e-hon TOPへ戻る

村上春樹の作品は、ストーリーの魅力はもちろん、登場する人名や本、映画、料理等にも心惹かれるものが多数登場します。
その中でも、音楽はどの作品においても重要な役割を果たしています。

ジャンルも幅広く、クラシックからロック、ポップス、ジャズ、ポピュラーミュージックまで登場。
読者の方なら「あのシーンで出てくるこの曲を聴いてみたい。」と一度は思われたことがあるのではないでしょうか?

今回は、デビュー作「風の歌を聴け」から最新作「騎士団長殺し」までの10点の著作より、印象的に使われている楽曲を集めました。
それぞれの曲を聴きながら読むことで、きっと新たな世界が広がります。ぜひ小説と一緒にお楽しみください。(2017年4月10日終了予定)

気になる商品をクリック!

『騎士団長殺し』に登場する音楽
カラヤン「モーツァルト:歌劇《ドン・ジョヴァンニ》ハイライツ」

「ドン・ジョヴァンニ」は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1787年に作曲したオペラです。
ドン・ジョヴァンニとは、スペインの伝説の放蕩者ドン・ファンの物語の主人公。物語の序盤で、本書のタイトルにもなった「騎士団長殺し」のシーンが描かれています。
小説の中でも、実際に「ドン・ジョヴァンニ」のレコードを聴くシーンをはじめ、幾度となく登場します。

⇒騎士団長殺し 第1部のご購入はこちら

『女のいない男たち』に登場する音楽
ザ・ビートルズ「イエスタデイ」

「女のいない男たち」の2話目のタイトルにもなっている、ザ・ビートルズの「イエスタデイ」は、1965年発売された5枚目アルバム「ヘルプ! 4人はアイドル」に収録されています。
日本でも大ヒットしましたが、世界的にも人気が高く、「世界で最も多くカヴァーされた曲」としてギネス・ワールド・レコーズに認定されています。

⇒女のいない男たちのご購入はこちら

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』に登場する音楽
ラザール・ベルマン「リスト 巡礼の年」

発売前から関連性が議論されていたクラシックの佳曲「巡礼の年」はフランツ・リストのピアノ独奏曲集で、彼が20代から60代までに断続的に作曲した曲を集めた珍しい作品です。
その土地土地の印象や出来事、目にしたものを記録、「第1年:スイス」「第2年:イタリア」「ヴェネツィアとナポリ(第2年補遺)」「第3年」の4集で構成されています。
本作中に出てくるラザール・ベルマンは、ロシア出身のピアニストで、超絶技巧や情緒ある演奏に強靭なタッチが特徴的で、リスト作品では必ず名前が挙がります。作中にはアルフレッド・ブレンデルの「巡礼の年」も登場しますので、聴き比べをおすすめします。

⇒色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年のご購入はこちら

『1Q84』に登場する音楽
ジョージ・セル「ヤナーチェク シンフォニエッタ」

冒頭のファンファーレが印象的なこの曲は、小説中でも存在感のある形で幾度となく登場します。シンフォニエッタは「小さな交響曲」を意味するイタリア語ですが、作曲家のヤナーチェクによる作品が最も有名です。彼はこの曲をチェコスロバキア陸軍に献呈する意向を持ち作曲したとされますが、勇壮な曲調にその意思を感じ取ることができます。ジョージ・セルの他にも、BOOK2には小沢征爾指揮の作品も登場します。

⇒1Q84 a novel BOOK1 前編のご購入はこちら

『海辺のカフカ』に登場する音楽
ジョン・コルトレーン「マイ・フェイヴァリット・シングス」

カフカが森に入り込んでいくシーンで登場するこの曲は、1961年に発表された同名アルバムの1曲目に収録。原曲はミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」中の一曲ですが、昨今ではJR東海「そうだ京都、行こう。」のCMの曲と言えばお判りになる方も多いでしょう。3拍子のワルツにマイナーコードを合わせた旋律はコルトレーン作品の中でも人気が高く、ソプラノサックスに乗せたブロウは高く評価され、彼の代表曲として定着しました。

⇒海辺のカフカ 上のご購入はこちら

『ねじまき鳥クロニクル』に登場する音楽
クラウディオ・アバド「ロッシーニ 泥棒かささぎ序曲」

この曲は、イタリア・オペラ作曲家で最も人気のあったロッシーニが1817年にミラノ・スカラ座向けに書き下ろした作品です。めくるめく展開の末ハッピーエンドとなるストーリーに合わせた楽曲は評価が高く、中でも序曲である「泥棒かささぎ」は現在でもよく演奏されています。小説中では冒頭いきなり登場するほか、終盤にもトスカニーニの作品が再び登場しました。

⇒ねじまき鳥クロニクル 第1部のご購入はこちら

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』に登場する音楽
ボブ・ディラン「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」

「ノルウェイの森」のビートルズのように、この小説ではボブ・ディランの作品が多数登場します。中でも終盤の「風に吹かれて」と「はげしい雨が降る」が登場するシーンはとても印象的です。この2曲を収録したアルバム「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」は、1963年に発売されたボブ・ディラン2作目のスタジオ・アルバム。ディランを一躍有名にした「風に吹かれて」のヒットからプラチナ・ディスクとなり、現在でも名盤と呼ばれています。

⇒世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上のご購入はこちら

『ノルウェイの森』に登場する音楽
ビートルズ「ラバーソウル」

小説のタイトルとして有名なこの曲は、1965年発売のビートルズのアルバム「ラバー・ソウル」に収録されています。シタールのイントロとジョン・レノンの独特な歌詞が印象的な曲です。原題の「Norwegian Wood」の本来の意味は「ノルウェイ産のウッド調の部屋」なのですが、後で日本語訳者から、「誤訳してしまった。」と公表され、話題となりました。本作にはこのアルバムの曲に加え、ビートルズの曲が多数登場します。

⇒ノルウェイの森 上のご購入はこちら

『ダンス・ダンス・ダンス』に登場する音楽
ヘンリー・マンシーニ「ムーン・リバー」

羊男との再開シーンで登場するこの曲は、1961年にマンシーニが作曲、映画「ティファニーで朝食を」で主演のオードリー・ヘプバーンが歌った名曲です。歌にあまり慣れていないヘプバーンの為に、音域1オクターブ、半音は入れずドレミファソラシドの音だけを使い作曲したという逸話が残っています。歌詞も印象的で、小説のシーンを思い浮かべながら読むのがおすすめです。

⇒ダンス・ダンス・ダンス 上のご購入はこちら

『風の歌を聴け』に登場する音楽
ビーチ・ボーイズ「カリフォルニア・ガールズ」

小説の中で何度も登場するこの曲は、ビーチ・ボーイズの1965年発表のアルバム「サマーデイズ」からシングルカット。カリフォルニアをイメージさせるメロディとコーラスからヒットし、全米3位をマーク。後に当時ヴァン・ヘイレン在籍中のデイブ・リー・ロスがカバーし、再び話題となりました。ビーチボーイズ作品は、以降の村上春樹作品にもたびたび登場しますので、どこに出てくるか追ってみるのもおすすめです。

⇒風の歌を聴けのご購入はこちら

村上春樹 音楽関連作品