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人気著者のオススメ!”○○がもらえる”1冊

毎年恒例の著者アンケート企画!今年は「○○がもらえる1冊」がテーマです。94名の著者の皆様が、「勇気がもらえた」「仕事のやる気がもらえた」など、「この本を読んで○○がもらえた!」 とオススメしたい1冊と、この秋読者の皆様にお薦めしたいご自身の作品(翻訳・挿画含む)をご紹介いただきました。また、読者の皆様からの要望にお応えし、著者の皆さまの「出身地」(任意回答)を掲載しております。ぜひ、地元ゆかりの作家さんを探してみてください。

(新刊ニュース2018年11月号 連動特集)

赤川次郎さん(福岡県・作家)

赤川次郎さんの本

世界への視点 がもらえる1冊

灰色のパラダイス 杉原爽香〈45歳の冬〉 文庫オリジナル/長編青春ミステリー

  • 赤川次郎/著
  • 光文社

毎年一つずつ年令をとる主人公のシリーズも、30年を越えた。中年を迎えた主人公の生き方を見てほしい。

紛争地の看護師

  • 白川優子/著
  • 小学館

危険な紛争地へ、医療を届ける「国境なき医師団」の看護師が見た「今の世界」。遠くの出来事ではないことを改めて考えさせられる。

あさのあつこさん(岡山県・作家)

あさのあつこさんの本

今、ここにある現実 がもらえる1冊

地に滾る

  • あさのあつこ/著
  • 祥伝社

三部作の二巻目、時代小説ならではの、少年の一途な生き方を書きたかったのですが。読んでみてください。

ルポ川崎

  • 磯部涼/著
  • サイゾー

私たちは衝撃的な事件がおこる度に、騒ぎうろたえるけれど、すぐに忘れる。次の衝撃的事件に心を移し一つ一つ、丁寧に検証する作業を怠ったまま、結局忘れてしまうのだ。この作品は川崎での中一殺害事件に向き合い続けることで、現実を炙り出そうとする。

嵐山光三郎さん(静岡県・作家)

嵐山光三郎さんの本

老人として生きていく知恵 がもらえる1冊

枯れてたまるか!

  • 嵐山光三郎/著
  • 新講社

燃える空の光景から始まります。少年の闘いを秋の夜長にゆっくり味わって頂ければ……。

老人のライセンス

  • 村松友視/著
  • 河出書房新社

村松氏の本を読むと、同じトシヨリとして同感することが多く、ああそうだなあと思いつつ拍手してしまう。「老いてますますとぎすまされた視線」にビックリ。

安藤祐介さん(福岡県・作家)

安藤祐介さんの本

答えなき問い がもらえる1冊

本のエンドロール,

  • 安藤祐介/著
  • 講談社

本を愛する全ての人に! 印刷会社を舞台に、本造りを支える人々の仕事とドラマを描いた一冊。読書の秋にオススメ!

友罪

  • 薬丸岳/著
  • 集英社

心を許し合った同い年の友人が、過去に日本中を震撼させた連続児童殺傷事件の犯人『少年A』だったら……。読み進めるごとに「自分ならどうする、どう考える」と自問せずにいられない。答えなき問いを投げかける一冊。

飯嶋和一さん(山形県・小説家)

飯嶋和一さんの本

深呼吸 がもらえる1冊

星夜航行 上巻

星夜航行 下巻

  • 飯嶋和一/著
  • 新潮社

秀吉の天下統一と朝鮮出兵。激動の時代に翻弄されながらも生きぬいた旧徳川家臣の航海を九年がかりで書きあげました。

タオ

  • 老子/〔原著〕
  • 加島祥造/〔訳〕著
  • 筑摩書房

2300年前の哲学者「老子」の思想とメッセージを現代の詩人が全身で共振し紡ぎ出した口語訳。情報の洪水の現代を生きるうえで指針となる一書。本当の人生を生きるためには本来の自己の姿を発見しなくてはならない。

池井戸潤さん(岐阜県・作家)

池井戸潤さんの本

創作のヒント がもらえる1冊

下町ロケット ゴースト

  • 池井戸潤/著
  • 小学館

シリーズ第3弾です。第4弾の『下町ロケット ヤタガラス』と連作になっており、1年がかりで書いた作品です。

黒後家蜘蛛の会 新版 1~4

  • アイザック・アシモフ/著
  • 池央耿/訳
  • 東京創元社

この名作ミステリは、学生時代に夢中になって読んだ連作短編集です。その面白さは、「なるへそ」というオマージュ短編を書いたぐらいです。創作のヒントがつまった作品なので、いつか読み直したいと思っています。

石井光太さん(作家)

石井光太さんの本

世界へ飛び出す勇気 がもらえる1冊

原爆 広島を復興させた人びと

  • 石井光太/著
  • 集英社

「75年間は草木も生えぬ──」そう囁かれた廃墟の町を、命を懸けて平和都市へと蘇らせた人びとの群像ノンフィクション。

紛争地の看護師

  • 白川優子/著
  • 小学館

頭がいいわけでもない女性が、ただ好奇心と夢だけで世界へ飛び出し、国境なき医師団の看護師として世界の人々を助ける。これを読めば、自分もやっていいんだという気持ちになれるはず。高校生、大学生にオススメです。

石原結實さん(長崎県・医学博士)

石原結實さんの本

勇気、決断・実行力 がもらえる1冊

死んだらどうなる

  • 石原結實/著
  • ビジネス社

「霊」や「あの世」の存在を、仏教の「色即是空、空即是色」「キリスト教の教義」などを参考にしつつ、「気」より解読。死は恐くない!

神になりたかった男徳田虎雄 医療革命の軌跡を追う

  • 山岡淳一郎/著
  • 平凡社

徳之島の貧農の息子として育つも、猛勉強の末、大阪大に進み、医師になり「365日24時間診療」を標榜した病院を全国に「71」作り、無数の生命を救うも、自身は晩年に難病の「ALS」で全身不随になった男の壮絶な人生の物語。

石持浅海さん(愛媛県・作家)

石持浅海さんの本

同居者の存在 がもらえる1冊

二歩前を歩く

  • 石持浅海/著
  • 光文社

自作で怪異を扱った本といえば、これ。探偵役が堂々と超常現象認定するという、本格ミステリにあるまじき一冊です。

里山奇談

  • coco/著
  • 日高トモキチ/著
  • 玉川数/著
  • KADOKAWA

この本には、里山で出会ったこの世ならぬものの気配が収められています。はっきりと姿形が見えるわけでなくても、僕たちは彼ら「同居者」と一緒に暮らしているのだと実感できる一冊です。

板橋雅弘さん(東京都・絵本作家)

板橋雅弘さんの本

自分として生きる力 がもらえる1冊

パパのしごとはわるものです 

  • 板橋雅弘/作
  • 吉田尚令/絵
  • 岩崎書店

かっこいいお父さんが好きな子供と、かっこよくないお父さんのための、「わかんないけど、わかる」おはなしです。

やっぱりおおかみ

  • ささきまき/さく・え
  • 福音館書店

主人公のおおかみが吐く「け」という、たった一語をいくらでも味わい、噛み締められる絵本です。他人と群れず、仲間を求めつつ、孤独を受け入れて生きる決意に、思春期の僕は強く揺さぶられました。

逸木 裕さん(東京都・ミステリ作家)

逸木 裕さんの本

知的好奇心 がもらえる1冊

星空の16進数 

  • 逸木裕/著
  • KADOKAWA

私を誘拐したあの人に、もう一度だけ会いたい。色彩感覚の豊かな少女と私立探偵が、幼いころの誘拐事件に迫る青春ミステリ。

夢想の研究

  • 瀬戸川猛資/著
  • 東京創元社

ミステリ・映画評論家の故・瀬戸川猛資先生の大傑作です。膨大な知識量と奔放な想像力を武器に、オーソン・ウェルズからエラリー・クイーン、漱石からスター・ウォーズへと、それが繋がるの!? と刺激的な創作論が展開されます。

伊藤たかみさん(兵庫県・小説家)

伊藤たかみさんの本

青春時代の『なぜ?』 がもらえる1冊

はやく老人になりたいと彼女はいう

  • 伊藤たかみ/著
  • 文藝春秋

恋をするのは若者だけだと思っていた青春時代。けれども人生には、あらゆる時期に、あらゆる恋の形があるのです。

世界はなぜ「ある」のか? 「究極のなぜ?」を追う哲学の旅

  • ジム・ホルト/著
  • 寺町朋子/訳
  • 早川書房

誰だって一度くらいは宇宙の果てについて思いをはせたことがあるはず。答なんて出ないとわかっていても、問いかけずにはいられなかったあのころ……。青春時代の「なぜ?」が、じわじわとよみがえってきます!

