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人気著者のオススメ!平成から令和へ!これからも読み継いでほしい1冊

毎年恒例の著者アンケート企画!今年は「平成から令和へ!これからも読み継いでほしい1冊」がテーマです。111名の著者の皆様に、これまで読んだたくさんの本の中から「時代を超えて読み継いでほしい」オススメの1冊をご紹介いただきました。ぜひ、チェックしてみてください。

(新刊ニュース2019年11月号 連動特集)

相場英雄さん推薦

中央銀行

  • 白川方明著/著
  • 東洋経済新報社

正論を曲げない名バンカーが残した記録は、後世の重要な歴史書になる。統計や証言が不当にまげられても、名総裁が語った真実は残り続ける。

青柳碧人さん推薦

甲賀忍法帖

  • 山田風太郎/著
  • KADOKAWA(角川文庫)

単純な時代モノじゃない、SF要素満載の息つく暇もない忍者バトル。令和の人たちはもちろん、遡って江戸時代の人たちにも薦めたい、まさに時代を超えた名作。

赤川次郎さん推薦

紛争地の看護師

  • 白川優子/著
  • 小学館

今、世界で何が起きているか、日本人は知らな過ぎる。これが現実だということを、この一冊が教えてくれる。

朝倉かすみさん推薦

飛ぶ教室

  • エーリヒ・ケストナー作
    池田香代子訳
  • 岩波書店(岩波少年文庫)

はずかしながら、今年、初めて読みました。読んでよかったと思いました。もし未読の方あれば、何才でも遅くないからぜひ読んで。

浅倉卓弥さん推薦

声の網

  • 星 新一/著
  • KADOKAWA(角川文庫)改版

初出が一九七〇年であることに驚く。ここに描かれたものは近年“クラウド”なり“ユビキタス”なりの術語が定着し、初めて鮮明に把握できるようになった種類の事象だ。作家の先見性にただ畏怖を覚えるのみである。

あさのあつこさん推薦

ブラッカムの爆撃機

  • ロバート・ウェストール作
    宮崎 駿編
    金原瑞人訳
  • 岩波書店

戦争とは何かが、どういうものかが、身体的感覚で伝わってくる。戦争前夜ともいわれる今の時代、今の世界に生きる我々、さらに未来を生きる若者に必読の書という気がします。

阿刀田高さん推薦

死の接吻

  • アイラ・レヴィン/著
    中田耕治/訳
  • 早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫)

久しぶりに読み返し、やっぱりすごい。だが、この名作については多くの読者が見落としている重要ポイントがあり、そのことを「オール讀物」’18・3月号に書いた。乞一読。

嵐山光三郎さん推薦

焼けあとのちかい

  • 半藤一利/文
    塚本やすし/絵
  • 大月書店

東京大空襲の猛火を生きのびた中学2年生の半藤少年の記憶。二度と戦争をしてはいけないという思いをつづった絵本。塚本やすしの大胆な画風が迫力。

安藤祐介さん推薦

八日目の蟬

  • 角田光代/著
  • 中央公論新社(中公文庫)

主人公の希和子は、不倫相手の赤子をさらって逃避行へ。逃げて“我が子”との日々を重ね、愛情を注ぐ彼女は、紛れもなく“母”でした。こんなにも切ない誘拐犯の物語。平成の後期、罪と愛を描いた名作です。

飯嶋和一さん推薦

獄中記

  • 佐藤 優/著
  • 岩波書店(岩波現代文庫)

なぜ読書が必要なのか。なぜ知は自ら築かなくてはならないのか。その答えはこの本に書いてある。何もかもが劣化しつつある現代、あえて自己の人生を探求する若き人に、ためらわずこの一書を推す。

池井戸潤さん推薦

アルキメデスは手を汚さない

  • 小峰 元/著
  • 講談社(講談社文庫)

乱歩賞受賞作の中でも特に印象に残っている作品。名作です。同じ乱歩賞受賞作で、井沢元彦さんの「猿丸幻視行」と高橋克彦さんの「写楽殺人事件」という歴史にテーマをとった2冊もお薦めです。

伊坂幸太郎さん推薦

オーガ(ニ)ズム

  • 阿部和重/著
  • 文藝春秋

大作『シンセミア』『ピストルズ』に続く作品です。平成時代からはじまった三部作が、令和になり、完結することになります。文学やエンタメなど関係なく、とにかく様々な「面白さ」が全部詰まっています。

