▲米子市立福米東小学校の「朝の読書」風景
中国地方最高峰である国立公園大山を東に眺めながら,毎朝子どもたちが元気に登校してきます。グランドで遊んでいる子どもたちも,チャイムが鳴るとすぐに教室に戻り,お気に入りの本を開くことから一日が始まります。
米子市では,全国に先駆けて市内全校に学校図書館職員が配置されるなど,行政の後押しもあり,学校図書館教育が盛んになっていく中,本校の朝の読書活動もスタートしました。
本校の朝の読書は,「みんなでする・毎日する・好きな本でよい・ただ読むだけ」の4原則に加え,「担任も一緒に読む」ことを徹底しました。その成果として,チャイムが鳴る前から読書を始める児童が多くなり,10分間集中して取り組めるようになり,落ち着いて学習をスタートさせることができています。朝読書で見つけたお気に入りの本を友だちと紹介し合ったり,シリーズ本を続けて手にとったりして,子どもたちの読書量も増加傾向にあります。
朝の読書に加えて,本校の読書活動推進の主な取り組みが2つあります。
「スマイルタイム」は,保護者や地域の方による読み聞かせボランティア活動です。月に2回,朝読書の時間に,各学年の発達段階や季節に合わせた内容の絵本の読み聞かせをしていただくもので,子どもたちは,この時間をいつも楽しみに待っています。学期に一度の「スペシャルスマイルタイム」では,七夕やクリスマスなどに合わせた大型紙芝居や大型絵本で読み聞かせをしていただき,300人を超える児童が図書館に集まります。さらに,4年生には,1/2成人式を,6年生には卒業を祝う「スーパースマイルタイム」など,子どもたちの心に残る素敵な時間を作っていただいています。
また,担任以外の教職員が各教室で月に1回,朝読書の時間に「シャッフルスマイルタイム」を行っています。どの教職員が来るか秘密なので,子どもたちは毎回教室で楽しみに待っています。読み聞かせの後の長休憩は,読んでもらった本を探したり絵本を借りに来たりする児童が増え,図書館がいつもより賑わいます。
「うちどく(家読)」は,読書を通して家族のコミュニケーションを図り,家庭での読書習慣が定着することをねらいとした取り組みです。本校のうちどく(家読)は,中学校区で一斉に行っている「いきいきキャンペーン」に組み込まれています。これは,早寝・早起き・朝ご飯など,細かい目標を各家庭で決めて一週間実施します。家族みんなで好きな本を読んだり,読んだ本について家族で話したりと方法はそれぞれ違いますが,子どもの学びを支える生活習慣づくりにつながるようにと,熱心に取り組む家庭が増えています。
「朝の読書」と「スマイルタイム」,「うちどく(家読)」などの読書活動を通して保護者・地域の方や教職員と一緒に,本大好きの東っ子になることをめざして,子どもたちの生涯読書につながる取り組みを,これからも続けていきたいと思います。
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