植松三十里さん(歴史小説家)

植松三十里さんの本

日本のものづくりの誇り がもらえる1冊

ひとり白虎 会津から長州へ

  • 植松三十里/著
  • 集英社

会津戦争で自刃した白虎隊で、ひとり生き残った少年の生涯。重いものを背負いつつ立ち直っていく姿を読んで頂きたい。

ほんもの探し旅

  • 小林泰彦/著
  • 山と溪谷社

イラストレーター歴60年という小林泰彦氏が、様々なものづくりの現場に足を運んで描いたイラストエッセイ。70年代の古い取材もあるが、こんな頃から日本の優れた技術に注目していたのだなと改めて感じ入る。

魚住直子さん(広島県・作家)

魚住直子さんの本

「温もりと滋味」 がもらえる1冊

いいたいことがあります!

  • 魚住直子/著
  • 西村ツチカ/絵
  • 偕成社

娘なら自分の思い通りに動いてくれると思っている母は多いです。そんな母にモヤモヤしたとき読んでみてほしいです。

なずな

  • 堀江敏幸/著
  • 集英社

弟夫婦の赤ん坊を訳あってしばらく預かることになった独身アラフォー男性。柔らかくて湿っていて皮ふが薄くて匂いのする乳児がほんとうに見えます。丁寧に育てる主人公とその周りに集うひとたちの優しさにほっとします。

遠藤拓人さん(東京都・イラストレーター)

遠藤拓人さんの本

このまま進むことへの勇気 がもらえる1冊

秘密のルノルマン・オラクル

  • 遠藤拓人/著
  • 夜間飛行

ナポレオン妃お抱え占い師マドモアゼル・ルノルマンに由来する伝説のカード占い。日本初のカード付き解説本。

個人はみな絶滅危惧種という存在 彫刻家・舟越桂の創作メモ

  • 舟越桂/著
  • 集英社

身体は有限という理と共にあり、社会の中にあり、自己の魂を乗せた船である。作家にとって、制作は生きることそのものだ。内へ外へと行き来したその言葉たちに、時に共鳴し、時に勇気づけられる。

大嶋信頼さん(神奈川県・心理カウンセラー)

大嶋信頼さんの本

カウンセリングの奥義 がもらえる1冊

消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法

  • 大嶋信頼/著
  • すばる舎

「自分はダメだ」と劣等感を持っていたのに、実は周りから嫉妬されていただけだった。嫉妬と劣等感の仕組みがわかって、簡単に自由に楽になれる一冊です。

症例 マドレーヌ

  • ピエール・ジャネ/〔著〕
  • 松本雅彦/訳
  • みすず書房

困っている人、苦しんでいる人にどのように寄り添ったらいいのか?を22年間の記録を通して優しく見せてくれる本。相手のそのままを22年間、受け止め続けたジャネには静かな愛を感じさせられる。

大山淳子さん(東京都・作家)

大山淳子さんの本

無垢 がもらえる1冊

赤い靴

  • 大山淳子/著
  • ポプラ社

魂を注ぎ切り、脱稿後はヌケガラ状態。あたらしい物語です。楽しんで下さい!

誕生日の子どもたち

  • トルーマン・カポーティ/著
  • 村上春樹/訳
  • 文藝春秋

村上春樹さんの訳文が、のどごしのよい清水のようにするすると魂に注がれます。6つからなる短編集。子どもの頃に信じたものをそのまんま大人の世界に持ち込んで生きようとするワガママな私にとって「ありがとう、助かった」と言いたい作品。

岡崎武志さん(大阪府・ライター)

岡崎武志さんの本

知恵 がもらえる1冊

読書で見つけたこころに効く「名言・名セリフ」

  • 岡崎武志/著
  • 光文社

なにかしら生きるヒントが得られ、本がよみたくなる本です。

柿の種

  • 寺田寅彦/著
  • 岩波書店

名随筆家の短文集は、世の中のさまざまなことを観察し、よく考えることから、生きる知恵がもらえるはずです。

小澤征良さん(作家)

小澤征良さんの本

世界をいろんな角度からちゃんと見られているか、問うてくれる1冊

おわらない夏

  • 小沢征良/著
  • 集英社

子ども時代の溢れる思い──
多数の読者から子供時代が蘇ったと手紙を頂き大事なものは何処かで繋がってる喜びを感じた。

春にして君を離れ

  • アガサ・クリスティー/著
  • 中村妙子/訳
  • 早川書房

読後ずっといろんな場面が頭をめぐる本には強さがある。主人公が理解する自身を取り巻く世界と、その世界からみる主人公に隔たりがある。その恐ろしさはどの時代の誰にも起こりうるから。

小和田哲男さん(静岡県・静岡大学名誉教授)

小和田哲男さんの本

想像力 がもらえる1冊

戦国武将列伝100 戦国時代に何を学ぶか

  • 小和田哲男/著
  • メディアパル

本誌連載中の「小和田哲男の戦国武将列伝」が100人になったので、一区切りと思いまとめたものです。

日本の城

  • 香川元太郎/イラスト
  • 学研プラス

城跡を歩くとき、曲輪配置などを記した縄張図というものが役にたつが、建造物がない城の場合、なかなかイメージがつかめない。この本は、鳥瞰復元という手法で想像力をかきたててくれる。

垣谷美雨さん(作家)

垣谷美雨さんの本

生きる力 がもらえる1冊

四十歳、未婚出産

  • 垣谷美雨/著
  • 幻冬舎

世間の目なんか気にしなくていい。自分の幸福は自分でつかめ。そんな当たり前の生き方を忘れてしまったあなたに贈る。

アウシュヴィッツの図書係

  • アントニオ・G・イトゥルベ/著
  • 小原京子/訳
  • 集英社

アウシュヴィッツ強制収容所に、囚人たちによって作られた秘密の図書館があった。ナチスが見張る地獄の中で、少女は読書する意欲を失わない。実話に基づく希望の物語。本とはなんと素晴しいものか。

門井慶喜さん(群馬県、栃木県・作家)

門井慶喜さんの本

学ぶ意欲 がもらえる1冊

にっぽんの履歴書

  • 門井慶喜/著
  • 文藝春秋

はじめてのエッセイ集。歴史について、人間とその社会について、この程度には深く考えています。

神曲 地獄篇(第1歌~第17歌)

  • 池澤夏樹/監修
  • ダンテ・アリギエーリ/著
  • 須賀敦子/訳
  • 藤谷道夫/訳
  • 藤谷道夫/注釈・解説
  • 河出書房新社

須賀訳の本文もいいが、感動を誘うのは注釈だ。むかし須賀敦子に直接『神曲』を教わった、そうしていまは当時の師の年を超えてしまった弟子による、専門的かつ心のこもった短章たち。最高の追善。

香山リカさん(北海道・精神科医)

香山リカさんの本

未来を生き抜く力 がもらえる1冊

女性の「定年後」 何をして、何をしないか

  • 香山リカ/著
  • 大和書房

シングルも既婚者にも必ずやってくる「定年後」をどう生きるか、女性に向けて解説。

スーパーインテリジェンス

  • ニック・ボストロム/著
  • 倉骨彰/訳
  • 日本経済新聞出版社

AIが人間を超えるといわれる中、科学技術の進歩に背を向けることなく、人間性を保持していくための戦略が書かれている。

木内 昇さん(作家)

