
高校生と読書の話をしました。
NHKEテレ「Rの法則」の「読書特集」にゲスト出演。谷崎潤一郎『痴人の愛』が好きな女生徒など、かなりの読書家もいました。
松田哲夫(まつだてつお)
1947年東京都生まれ。編集者。書評家。『中学生までに読んでおきたい日本文学』(あすなろ書房)が好評、続編を準備中。著書に『印刷に恋して』、『「本」に恋して』。
イチオシ!辞書を編集する話がこんなに面白いなんて!
この小説は、営業部から辞書編集部に異動してきた馬締さんが、学者先生やベテラン編集者、若いスタッフなどと力を合わせて新しい辞書を刊行するまでのお話です。『風が強く吹いている』と同じく、個性豊かな登場人物たちによる、ユーモアたっぷりの群像ドラマが展開されていきます。彼らは、日々、言葉と用例の採集を続け、原稿を書き、修正を加えていきます。そういう細かな仕事を、永い間ていねいに積み重ねていって、その結果として新しい辞書が世の中に出ていくのです。また、流行語や若者言葉などを含めて、時代とともに千変万化する日本語や辞書を巡るエピソードも楽しめます。終幕近く、人びとの長年の努力が結実し、新しい辞書完成への秒読みが始まります。登場人物たちの気持ちに共鳴して、こみ上げてくる涙を抑えることができませんでした。
夢がテーマの幻想サスペンス
物語の舞台は、夢を映像データとして保存できるようになった近未来。語り手は、そのデータを解析する「夢判断」を仕事としています。他人の夢を見ることができる世界では、集団白昼夢など不思議なことが頻発します。結末は心地よいのですが、空恐ろしいものが残ります。
読者の心身に響く比喩表現
恋人に去られた青年、夫の死を認めたくないおばあさん、引きこもってしまった兄、他人の不幸が匂いでわかる女性などが主人公の連作短編集。彼らは、大切な「誰か」の不在を痛いほど感じていて、それぞれの一歩を踏み出すために、あるレストランに予約を入れるのです。
エッセイの達人の真骨頂
沢木さんはノンフィクション作家ですが、軽いフットワークで、多彩な話題を次々と提供してくれるエッセイの達人でもあります。私たちは、著者とともに世界各地を訪れ、魅力的な人と出会い、珍しい経験を重ねているような、贅沢な気分になることができるエッセイ集です。
現実と地続きの不思議世界
なんと素晴らしい絵本なのでしょう。ページを開くと、リアルで幻想的なイラストレーションが目に飛び込んできます。そして、文章を読んでいくと、いつの間にかこの不思議な世界の住民となって、さまざまな来訪者や怪現象を目の当たりにしているような気分になるのです。