日本

思想問題にも向き合う青年探偵

矢吹駆

笠井潔の<矢吹駆>シリーズは、島田荘司の<御手洗潔>とともに現代本格ミステリの原動力となったシリーズだ。主人公の矢吹は経歴に謎の多い青年で、彼曰く一連の事件を「現象」として哲学的に捉える「現象学的推理」を行い、事件の説明を行う。シリーズでは事件の謎解きとともに、駆と登場人物同士の思想対決が織り込まれることが多く、ミステリの枠を越えた衒学的読み物としての魅力も備えているのだ。

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