木内 昇さんの本

自分のままでいようと思えたこと。 がもらえる1冊

火影に咲く

  • 木内昇/著
  • 集英社

幕末の志士と女性たちとの交流を描いた短編集です。

坊っちゃん 改版

  • 夏目漱石/著
  • 新潮社

社会人になり立てで、周りに合わせるばかりで疲弊していた頃に再読し、他におもねらない主人公の姿勢に刺激を受けました。損や衝突はあっても、個を失わず仕事をすることの尊さを学んだ気がします。

北上次郎さん(東京都・文芸評論家)

北上次郎さんの本

元気 がもらえる1冊

活字競馬 馬に関する本 究極のブックガイド

  • 北上次郎/著
  • 白夜書房

ミステリーから、文学、エッセイ、ノンフィクションまで、馬に関する本を紹介するブックガイド。

そして、バトンは渡された

  • 瀬尾まいこ/著
  • 文藝春秋

母親が二人いて、父親が三人いるのに、全然不幸ではなかったという設定がミソ。幸せな日々ではあっても何も起きない日々ではなく、濃いドラマが始まるのがいい。さらに七年後を描く後日譚も強い印象を残している。

北村 薫さん(埼玉県・作家)

北村 薫さんの本

これはという一行との出会い がもらえる1冊

小萩のかんざし いとま申して 3

  • 北村薫/著
  • 文藝春秋

「地味でつまらないんだろうな、と思っていたが、読んだら無類の面白さ」という感想をいただきました。そうなんです。

ずっと喪

  • 洛田二十日/著
  • キノブックス

奇想という頭を支えるのは文章という体。こばなしとして人に伝えても意味がなく、この人の語りを聞くしかない。多くの作に、きらめきを見せる一行があり、ただのアイデア展示会になっていないところが値打ち。

くさか里樹さん(高知県・漫画家)

くさか里樹さんの本

信じ続ける力 がもらえる1冊

ヘルプマン Vol.1~8

  • くさか里樹/著
  • 朝日新聞出版

実話をもとにした介護現場をダイナミックに描くリニューアル版の第一巻です。よろしくお願いいたします。

奇跡の歌 戦争と望郷とペギー葉山

  • 門田隆将/著
  • 小学館

切なくても苦しくても歌を歌って歩く、生きる、ちっぽけな人間のでっかい命が胸に迫る。ノンフィクションの力に圧倒されます!

黒木 亮さん(北海道・作家)

黒木 亮さんの本

地方再生のヒント がもらえる1冊

島のエアライン 上

島のエアライン 下

  • 黒木亮/著
  • 毎日新聞出版

熊本県の天草で、約20年間の歳月をかけて自前の定期航空会社を立ち上げた人々の夢と挑戦の物語。登場人物と組織はすべて実名です。

ルポ地域再生 なぜヨーロッパのまちは元気なのか?

    志子田徹/著
  • イースト・プレス

秘伝のレシピの共有化で食の都となったサン・セバスチャン、森林資源や地熱を最大限活用するスウェーデンのベクショー市やアイスランド、日本の50年先を行くハイテク農業のオランダなど、海外の豊富な地域再生事例を紹介する“目から鱗”の本。

コマツシンヤさん(高知県・マンガ家)

コマツシンヤさんの本

情景を想像する楽しさ がもらえる1冊

ゆかしたのワニ

  • ねじめ正一/文
  • コマツシンヤ/絵
  • 福音館書店
  • (「こどものとも年中向き」2018年11月号掲載)

男の子が住んでいる家の床下にはワニがいて…
日常と非日常が陸続きになっているお話です。

アド・バード

  • 椎名誠/著
  • 集英社

「広告」に汚染された未来世界。蠢く奇妙な生物たち。独特な文章に想像力が刺激され、頭の中に情景がありありと浮かんできます。高校生の時に読んで以来椎名さんの書かれるSF世界の虜になりました。

小谷野敦さん(茨城県、埼玉県・作家、比較文学者)

小谷野敦さんの本

志 がもらえる1冊

とちおとめのババロア

  • 小谷野敦/著
  • 河出書房新社

『文學界』に発表した中編小説で、ほか短編小説をつけて刊行する。

武揚伝 上巻

武揚伝 中巻

武揚伝 下巻

  • 佐々木譲/著
  • 中央公論新社

榎本武揚の伝記小説で、五稜郭の戦いで敗れるまでを描いているが、勝海舟が意外にダメな男だったり、近年の歴史小説で出色の出来。日本にも共和国があったということへの、著者の意識が輝いている。

西條奈加さん(北海道・作家)

西條奈加さんの本

小説の面白さ がもらえる1冊

無暁の鈴

  • 西條奈加/著
  • 光文社

ひとりの僧侶の人生譚。渡世人、島流し、修験者と波瀾万丈ですが、その先に行きついた結末が主題の作品です。

夢見通りの人々

  • 宮本輝/著
  • 新潮社

仕事上、自作を最も多く読むので最近食傷ぎみだった。久々にこの作品を再読し、「やっぱり小説って面白い!」と再認識させられました。名作です。

坂井希久子さん(和歌山県・小説家)

坂井希久子さんの本

この道をゆく勇気 がもらえる1冊

ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや

  • 坂井希久子/著
  • 角川春樹事務所

時代シリーズの一作目。なにを措いても食欲の秋、という食いしんぼうさんに読んでいただきたいです。

おもちゃ絵芳藤

  • 谷津矢車/著
  • 文藝春秋

国芳一門でありながら、新人絵師の下積み的なおもちゃ絵の仕事ばかりの芳藤。弟弟子たちの出世を横目に見つつ忸怩たるものを抱えていた主人公が、最後に至った境地に胸が熱くなる。

佐川光晴さん(神奈川県・小説家)

佐川光晴さんの本

時代と切り結ぶ覚悟 がもらえる1冊

日の出

  • 佐川光晴/著
  • 集英社

明治41年、13歳の清作は徴兵逃れを決行し、故郷小松を出て鍛冶となる。日露戦争後を舞台に繰り広げられる波乱万丈の物語。

山県有朋 明治日本の象徴

  • 岡義武/著
  • 岩波書店

太平洋戦争末期、終戦工作に参加していた東大法学部7教授の一人である岡義武(政治学)が、明治・大正期に帝国陸軍の大御所・総理大臣・元老として権勢をふるった軍人政治家・山県有朋の生涯を語る名著。

佐々木圭一さん(神奈川県・コピーライター)

佐々木圭一さんの本

人生のヒント がもらえる1冊

まんがでわかる伝え方が9割

  • 佐々木圭一/著
  • 星井博文/シナリオ
  • 大舞キリコ/作画
  • ダイヤモンド社

伝えベタの編集者、舞は、伝説のオネエ編集者とであう。伝え方はセンスだと思っていたのが、実は技術があることを知る。

大富豪からの手紙

  • 本田健/著
  • ダイヤモンド社

タイトルからどきどきさせられます。もし、自分が大富豪から手紙をもらっていたら。そこに人生を成功させるヒントが書かれていたなら。50万円くらいの価値がある本だと思います。

志川節子さん(島根県・作家)

志川節子さんの本

明日への活力 がもらえる1冊

花鳥茶屋せせらぎ

  • 志川節子/著
  • 祥伝社

こちらは呑んだくれには程遠い、若者たちが主人公。それぞれの明日をめざしてはばたく物語です。

居酒屋の誕生 江戸の呑みだおれ文化

  • 飯野亮一/著
  • 筑摩書房

京の着倒れ、大坂の喰倒れ、江戸の呑倒れ。そんなふうに表現されるほど、江戸は酔っ払い天国だったのです。数々の挿絵からは当時の居酒屋の活気が伝わってくるようで、元気がもらえます。

篠田節子さん(東京都・作家)

篠田節子さんの本

作家としての良心 がもらえる1冊

鏡の背面

  • 篠田節子/著
  • 集英社

自己意識とは何か、をテーマにした、たぶん著者初の犯罪小説。そして二年ぶりの小説新刊です。

ヴェネツィアの出版人

  • ハビエル・アスペイティア/著
  • 八重樫克彦/訳
  • 八重樫由貴子/訳
  • 作品社

職人と商人が菓子のごとく本を作っては売っていた時代に、教会から異端視されつつ、文学的意義から良書を出版し続けたヴェネツィアの出版人の伝記小説。エロティックで哲学的かつサスペンスフルなまさに良書。

柴田純与さん(福井県・イラストレーター)

柴田純与さんの本

心の和らぎ がもらえる1冊

稲妻で時をこえろ!

