作者と同名の名探偵・法月綸太郎。職業は推理作家、父は警視庁の警視とエラリー・クイーンへの無邪気なリスペクトからはじまった同シリーズは、第三長編『頼子のために』において大きな転機を迎える。同作で探偵法月は「探偵の役割」において苦悩せざるを得ない出来事に直面するのだ。しかし失意の探偵法月は、続編の『ふたたび赤い悪夢』において立ち直るきっかけを掴む。これは悩める探偵の軌跡を綴った記録なのである。