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吉里吉里忌に参加してきました!

井上ひさしさんを偲んで、山形県川西町で開かれました。僕は「『吉里吉里人』生みの親」として同作品の誕生秘話を話しました。

松田哲夫(まつだてつお)
1947年東京都生まれ。編集者。書評家。著書に『印刷に恋して』『「本」に恋して』『縁もたけなわ』など。池内紀、川本三郎、そして松田が編集するアンソロジー「日本文学100年の名作」(新潮文庫・全10巻)は6月初めに10巻が刊行され、完結します。

 これは、「女友達」をめぐる恐ろしい物語です。キャリアウーマンの志村栄利子と人気ブログの書き手である専業主婦の丸尾翔子、三十歳の二人が主役です。同性の友達がいない二人は急接近するのですが、ちょっとした行き違いから栄利子の暴走が始まります。その展開が、あまりにも衝撃的で、山本文緒さんの『恋愛中毒』を思い出しました。考えてみれば、ネット文化の急速な浸透が進み、疑似コミュニケーション、疑似お友達が蔓延する時代になりました。私たちは、確実に人と人との距離の取り方、生身の人間同士のつきあい方が下手になっています。だから、栄利子と翔子の演じる悲喜劇は、男たちも含めて、他人事ではすまないのです。下手すると、他人と食うか食われるかの死闘を繰り広げて、人間社会の生態系を破壊するような時代がくるのかもしれません。

 これは、ちょっと風変わりな異世界ファンタジーです。派手な戦闘シーンもありませんし、打倒すべき悪の権化もいません、華やかな勝利の宴も催されません。でも、宮部さんは、この小さい物語に託して、現実社会を生きていく上で、大事なものは何かを教えてくれました。

 最相さんは、いつも長期間の取材を重ね、膨大な資料を読み込み、あらゆることを調べ尽くしてノンフィクションを書いてきました。この本では珍しく、中国、韓国、日本の狭間で、ナグネ(旅人)として逞しく生きる一人の中国朝鮮族女性の姿を、現在進行形で描いています。

 路上観察していると、街の中のあちこちで、植物が元気に葉を広げ花や実を飾っている姿を目撃することができます。塚谷さんは、道路の割れ目や歩道との境目、塀や壁の亀裂や排水溝、建物の窓枠などあらゆるところに植物が逞しく生きている姿を、印象的にとらえています。

『花井沢町公民館便り』@

ヤマシタトモコ

 シェルター技術の開発事故に巻き込まれ、外の世界から孤立した花井沢町。物の受け渡しはできるし、電気や水は流れ、電波も届くのですが、人は出られないし入れないのです。この町での空しい日々を、透明感のある絵柄と抑制のきいた描写によって、見事に表現しています。