  • 小森香折/作
  • 柴田純与/絵
  • 文研出版

2018年が舞台のタイムファンタジー。主人公の瞬が選択し、成長する姿が甘く切ないです。作中の音楽も美しい。

我が家のヒミツ

  • 奥田英朗/著
  • 集英社

この「家」シリーズ大好き!です。今回もワクワクしながら読み始めたのですが、うっかり泣いてしまった。自分の価値観で人を判断しない、とか当たり前のことを優しく説いてもらったようで、心が平らになりました。

清水義範さん(愛知県・作家)

清水義範さんの本

悪夢のような幻想の楽しさ がもらえる1冊

老老戦記

  • 池澤夏樹/訳
  • 新潮社

老人たちが暴走し、社会がひっくり返りそうになる。超過激でブラックなユーモア老人物語。

百年の孤独

  • G・ガルシア=マルケス/〔著〕
  • 鼓直/訳
  • 新潮社

中米コロンビアを舞台とする幻想の百年史は、圧倒的な空想力で読者を異世界へと導く。20世紀の文学的遺産とも言うべき、偉大な小説である。

下村敦史さん(京都府・作家)

下村敦史さんの本

青春の甘酸っぱさとノスタルジー がもらえる1冊

黙過

  • 下村敦史/著
  • 徳間書店

11作目で初めてデビュー作の乱歩賞受賞作『闇に香る噓』を超えたと言えた渾身の勝負作の医療ミステリーです。ぜひ!

名探偵誕生

  • 似鳥鶏/著
  • 実業之日本社

1話ごとに『僕』が小学生、中学生、高校生、大学生──と時を重ねつつ、その時期に体験する謎を隣の家の『お姉ちゃん』と解決していく物語。片思いの切なさを思い出しながら意外性とロジックを堪能してください!

朱川湊人さん(大阪府・小説家)

朱川湊人さんの本

後ろめたい喜び がもらえる1冊

都市伝説セピア

  • 朱川湊人/著
  • 文藝春秋

私のデビュー本です。乱歩で開いてしまった扉から出てきた物語ばかりです。よろしければ手に取ってみてください。

江戸川乱歩全集 第1巻

  • 江戸川乱歩/著
  • 光文社

太宰同様、乱歩の短編は若い時ほど響くので、三十代前半までには必ず読んでおくべき。あなたの中の不穏な扉が開いてしまうことは確実です。光文社文庫の全集の第一巻は、他の名作も入っていてお得。気に入ったら、次は三巻と五巻をどうぞ。

小路幸也さん(北海道・小説家)

小路幸也さんの本

平和・希望・自由 がもらえる1冊

花咲小路三丁目北角のすばるちゃん

  • 小路幸也/著
  • ポプラ社

〈花咲小路商店街シリーズ〉の第五弾です。今回は商店街唯一の駐車場を営む高校を出たばっかりのすばるちゃんが主人公です。よろしくお願いします。

SAPEURS THE GENTLEMEN OF BACONGO

  • ダニエーレ・タマーニ/著
  • 〔宮城太/訳〕
  • 青幻舎

年収のほとんどをファッションに使う。着飾って街を歩き、外面と内面を磨く。高貴さを服と同時に心にも纏い、子供たちの憧れの的となる。アフリカ・コンゴ共和国のスラムの、紳士たち。

真藤順丈さん(東京都・作家)

真藤順丈さんの本

現実世界が違って見えるほどの想像力 がもらえる1冊

宝島 HERO’s ISLAND

  • 真藤順丈/著
  • 講談社

近代日本でもっとも熱く、恵み深かった時代の〈歓喜の歌〉。命を肯定しよう、魂をソウルフルに鳴らせ!

滅びの園

  • 恒川光太郎/著
  • KADOKAWA

小説の神様に愛されちゃった作家・恒川光太郎のぶっちぎりの奇想。恒川作品を読んでいてしばしば垣間見せられる〈神憑き〉の瞬間、その最大火力がずっとつづく神話的SF世界は、恐ろしく、そして美しい。

関 容子さん(東京都・エッセイスト)

関 容子さんの本

古風な爽涼感 がもらえる1冊

日本の鶯 堀口大學聞書き

  • 関容子/著
  • 岩波書店

詩人堀口大學と画家マリー・ローランサンとの恋。これを明確に指摘された名解説(丸谷才一氏)を是非。

漱石センセと私

  • 出久根達郎/著
  • 潮出版社

夏目漱石は松山時代、下宿先の美少女「より江」から憧れられ、恋い慕われる。彼女を通して描かれる漱石夫妻の素顔が、古風でありながら実は新感覚の爽涼感に満ちている。

大道珠貴さん(福岡県・モノカキ)

大道珠貴さんの本

魔法の鏡 がもらえる1冊

東京居酒屋探訪

  • 大道珠貴/著
  • 講談社

お店の宣伝ではなく、お酒&肴によって引き出された故郷・福岡での想い出を綴った随筆で、自慢話や自己憐憫には気をつけました。

魔女の宅急便

  • 角野栄子/作
  • 林明子/画
  • 福音館書店

この“魔女”の存在とは、現実の世におけるなににあてはまるのか、差別、信仰、障害、偏見、絶望、未来……つまり自分そのものだと気づかされる。細々と質素な魔法をかけてきて、豪勢な魔法をかけられてきて。

大門剛明さん(三重県・作家)

大門剛明さんの本

忘れていたドキドキ がもらえる1冊

獄の棘

  • 大門剛明/著
  • KADOKAWA

看守視点の連作短編です。脱獄の話もありますので、約束のネバーランドとはまた違った脱獄物語をお楽しみください。

約束のネバーランド 1~10

  • 白井カイウ/原作
  • 出水ぽすか/作画
  • 集英社

愛らしい絵柄と孤児院からの脱獄というギャップが面白く、知能戦が楽しめます。看守役であるママに絶対的な存在感があり、簡単には脱獄できないだろうな、この先どうなるのだろうというドキドキが詰まっています。

高嶋哲夫さん(岡山県・作家)

高嶋哲夫さんの本

国境を越えた「絆」の大切さ。 がもらえる1冊

ハリケーン

  • 高嶋哲夫/著
  • 幻冬舎

人は心に嵐を持って生きている。それは本物のハリケーンより激しく、人を傷つける。巨大な自然の力に立ち向かうとき、奇跡が生まれる。

トモダチ作戦 気仙沼大島と米軍海兵隊の奇跡の“絆”

  • ロバート・D・エルドリッヂ/著
  • 集英社

災害は多くの人々に、多くの不幸と困難をもたらす。同時に、平時では考えられない結び付き、「絆」を生み出す。この本は東日本大震災時の、気仙沼大島の人たちとアメリカ海兵隊との結びつきを描いている。そして、その絆は現在も続いている。

髙田 郁さん(作家)

髙田 郁さんの本

当たり前の日々に感謝する気持ち がもらえる1冊

花だより みをつくし料理帖 特別巻

  • 高田郁/著
  • 角川春樹事務所

お待たせしました。「みをつくし料理帖」シリーズの特別巻です。登場人物たちの幸せな様子をぜひご覧くださいませ。

ありふれた日々の暮らし

  • 近藤龍夫/写真
  • 近藤誠宏/監修
  • 岐阜新聞社

物言わぬ写真の雄弁に、心を打たれます。忙しない毎日を過ごすうち、忘れてしまった大事なこと──日々を丁寧に生きることの大切さ──を思い出させてもらえます。

高任和夫さん(宮城県・作家)