石井光太さん推薦

死の淵を見た男

    • 門田隆将/著
  • KADOKAWA(角川文庫)

平成で起きた事件でもっとも大きなものが福島第一原発事故だと思う。それに関連する書籍でもっとも感銘を受けた作品です。

石原結實さん推薦

尾畠春夫 魂の生き方

  • 尾畠春夫/著
    松下 幸、南々社編集部/聞き手・構成
  • 南々社

2018年8月、山口県周防大島で行方不明になった2歳の坊やを、3日後に奇跡的に発見・救出したボランティアの尾畠春夫氏の「誠実・無欲・利他」の魂の生き方に感動。万人の生き方の手本となるべき著。

石持浅海さん推薦

老人と海

  • ヘミングウェイ/著
    福田恆存/訳
  • 新潮社(新潮文庫)改版

読み継いでほしいといえば、やっぱりこの作品。人間というのはこんなにも力強いんだぞと再認識させられます。気に入った科白だけ読み返すのも、またよし。

市川拓司さん推薦

独裁体制から民主主義へ

  • ジーン・シャープ/著
    瀧口範子/訳
  • 筑摩書房(ちくま学芸文庫)

終末時計が残り二分となったいま、物語りの送り手たちは受け手のあとを追うのではなく、彼らの前に立って進む道を照らすような言葉を紡ぐべきなのかもしれない。

逸木 裕さん推薦

トムは真夜中の庭で

  • フィリパ・ピアス/作
    高杉一郎/訳
  • 岩波書店(岩波少年文庫)新版

真夜中、時計が「十三時」を告げると、存在しないはずの庭園が現れる。そこで病弱な少年は、ひとりの少女に出会って……。幻想文学であり冒険小説でもある本書は、次第に「時間」をめぐる物語となり、感涙のラストに至ります。

伊藤たかみさん推薦

ドライブイン探訪

  • 橋本倫史/著
  • 筑摩書房

いいものも悪いものもたくさんあった昭和。いわゆる「ドライブイン」もそうした時代の産物なのだけれど、店を切り盛りしてきた人々のルポを読むと、令和の今にあっても元気をもらえます。消えていくのがせつない。

戌井昭人さん推薦

忘れられた日本人

  • 宮本常一/著
  • 岩波書店(ワイド版岩波文庫)

この先、日本がどうなっていくのか見当もつきませんが、このようにユニークな方々が日本にいたということを忘れないため。

植松三十里さん推薦

三陸海岸大津波

  • 吉村 昭/著
  • 文藝春秋(文春文庫)

これが書かれたのは東日本大震災より40年以上前。舞台は明治29年の三陸海岸で、記録ではなく歴史小説でしか表現できないものがある。明治の教訓は平成に生かせなかったが、新時代にも読みついでいってほしい。

卯月みゆきさん推薦

みをつくし料理帖 シリーズ

  • 髙田 郁/著
  • 角川春樹事務所(時代小説文庫)

見たこともない“青い空”をみたくて、装画担当者として、心ともに皆で走りつづけた5年間。想像以上に、澄んで深い“蒼空”でした。支え、支えられ、ともに生きる「仕合わせのカタチ」を感じずにはいられない逸品。

遠藤拓人さん推薦

アマゾン、インディオからの伝言

  • 南 研子/著
  • ほんの木

アマゾン・インディオの集落では老人も子供も得意なことで役割を果たすそうだ。比較や差別もない。情報によって幸福や価値観に過敏になりすぎている私たちに、生きていく上での根源的な尊重や調和を教えてくれる。

大嶋信頼さん推薦

車輪の下

  • ヘルマン・ヘッセ/著
    高橋健二/訳
  • 新潮社(新潮文庫)改版

薄い一冊の本の中に、命に溢れる美しい川に触れることができ、そこから離れた少年の人生の苦悩が重く伝わってくる。そして、川に戻っていく彼の姿を通じて、私の中の終焉の意味づけを大きく変えてくれた。

大山淳子さん推薦

藻屑蟹

  • 赤松利市/著
  • 徳間書店(徳間文庫)

原発事故を通じて市井の人々のリアルな生活が描かれ、国の構造、時代の空気までが浮かび上がってくる。端的な文章、力強い構成、読む人を選ばない傑作だと思います。

岡崎琢磨さん推薦

平場の月

  • 朝倉かすみ/著
  • 光文社

推薦するまでもなく、長く読み継がれるに違いない一冊だと思います。温かく、哀しく、いつまでも心に寄り添ってくれる感じのする作品です。

小澤征良さん推薦

ビッグ・クエスチョン

  • スティーヴン・ホーキング/著
    青木 薫/訳
  • NHK出版

私たち一人一人が未来への責任が大きくある時代にいると思う。大きな目で世界を見るためにきっと役立つ本!

