年前、三十代の井上さんが文章を書き、四十代の安野さんが絵を描きました。安野さんは、亡くなった井上さんへの追悼の気持ちを込めて、新しく絵を描き下しました。井上さんやドンガバチョを探すのも一興です。

鉄道をめぐる人情コミック

カレチとは長距離列車に乗務する客扱専務車掌を指す国鉄内部の呼称です。舞台は昭和四十年代後半、大阪車掌区に所属する新米カレチが主人公です。規則やルールを柔軟に運用し、乗客の便利を図ろうとする国鉄マンのプロ意識と人情とが惻々と伝わってくる温かい物語です。