高任和夫さんの本

日本の思想・文明史の概観 がもらえる1冊

エンデの島

  • 高任和夫/著
  • 光文社

望ましい社会のあり方、個人の生き方を考えながら執筆したもの。ちなみに私は「経済小説家」とくくられることを好みません。

芸術国家日本のかがやき Ⅰ~Ⅲ

  • 田中英道/著
  • 勉誠出版

現代日本の文明が行き詰っていると考える人むけの一冊。縄文1万年(何と100世紀)への関心が深まっているのも、そのような人々が多くなっているからではないか。先人の思想の歩みを知ることは模索の一助となろう。一例をあげれば道元は「貧に徹し、世俗的な富や名声を拒否する」ことを述べている。我々の内には、そのような伝統もあったのだ。

高殿 円さん(兵庫県・作家・漫画原作家)

高殿 円さんの本

ムスリムコミュニティトリビアと、子供に読ませたいと思う気持ち がもらえる1冊

トッカン徴収ロワイヤル

  • 高殿 円/著
  • 早川書房

トッカン初の短編集です。知ってそうで知らない相続税滞納問題・公売オークションなど、税金トリビア満載ですよ。

サトコとナダ 1~3

  • ユペチカ/著
  • 西森マリー/監修
  • 星海社

日本人にとっては、「さぞかし女子は生きにくいだろう」という先入観ばかりがあるムスリム文化。その扉をあけてくれるコミック。親となった身としては、こんなふうに息子にだれかに出会ってほしいと思う。

高橋カオリさん(大阪府・まんが家)

高橋カオリさんの本

ワクワク がもらえる1冊

おひとりさま1年生

  • 高橋カオリ/マンガ
  • 葉石かおり/監修
  • アース・スターエンターテイメント

ひとりでお寿司、焼肉、ひとり旅…。さまざまな「ひとり時間」を楽しむためのコツを詰め込んだ、マンガで読める指南書です。

シティーズとうきょう

  • IC4DESIGN/さく
  • 昭文社

空から見た東京の街のイラストは、かわいい絵ながら街の名所や特徴がしっかり描かれていて、見ているだけで楽しくなってくる! 絵の中に描かれた人やモノを探すチェック項目もあり、ゲーム感覚で遊びながら読めます。

瀧羽麻子さん(兵庫県・小説家)

瀧羽麻子さんの本

元気 がもらえる1冊

ありえないほどうるさいオルゴール店

  • 瀧羽麻子/著
  • 幻冬舎

お客さんの「心に流れている音楽」を聴きとってオルゴールにしてくれる、不思議なお店を舞台とした連作短篇集です。

夏がとまらない

  • 藤岡拓太郎/著
  • ナナロク社

217本の1ページ漫画から成る作品集。話は1本ずつ(みごとなオチつきで)完結しているのだけれど、ページをめくる手がとまらない。217通りの、不可思議でシュールで笑える世界を詰めこんだ、小宇宙のような本だと思う。

立川談四楼さん(群馬県・落語家・書評家)

立川談四楼さんの本

この道で生きてゆくのだという覚悟。 がもらえる1冊

ファイティング寿限無

  • 立川談四楼/著
  • 祥伝社

主人公は「落語もできるボクサー」です。ダウンしても起き上がってくるところは本書と同じで2度目の文庫化です。

暗殺の年輪 新装版

  • 藤沢周平/著
  • 文藝春秋

著者の初期の作品集です。後年はカラッと明るい作品も書きますが、本書に漂う暗い情熱は只事ではなく、登場人物の苦悩が著者と重なり、小説という道で生きてゆくのだという覚悟がヒシヒシと伝わってくるのです。

辻 真先さん(愛知県・アニメ脚本家・推理作家)

辻 真先さんの本

視る眼 がもらえる1冊

深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説

  • 辻 真先/著
  • 東京創元社

戦前日本最大の平和博(名古屋市)が終わってわずか2ヶ月で戦争がはじまった。日本人の誰も、たった2ヶ月先を「視」ることが出来なかった。

縮小ニッポンの衝撃

  • NHKスペシャル取材班/著
  • 講談社

おおむねは知っていたつもりの日本の人口減少問題を、ここまでデータをそろえて突きつけられると愕然とする。いかに自分が事象のうわべだけを「見」て、その底にわだかまるものを「視」なかったか、寒心に堪えない。

出久根達郎さん(茨城県・小説家)

出久根達郎さんの本

本を漁る楽しみ がもらえる1冊

漱石センセと私

  • 出久根達郎/著
  • 潮出版社

文豪漱石に愛された少女がいた。「吾輩は猫である」を書かせた実在の猫好きな女性の、知られざる半生の物語。

司馬さん、みつけました。

  • 山野博史/著
  • 和泉書院

好きな作家の断簡零墨を楽しみたいというファンに、うってつけの入門書。司馬遼太郎という文字のあるものなら、チラシ一枚見逃がさない。こんなにも未読の文章があるなんて…いや、まだまだあるはず。さあ、発見発掘に一緒に参りましょう。

寺地はるなさん(佐賀県・作家)

寺地はるなさんの本

ヒント がもらえる1冊

大人は泣かないと思っていた

  • 寺地はるな/著
  • 集英社

いつか書きたいと思っていた「お酌をする/される」ことのめんどうくささをこの作品にこめました。

失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!

  • 大野正人/著
  • 文響社

子ども向けの本ですが、大人にもほんのすこし生きやすくなるためのヒントがたくさんつまっています。

都倉健太さん(兵庫県・保険代理店・東京プロビジョン株式会社代表取締役)

都倉健太さんの本

IT技術が金融業界に与えるインパクトと金融業界の将来像 がもらえる1冊

プロが“身内だけ”にこっそり教える最強の保険選び

  • 都倉健太/著
  • 新星出版社

生命保険は高い買い物。損害保険も安くありません。だからこそ、賢く自分にあった保険を活用してください。

仮想通貨とフィンテック 世界を変える技術としくみ

  • 苫米地英人/著
  • サイゾー

フィンテックや仮想通貨が注目されていますが、これらの根幹は暗号化技術。今後、IT技術が金融業界に与えるインパクトは極めて大きく、私たちの生活は大きく変化する時代が到来します。本書はそのことに気づかせてくれます。

内藤 了さん(長野県・駆け出し作家)

内藤 了さんの本

心の置場 がもらえる1冊

夢探偵フロイト マッド・モラン連続死事件

  • 内藤 了/著
  • 小学館

睡眠中に見る夢を題材にしたミステリー。個人的ツボのキャラたちがいるのでぜひ。

肩ごしの恋人

  • 唯川恵/著
  • 集英社

人が羽ばたくためには家族が必要。それは両親と子供という基本的な形でない場合もある。家族とは、自分を認め受け入れてくれる安心であり、心の置場なのかもしれない。とある家族の創られ方を示してくれる小説です。

永江 朗さん(北海道・フリーライター・書評家)

永江 朗さんの本

じぶんを見つめるきっかけ がもらえる1冊

65歳からの京都歩き

  • 永江 朗/著
  • 京阪神エルマガジン社

時間に追われることなく、のんびりと京都を楽しみましょう。歩く、立ち止まる、座る。いろんな世界が見えてくるはずです。

生きる

  • 谷川俊太郎/詩
  • 岡本よしろう/絵
  • 福音館書店

谷川俊太郎さんが約50年前に書いた詩に、岡本よしろうさんが絵をつけて、物語になりました。「いま」この一瞬に生きる意味を考えさせられます。子どもだけでなく、大人にもおすすめしたい絵本です。

長岡弘樹さん(山形県・作家)