小野寺史宜さん推薦

アリバイ・アイク

  • リング・ラードナー/著
    加島祥造/訳
  • 新潮社

今、デイモン・ラニアンの翻訳書はほぼ読めません。でもリング・ラードナーの翻訳書はこうして読めるのですから、読みましょうよ。口語の一人称を、楽しみましょうよ。

小和田哲男さん推薦

甲賀忍法帖

  • 日本史史料研究会/編
  • 星海社発行/講談社発売(星海社新書)

タイトルの通り、戦国時代の僧侶35人の列伝である。もっとも、単なる列伝ではなく、武将とのかかわりに視点が置かれ、僧侶を知らずして戦国時代を語れないとの思いを強くすること請けあいである。

恩田 陸さん推薦

宇宙からの帰還

  • 立花 隆/著
  • 中央公論新社(中公文庫)

地球を外から見た宇宙飛行士たちの多くが宗教家になったという事実は、不寛容のはびこる今の時代に何かを伝えてくれていると思います。

垣谷美雨さん推薦

幻夏

  • 太田 愛/著
  • KADOKAWA(角川文庫)

価値ある小説だった。社会に訴えかける切実な思いに胸を打たれただけでなく、ミステリーとしても面白く、キャラクターの造形も深く、文章もいい。私にとって忘れられない小説となった。

門井慶喜さん推薦

ゴリラの森、言葉の海

  • 山極寿一、小川洋子/著
  • 新潮社

霊長類学者と作家の対談。ゴリラという擬人化のきわめて容易な対象をあつかうが、議論は抑制的でスリリング。「言葉によらない共感」をそれでも言葉にしようとする作家の温雅な貪欲。

金原瑞人さん推薦

海蛇と珊瑚

  • 藪内亮輔/著
  • 角川文化振興財団発行/
KADOKAWA発売

「永遠に花さくほどの暗がりにあなたを何度握っても川」「眼を砥いで砥ぎ切つてから見る風は尚砥がれをり死よりも薄く」「たしかわたしはゆふぐれだつた筈なのにほろんでキリンになつてしまつた」

香山リカさん推薦

楢山節考

  • 深沢七郎/著
  • 新潮社(新潮文庫)改版

人の生と死の本質をとらえた物語のようでも、高齢者福祉をめぐる社会批評の物語のようでもある。読むたびに印象が変わり、そのつど深く感銘を受ける。

女性のための鉄道旅行入門

  • 蜂谷あす美/著
  • 天夢人発行/山と溪谷社発売

「鉄旅」のプロである著者が鉄道の基本知識から旅行計画・荷造りなどを女性ならではの視点でアドバイス。「特急列車に乗って1泊旅行に出かけてみたい」くらいの初心者にこそオススメしたい本。きっと、旅が快適になりますよ♪

川村元気さん推薦

思い出トランプ

  • 向田邦子/著
  • 新潮社(新潮文庫)

天才脚本家らしい、映像的なモーメントとともに、読者の記憶が蘇る素晴らしい短編集だと思います。映像出身の先輩として、強い憧れを感じる先輩です。

菊地秀行さん推薦

インスマスの影

  • H・P・ラヴクラフト/著
    南條竹則編/訳
  • 新潮社(新潮文庫)

ラヴクラフトは文庫で全集も出ているが、彼の二大傑作(「インスマスの影」と「ダンウィッチの怪」)をまとめて読めるのはこれだけ。しかも大怪物小説「クトゥルーの呼び声」まで入っている。全集に負けるな!

