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「読書週間」初日の10/27は「文字・活字文化の日」です
―― 世界に広がる「朝の読書」 ――
◆岩手県川井小学校、韓国のお友だちと朝の読書交流◆
岩手県・川井村と韓国の子どもたちの「朝の読書」
子どもたちの心を豊かにするだけでなく、いじめや遅刻の減少という成果も報告されている「朝の読書」――。
実施校は着実に増えており、現在では小・中・高等学校を合わせると2万3千校を超えている。最近では、韓国でも運動が広まりつつあり、長年、日韓交流を続けている岩手県の川井小学校でも、ホームステイに訪れた韓国の子どもたちと一緒に「朝の読書」が行われた。川井小学校の「朝の読書」の様子と韓国の朝の読書事情についてご紹介する。
 北上山地のほぼ真ん中に位置し、広大で豊かな森林をもつ岩手県・川井村。7月14日、この村に釜山教育大学付属小学校から児童16名がホームステイに訪れた。約20年前、この村に韓国出身の漆塗り職人が工房を構えたことをきっかけにはじまった川井村の日韓交流の一環であり、今年で17回目を迎えた。韓国の子どもたちは、村にある4つの小学校へ迎え入れられ、川井小学校(菅原博校長)には男子3名、女子1名の4名が登校。地元の人々も参加して「朝の読書」は通常通りに8時10分にスタートした。もちろん韓国の子どもたちも一緒だ。
 川井小の子どもたちは、普段と違う雰囲気に少々落ち着かない様子だったが、前日から用意していた本を開き、読み進めるうちに真剣な眼差しに変わっていった。緊張からか少しこわばった顔で様子をうかがっていた韓国の女の子も目を輝かせてページをめくっている。心がのびのびと深呼吸をしているようだ。伝記、絵本、小説、童話……、先生たちも、読み聞かせのボランティアのお母さんたちも、皆それぞれが好きな本を読んでいる。
 山々からおりてきたさわやかな風が校舎内を通り抜けていく。学校全体が穏やかな空気に包まれていた。時間はわずか10分だが、子どもたちの心はすっかり落ち着き、その後のホームルームでは先生の話を静かに聞いていた。

「朝の読書」のチカラ

  川井小に朝の読書が導入されたのは3年前。自身の経験から朝の読書の力を実感していた熊谷キク教諭の発案だった。
 「ことばのシャワーを与えることで子どもたちはみるみる成長していきます。読書というのは心を豊かにし、生きる力の原点を教えてくれるものなのです」
 村を訪れた韓国の子どもたちも普段から朝の読書をしているそうだ。海を越えてこの運動が広がっているのは、読書の力が認められ、求められている証拠といえるだろう。
 雄大な北上山地に見守られながら、今朝も「朝の読書」は静かに行われている??。読書を通じて、子どもたちは様々な発見をし、感動し、会得し、自身と向き合って心を育てていく。その上、読書習慣が身につけられるなら、「朝の読書」が子どもたちにもたらすものは計り知れない。読みたい本を見つけられるように環境を整え、子どもたちに読書の機会を与えることは、大人たちの義務なのかもしれない。
 
子どもたちの未来を変える運動
韓国・朝の読書推進本部事務局長
ハン・サンス氏
 5年ほど前、ある記事で「朝の読書」の存在を知り、その後日本に行った際に「朝の読書」に関する書籍を得て、きちんと理解しました。非常に現実的で実践的な方法だと思いますし、きちんと実践できたらいい成果をおさめることができると確信しています。
 日本の「朝の読書」を正確に伝えるために、朝読推進本部をつくり、関連情報をまとめた『朝読新聞』も全国の小・中・高等学校に配布しています。昨年には、運動を始められた林公先生の著作を翻訳、発刊しました(『朝読10分が奇跡をつくる』チョンオラムメディア刊)。
 朝読推進本部が把握している「朝の読書」実施校は現在のところ2371校。「朝の読書」をするようになって、子どもたちは落ち着き、授業の雰囲気がよくなったと、教師や親たちから喜びの声が届いています。予想以上の成果です。韓国の子どもたちの未来に大きな変化を与えることと期待しています。
「朝の読書」とわたし
▼『まめうし』と『つきよのくじら』がとてもおもしろかった!(小1・まいちゃん)
▼『とべないほたる』は、かなしくなったりうれしくなったりする本です。韓国の子にも読んでほしいです。 (小2・葵ちゃん)
▼もっと長くしてほしいくらい、朝の読書の時間が好きです。(小3・直人君)
▼日本のミイラのことを書いた本を読んでからぼくも日本ミイラが見てみたいとおもうようになりました。 (小3・潤徳君)
▼『火垂るの墓』は戦争中のとてもかわいそうな話でした。とても心に残っています。(小4・未来ちゃん)
▼『イチロー 果てしなき夢』を読んでるとやる気が出ます。 (小5・弘樹君)
▼キャプテンの心が知りたくて、今は『キャプテンはつらいぜ』を読んでいます。(小5・健二郎君)
▼本を読むようになって自然に漢字を覚えました。(小4・克哉君)
▼朝の読書は心が落ちつくから好きです。 (小6・勁汰君)
▼『天使のいる教室』は女の子ががんばって生きていく姿に感動しました。(小6・友美ちゃん)
 
「朝の読書」 小学生におすすめの本
あさの絵本 荒野のマーくん その受難
ヨンイのビニールがさ 銀のロバ
ライオンのしごと マーリン 5
きつねのでんわボックス ダレン・シャン 1
そらまめくんのぼくのいちにち ロイヤルバレエスクール・ダイアリー 1
おかあさん、げんきですか。 新シェーラひめのぼうけん伝説への旅
ファーディとおちば 虫の知らせレストラン
ののちゃんのDO科学 おこりんぼの魔女のおはなし
菜緒のふしぎ物語 旅するヤギはバラードを歌う
悲しい下駄 秘密のメリーゴーランド
哲ねこ七つの冒険 一億百万光年先に住むウサギ
心がぽかぽかするニュース
HAPPY NEWS
 
「朝の読書」 中高生以上におすすめの本
リボーンの森
13歳からの自信力 
もう少し自分を変えたいあなたへ
一番、一番!真剣勝負
ドラゴンキーパー 最後の宮廷竜
ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸
ファーブル昆虫記 1
世界を見る目が変わる50の事実
平和への夢 自爆攻撃にまきこまれた少女の日記
ありふれた風景画
あおぞら
 

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