長岡弘樹さんの本

同胞意識 がもらえる1冊

道具箱はささやく

  • 長岡弘樹/著
  • 祥伝社

アイデア小説一直線! を宣言するつもりで書きました。1編20枚の小宇宙をお楽しみください。

〆切本

  • 左右社編集部/編
  • 左右社

斯界の巨匠方に対して、私ごときが同胞など言うのはおこがましいかぎりですが……。何しても、「みんな苦労したんだよ」という過去からの囁きには、とても勇気づけられます。

中村彰彦さん(東京都・作家)

中村彰彦さんの本

地球温暖化を解決できるという期待感 がもらえる1冊

幕末史かく流れゆく

  • 中村彰彦/著
  • 中央公論新社

幕末を天保年間から明治10年までと捉え、入れ替わり立ち替わり登場した人物に光を当ててみました。

マンモスを再生せよ ハーバード大学遺伝子研究チームの挑戦

  • ベン・メズリック/著
  • 上野元美/訳
  • 文藝春秋

永久凍土(ツンドラ)にヘラジカ、バイソン、トナカイなどを放すと、ツンドラが掘り返され、冷気が地下に滲みこんで気温が下がる。ならば氷河期最大の草食動物マンモスを再生すれば、地球温暖化を防げると考える実在の人々の夢のある話。

中山七里さん(岐阜県・物書き)

中山七里さんの本

男の優しさ がもらえる1冊

護られなかった者たちへ

  • 中山七里/著
  • NHK出版

生活保護をテーマにした社会派ミステリーですが、もちろんそれだけではなく……。

セント・メリーのリボン 新装版

  • 稲見一良/著
  • 光文社

日本におけるハードボイルド小説の宝石。感涙必至。

二階堂黎人さん(長野県・小説家)

二階堂黎人さんの本

芸術的感性 がもらえる1冊

忍者大戦 黒ノ巻

忍者大戦 赤ノ巻

  • 二階堂黎人/著
  • 光文社

忍者ものの書き下ろしアンソロジー2冊です。白土三平や横山光輝の忍者漫画を彷彿させる短編を、本格ミステリー作家たちが競作しました(私も参加しています)。

手塚治虫表紙絵集

  • 手塚治虫/著
  • 森晴路/監修
  • 玄光社

手塚治虫のほぼすべての単行本の表紙絵が収録されている。その一つ一つが芸術的な絵画であったことを、再認識あるいは新発見できる画期的な画集なのだ。

西 淑さん(イラストレーター)

西 淑さんの本

静けさ がもらえる1冊

なくなりそうな世界のことば

  • 吉岡乾/著
  • 西淑/イラスト
  • 創元社

世界の50の少数言語の中から、選んだ単語に文と絵を添えて紹介した少数言語の単語帳です。きえゆく言葉を話す人たちの暮らしに思いを馳せてみてください。

深呼吸の必要

  • 長田弘/著
  • 晶文社

ことばがすっとこころに染み込む。透きとおったことばたち。長田弘さんの書いた詩を読むと、いつもそんな風に感じます。飾らない、ただありのままの素朴なことばが、静けさを与えてくれます。

西村賢太さん(東京都・作家)

西村賢太さんの本

わが身を顧みる時間 がもらえる1冊

田中英光傑作選 オリンポスの果実/さようなら他

  • 田中英光/〔著〕
  • 西村賢太/編
  • KADOKAWA

同じく満身創痍で書き続けた小説家だが、こちらは心の傷である。集中の「風はいつも吹いている」は、是非一読を。

楽天家は運を呼ぶ

  • 高橋三千綱/著
  • 岩波書店

糖尿病、肝硬変、食道ガン、胃ガンとまさに満身創痍で書き続ける著者。しかし気負うことなく、至って楽天的な日々を綴ったこの随筆集には、自身と病へ対する不敵さと、他者に対するさり気ない優しさが横溢している。

野崎六助さん(作家)

野崎六助さんの本

勇気 がもらえる1冊

北米探偵小説論

  • 野崎六助/著
  • インスクリプト

上記「増補版」が出て、はや20年。「続編」は順調に進み、二千枚に達する。本年中に書き終えられる見通しも出てきた。

背中の地図 金時鐘詩集

  • 金時鐘/著
  • 河出書房新社

日本列島の背骨が折れた。骨折した背中をこごめて迷走する日本。迷走する日本を真性の詩人がとらえた「最新詩集」。風景は朽ち果て、復興金は闇のふところに消え、言葉は沈む。だが、金時鐘の詩が、ここにある。

浜島代志子さん(兵庫県・えほん教育協会会長・劇団天童代表)

浜島代志子さんの本

大正浪漫の豊かで繊細な感性 がもらえる1冊

1日7分の絵本で子どもの頭はみるみる良くなる!

  • 浜島代志子/著
  • すばる舎

幼児期に絵本を読み聞かせてもらった子どもは、成績がいいと文科省が明言しています。おすすめ絵本210冊を役立ててください。

竹久夢二童話集

  • 竹久夢二/著
  • パンローリング

夢二の文学は、はかない美人画とはおおいに異なる。母を詠った小さな物語では、しっかり者で限りなくやさしい日本の母がいる。巡礼お鶴の芝居を見た子との会話がいとおしい。父母の同郷の岡山県人の夢二がわかる気がする。

林 静一さん(画家、作家)

林 静一さんの本

行ったことが無い国でも行った気になれる情報 がもらえる1冊

夢枕

  • 林 静一/著
  • パルコエンタテインメント事業局

漱石さんの『草枕』をベースにした本。絵画について語っているので、私なりの絵画論を語らせてもらっております。

ヨーロッパ退屈日記

  • 伊丹十三/著
  • 新潮社

伊丹さんとは11PMでご一緒したことがあるが、才のある方で、この本でもチップの払い方や会話のつなぎ方など、外国旅行の薀蓄がつまっているから、行かなくとも行った気になって人と話せる。

原 武史さん(東京都・放送大学教授)

原 武史さんの本

タイムマシン がもらえる1冊

〈女帝〉の日本史

  • 原武史/著
  • NHK出版

平成の終焉を目前に控え、日本の古代から現代に至る天皇の歴史を、東アジアに共通する〈女帝〉という観点から考察した。

星夜航行 上巻

星夜航行 下巻

  • 飯嶋和一/著
  • 新潮社

上下巻で1100頁を超えるこの大作の世界に浸ってゆくうちに、いつしか読者もタイムマシンに乗って16世紀末の戦場に迷い込んだような錯覚に襲われてくる。日本側、朝鮮側双方の視点に立った記述も素晴らしい。

はらぺこめがねさん(原田しんや:徳島県 関かおり:大阪府・イラストユニット)

はらぺこめがねさんの本

好奇心 がもらえる1冊

チキンライスがいく。

  • はらぺこめがね/作
  • あかね書房

主人公はチキンライス。ちょっぴり疑問と好奇心を持ちながら、ひたすら歩いていく。頭空っぽで読んでほしい一冊です。

あいうえおの本

  • 安野光雅/〔作〕
  • 福音館書店

シンプルな中に、たくさんの不思議が隠れている。何回読んでも童心に戻れてわくわくします。

東川篤哉さん(広島県・作家)

東川篤哉さんの本

知的興奮 がもらえる1冊

館島

  • 東川篤哉/著
  • 東京創元社

いちおう、これの続編にあたる新作長編を本にしようとしている最中なので、まずこれを。

亜愛一郎の狼狽

  • 泡坂妻夫/著
  • 東京創元社

不可能趣味、奇妙なロジック、そしてどんでん返し。一瞬にして世界が反転する、粒揃いの短編集です。探偵役の飄々とした雰囲気も妙な味わいがあって素敵です。

樋口明雄さん(山口県・小説家)

樋口明雄さんの本

奇跡という感動 がもらえる1冊

ダークリバー

  • 樋口明雄/著
  • 祥伝社

8月刊行〈風に吹かれて〉に次ぐ、基地の町・岩国が舞台の小説。タイトルどおり〈川〉がテーマのハードボイルドです。

セント・メリーのリボン 新装版

  • 稲見一良/著
  • 光文社

猟犬探偵と相棒である犬のタフな活躍ぶりが読みどころの表題作だが、「花見川の要塞」のようなファンタジーも素晴らしい。ハードボイルドと呼ばれるジャンルが悲しくも死語になりつつある昨今、この作品の復刊はもしや《奇跡》かもしれない。

平谷美樹さん(岩手県・作家)

平谷美樹さんの本

知的興奮 がもらえる1冊

鍬ケ崎心中

  • 平谷美樹/著
  • 小学館

岩手県宮古市の鍬ヶ崎の沖で起こった海戦と、悲恋物語。戊辰戦争終結150年の今年中に、ぜひ読んで下さい(笑)。

新版 宮澤賢治 愛のうた

  • 澤口たまみ/著
  • 夕書房

最初に引用された詩を読んで、宮澤賢治には相思相愛の恋人がいたのだと確信しました。わたしは賢治のいい読者ではないのですが、あとはもう、澤口さんの謎解きに身をまかせ、知的興奮を堪能しました。

深沢 潮さん(東京都・小説家)

深沢 潮さんの本

なつかしさ がもらえる1冊

海を抱いて月に眠る

  • 深沢 潮/著
  • 文藝春秋

父親の遺品のノートを見つけた娘が、父の来し方をたどっていく物語。自分の父をモデルに書きました。

空港時光

  • 温又柔/著
  • 河出書房新社

空港にまつわる10の短編集。台湾と日本を往来する人たちの空港でのひとこまを読むと、これまでにパスポートを持って飛行機に乗ったときのさまざまな思い出が蘇り、胸がじんとなってくる。そして言葉の記憶があたたか。

福田和代さん(兵庫県・ミステリー作家)

福田和代さんの本

闘志(笑) がもらえる1冊

黄金の代償

  • 福田和代/著
  • KADOKAWA

神戸を舞台にしたクライムノベルの新刊です。よろしくお願いします。

燃えよ剣 上

燃えよ剣 下

  • 司馬遼太郎/著
  • 新潮社

新選組の副長、土方歳三の青年時代から、五稜郭で亡くなるまでの半生を、友情、恋心、剣客としての矜持、強い組織を構築することへの情熱など、多面的に描いた熱い小説です。読むと闘志をかきたてられます。(これホント!)

藤野千夜さん(福岡県・小説家)

藤野千夜さんの本

やすらぎ がもらえる1冊

君のいた日々

  • 藤野千夜/著
  • 角川春樹事務所

こちらは私なりに「別れ」について考えた小説です。夫婦の思いを中心に、誰かと一緒にいることのできた世界の幸せを描きました。

さざなみのよる

  • 木皿泉/著
  • 河出書房新社

43歳で他界した小国ナスミと、彼女に関わった人たちとを描く連作短編集。先に旅立っても、誰かの心とともに「今」を生きる。別れの多くなった年頃にはじんわり、そして遺品のダイヤの行方にうっとりしました。傑作です。

保坂和志さん(小説家)

保坂和志さんの本

元気! がもらえる1冊

ハレルヤ

  • 保坂和志/著
  • 新潮社

人間が最も猫に接近して書いた小説です。だから過去は消えるわけでなく、生きることの圧倒的な感触が死を超える。

69 sixty nine

  • 村上龍/著
  • 集英社

本当は「長崎オランダ村」にしたかったが、こちらはあいにく絶版。私にも泣き出しそうで、このまま夜が越えられないと思ったことは人生で3回くらいはある。その中の1度、「69」の続編の「長崎オランダ村」を読んで夜を越えられた。

細川博昭さん(静岡県・ノンフィクション作家)

細川博昭さんの本

江戸の人々がもっていたリアルな美の意識 がもらえる1冊

鳥が好きすぎて、すみません 驚異の能力、人生の楽しみ方、鳥たちとの暮らしから教わったたくさんのこと

  • 細川博昭/著
  • 誠文堂新光社

自身初の鳥エッセイです。アイザック・アシモフの科学エッセイなどを読んで育ったため、その影響も……。

江戸時代の流行と美意識 装いの文化史

  • 谷田有史/監修
  • 村田孝子/監修
  • 三樹書房

遠い過去となってしまった感のある江戸時代。だが当時も、日本人男女はファッションを楽しみ、流行を追っていた。今と装いは隔たっていても、同じ日本人。心は意外に近い。そんな姿が垣間見える一冊。

枡野浩一さん(東京都・歌人)

枡野浩一さんの本

小説は自由なのだという視点 がもらえる1冊

しらとりくんはてんこうせい

  • 枡野浩一/著
  • 目黒雅也/え
  • あかね書房

転校がちだった小学時代の自分を、自分とはまったくちがう友人の視点から描いた、自伝的な童話。なにしろ絵が楽しい。

東十条の女

  • 小谷野敦/著
  • 幻戯書房

久々に小説を書きました。どう書いてもしっくり来なくて、一年くらい延々いじっていました。小谷野さんの純文学短編集は、面白くて一編ずつが自由で、「小説はここまで色々であってもいいのだ」と感銘を受けました。

三浦天紗子さん(東京都・ライター、ブックカウンセラー)

三浦天紗子さんの本

小説のレゾンデートル がもらえる1冊

そろそろ産まなきゃ 出産タイムリミット直前調査

  • 三浦天紗子/著
  • CCCメディアハウス

生殖医療が大きな進化を見せている一方で、“産めるからだ”の現実はあまり変わっていません。妊活にも有益な、ベーシックな知識が入っています。

小説禁止令に賛同する

  • いとうせいこう/著
  • 集英社

言論弾圧を受けて投獄されている老作家の〈わたし〉は、命じられてプロパガンダ記事を書いているという設定。管理国家の片棒を担いでいながら、そこで論じられている小説論などから、結局は、読者は小説の面白さや読む喜び、精神の自由はつながれても失わないのだという希望を、見つけてしまうのではないかと思います。

三上ナナエさん(北海道・人材育成コンサルタント)

三上ナナエさんの本

なにかに追いかけられている感覚を手放せる1冊

相手も自分も疲れない ほんとうの気遣いのコツ

  • 三上ナナエ/著
  • 大和書房

おせっかいと気遣いの違いに迷う、気遣いすると疲れてしまう、そんな方に自分もハッピーになる気遣いのコツをご紹介します。

ゆっくり、いそげ カフェからはじめる人を手段化しない経済

  • 影山知明/著
  • 大和書房

東大→マッキンゼー→ベンチャーキャピタル創業という華々しい経歴から、現在カフェを営む著者。経済の基本や丁寧に物事を考える大切さを学べるだけでなく、なぜか幸せに近づ けた感覚にもなる濃い本です。

水野 学さん(東京都・クリエイティブディレクター・good design company代表)

水野 学さんの本

著者の文字を使って伝達する技術の高さ がもらえる1冊

good design company 1998-2018

  • 水野学/編
  • アイデア編集部/編
  • 誠文堂新光社

押入れを机がわりにはじめた小さな会社、グッドデザインカンパニーが大企業のデザインコンサルを手がけるまでの20年間。

安全な妄想

  • 長嶋有/著
  • 100%オレンジ/画
  • 平凡社

芥川賞や大江健三郎賞、そして谷崎潤一郎賞を受賞している著者。小説家として不動の地位にある著者の、六十六篇の抱腹絶倒エッセイ集。小説はもちろんのこと、コラムから俳句にいたるまで、文字を組み合わせて「何かをする」ことの天才。

道尾秀介さん(東京都・作家)

道尾秀介さんの本

自由に世界をつくる楽しさ がもらえる1冊

スケルトン・キー

  • 道尾秀介/著
  • KADOKAWA

サイコパスの心理を一人称で書きました。今までで一番やばい主人公です。いろいろと、すごいことが起きます。

大志の歌 童話の学校 校歌・寮歌

  • 安野光雅/作
  • 童話屋

小川村立めだか小学校、私立蝙蝠中学校、喜貝ヶ島大学ヤドカリ寮……存在しない学校や寮の校歌、寮歌を勝手につくり、その歌詞を載せている、最高におかしい本です。読むと、自分がいる世界の輪郭が広がってくれます。

皆川博子さん(小説家)

皆川博子さんの本

断章の魅力 がもらえる1冊

辺境図書館

  • 皆川博子/著
  • 講談社

埋もれがち、忘れられがちな本について書いています。

無力な天使たち

  • アントワーヌ・ヴォロディーヌ/著
  • 門間広明/訳
  • 山本純/訳
  • 国書刊行会

幾何学的に整然と並べられた美しい断章が描き出すディストピア。

宮木あや子さん(神奈川県・小説家)

宮木あや子さんの本

素直な恋心 がもらえる1冊

帝国の女

  • 宮木あや子/著
  • 光文社

テレビ業界で働く素直になれない女子たちが仕事を頑張って人生がちょっと救われるみたいな話です。読んでもモテない。

和泉式部日記 現代語訳付き

  • 和泉式部/〔著〕
  • 近藤みゆき/訳注
  • 角川書店

平安時代を代表する恋多き女・和泉式部さんのエッセイです。紫式部さんや清少納言さんと比較すると、この人の日記には他者に対する謗りやマウンティングがなく、恋の歌もすごく直球で響く。モテたい女子は読んだほうが良い。

みやこしあきこさん(埼玉県・絵本作家)

みやこしあきこさんの本

ロマン がもらえる1冊

ぼくのたび

  • みやこしあきこ/作
  • ブロンズ新社

私は旅が大好きです。旅の事を考えて、いつもわくわくします。そんな想いをじっくりと絵本にしました。

アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極

  • 角幡唯介/著
  • 集英社

なぜ命をかけて冒険をするのか、その一番納得のいく答えが書かれていました。重く、壮大でゾクゾクしました。

もとやすけいじさん(絵本作家)

もとやすけいじさんの本

知識 がもらえる1冊

のりかえでんしゃ

  • もとやすけいじ/著
  • 学研プラス

今秋出版の新刊です。電車を次々に乗り換える、めくって楽しいのりものしかけ絵本!おでかけ気分で読んでほしいです。

スキマの植物の世界 カラー版

  • 塚谷裕一/著
  • 中央公論新社

建物のスキマから生えてくる植物を集めた本です。僕はたまに散歩中に植物のスケッチをするのですが、名前の分からない草花を調べたり、季節の花を探すのに活用しています。

森村誠一さん(埼玉県・物語り手)

森村誠一さんの本

美しい人生であれば、好きな人生を選べる。一冊

遠い昨日、近い昔

  • 森村誠一/著
  • バジリコ

焦土の日本から小説家となった人生を注ぎ込んだ初の自伝。東京新聞連載時から多くの反響を得た。戦争の気配がただよう今こそ読んでほしい。

十五歳の戦争 陸軍幼年学校「最後の生徒」

  • 西村京太郎/著
  • 集英社

戦争は敵より、國民の人生を先に奪う(殺す)。男は15歳から人生は兵隊。女性は看護婦。平和であれば自由を選べる。人生の敵ではなく、味方であるのが平和である。

諸田玲子さん(静岡県・作家)

諸田玲子さんの本

驚き がもらえる1冊

元禄お犬姫

  • 諸田玲子/著
  • 中央公論新社

時代小説になじみのない方にも楽しく読んでいただけるよう心をこめて書きました

白墨人形

  • C・J・チューダー/著
  • 中谷友紀子/訳
  • 文藝春秋

スティーヴン・キングを想わせるミステリー。読み出したら止められない、そして最後に驚きが……。

山田宗樹さん(愛知県・作家)

山田宗樹さんの本

世界を見るための新しい目 がもらえる1冊

人類滅亡小説

  • 山田宗樹/著
  • 幻冬舎

9月に刊行された最新作です。二段組み、400ページ超のボリュームですが、一気読み、させます。

すごい物理学講義

  • カルロ・ロヴェッリ/著
  • 竹内 薫/監訳
  • 栗原俊秀/訳
  • 河出書房新社

一言でいえば、物理学に関する初心者向けの入門書だが、難解か、そうでなければ無味乾燥になりかねない内容が、わかりやすい平易な文章で、生き生きと、詩的に、そして時に感動的に描かれている、奇跡のような本。

雪富千晶紀さん(愛知県・作家)

雪富千晶紀さんの本

奇妙な清々しさ がもらえる1冊

レスト・イン・ピース 6番目の殺人鬼

  • 雪富千晶紀/著
  • KADOKAWA

書くのに時間がかかった分、内容を濃縮できた気がします。残酷なハッピーエンド。「悪」に触れたい気分の時に。

盗賊 改版

  • 三島由紀夫/著
  • 新潮社

それぞれ失恋した青年と少女が出会い、自分たちを振った相手から最終的に「あるもの」を盗む。悲劇的な結末にもかかわらず、もたらされる奇妙な清々しさ。無垢なものが虚飾に勝利する瞬間に立ち会うからでしょうか。

米山公啓さん(医学博士)

米山公啓さんの本

歴史の面白さ がもらえる1冊

AI時代に「頭がいい」とはどういうことか

  • 米山公啓/著
  • 青春出版社

AIの時代を生き抜くには、どんな脳が必要でしょうか、最新の脳科学から、それを述べてみました。

スタインウェイ物語 新装版

  • リチャード・K・リーバーマン/著
  • 鈴木依子/訳
  • 森内薫/訳
  • 法政大学出版局

スタインウェイと言えばピアノの名器。そこに秘められた歴史が実に面白い。なぜいい音がでるのか読めば理解できる。ストーリーを作っていくモノがいかに人々に受け入れられていくのか、ブランド作りの参考にもなる。

領家髙子さん(作家)

領家髙子さんの本

複眼力 がもらえる1冊

向島

  • 領家髙子/著
  • 日本経済新聞出版社

神経を痛め4年間の沈黙のち『九郎判官』に続けて刊行し、亡き母を喜ばせた2001年度作品の改稿文庫化です。

影の現象学

  • 河合隼雄/〔著〕
  • 講談社

若い頃に読んだ、もはや古典的名著。マーク・トウェインやヘルマン・ヘッセなど青春時代の読書を、深層体験として再度たどる妙味を味わいました。映画『戦場のメリークリスマス』の原作についても丹念に言及されています。

和田秀樹さん(精神科医・映画監督)

和田秀樹さんの本

これから中高年以降の生活の方向性 がもらえる1冊

病院のやめどき 「医療の自己決定」で快適人生

  • 和田秀樹/著
  • 朝日新聞出版

日本の成人病予防治療はほとんど国内での大規模調査のエビデンスはない。ならば、自分の体の声を聴く自己決定医療を勧めたい。

長寿の嘘

  • 柴田博/著
  • ブックマン社

豊富なデータをもとに、粗食信仰の嘘ややや太めが長生きであること、孤独死にまつわる誤解や長生きするほど医療費がかかったり寝たきり期間が伸びることの嘘を解き明かす。脳トレは無効という話は老年精神科医としても肝に銘じたい。

渡辺裕之さん(作家)

渡辺裕之さんの本

青春 がもらえる1冊

死のマスカレード 冷たい狂犬

  • 渡辺裕之/著
  • KADOKAWA

元公安調査官の影山夏樹は、ヴェネチアで行われた秘密会議を発端とした国際的な謀略に立ち向かう。シリーズ第四弾。

風に吹かれて

  • 樋口明雄/著
  • 角川春樹事務所

舞台は1973年、中2が主人公の青春ストーリー。近年の爽やかな青春物語ではない。喧嘩、酒、女友達、冒険、そして別離。四人の仲間が繰り広げる熱い友情を育む心温まる物語。人生を振り返る一冊として、お薦めです。