北上次郎さん推薦

線は、僕を描く

  • 砥上裕將/著
  • 講談社

透明で、優しくて、感じ入る小説だ。躍動感に富む水墨画小説だ。新人のデビュー作だが、その完成度に一票を入れておきたい。

北村 薫さん推薦

春日井建

  • 水原紫苑/著
  • 笠間書院

春日井建の歌には《「悪」や「背徳」や「禁忌」といった言葉が、枕詞のように貼り付いていた》と語り、そして水原は続ける。──今、それら《すべては普通のことになった》。語る人を得、語られる人がきらめき出す。

黒木 亮さん推薦

鳥が教えてくれた空

  • 三宮麻由子/著
  • 集英社(集英社文庫)

4歳で失明した著者は、絶対音感を持ち、鳥の声から健常者よりも深い空間認識をする。高校時代にはアメリカユタ州に留学。その後、通信社でフランス語の翻訳者として働いている。圧倒的な勇気と感動を与えてくれる名作。

呉 勝浩さん推薦

オーダーメイド殺人クラブ

  • 辻村深月/著
  • 集英社(集英社文庫)

「中二病的自意識」が交叉するスリリングで瑞々しいボーイミーツガール。と、まとめてしまえる代物じゃなく、その果てで生じる感情は凄まじい。不覚にも思った。「殺させてあげたかったな……」と。傑作です。

コマツシンヤさん推薦

モジャ公

  • 藤子・F・不二雄/作
  • 小学館

地球の少年空夫に宇宙人モジャ公、ロボットドンモの三人組によるSF冒険ギャグマンガ。三人を襲う危機の連続にドキドキしたり笑わせられたりしながら日頃の常識や価値観が揺らいできます。

小森香折さん推薦

エーミールと探偵たち

  • エーリヒ・ケストナー/作
    池田香代子/ 訳
  • 岩波書店(岩波少年文庫)

子どもたちが協力して大人をやっつけるという痛快なストーリーもさることながら、なによりの魅力は、構成と語り口が洒落ていることです。大都会ベルリンの鼓動が聞こえてきます。

小谷野敦さん推薦

漂流

  • 吉村 昭/著
  • 新潮社(新潮文庫)改版

徳川時代、土佐の漁船が難破して鳥島へたどりつき、そこにいるアホウドリの肉を主食として十数年生き抜いたという実話。恐ろしくも、また人間の知力への敬服も感じられる実話である。

西條奈加さん推薦

長い冬

  • ローラ・インガルス・ワイルダー/作
    谷口由美子/訳
  • 岩波書店(岩波少年文庫)

「大草原の小さな家」シリーズの一冊で、知名度には欠けますが一番印象に残っています。雪に閉ざされて深刻な食糧難に陥る一家のようすと、この危機を知恵と工夫で乗り切る姿は漂流記物さながらです。

坂井希久子さん推薦

みかづき

  • 森 絵都/著
  • 集英社(集英社文庫)

親子三代、戦後から現代までの「教育」にしっかりと向き合った傑作。補習塾から進学塾、そして貧困家庭の子供向けの無料塾へと、時代と共に求められるものが変わってゆく塾の役割。はたして令和の教育はどうなってゆくのでしょう。

佐々木圭一さん推薦

会社を使い倒せ!

  • 小野直紀/著
  • 小学館集英社プロダクション
(ShoPro Books)

新しい働き方を、みんなが探している現代。今いる会社を、かんぺきに使い倒すという、新たな道を提案している面白い書。これを読んでいたら僕自身、会社を独立していなかったかもしれません。

志川節子さん推薦

御宿かわせみシリーズ

  • 平岩弓枝/著
  • 文藝春秋(文春文庫)

大好きなシリーズ。いつの世にも通じる人の情が流れています。

篠田節子さん推薦

動物たちはぼくの先生

  • 日高敏隆/著
  • 青土社

2009年に亡くなった動物行動学者が昭和から亡くなる間際までに様々なメディアに発表したコラム。世間と社会の常識を軽々と飛び越えて、生き物としての人間の立場から世界のとらえ方を教えてくれる。

清水義範さん推薦

若い藝術家の肖像

  • ジェイムズ・ジョイス/著
    丸谷才一/訳
  • 集英社(集英社文庫)

ジョイスの「ユリシーズ」への橋わたしとしてこの芸術家の物語をおすすめする。読書のショックに満ちた素晴しい作品である。

下村敦史さん推薦

深紅

  • 野沢 尚/著
  • 講談社(講談社文庫)

一家惨殺事件の生き残りの少女が事件を知るまでの不安な心理描写も、早々に被害者と加害者の関係が揺らぐ展開も、“加害者”の犯行描写も、被害者と加害者の娘同士の繊細な心理描写も、全てが圧倒的な傑作です!

小路幸也さん推薦

渚にて

  • ネヴィル・シュート/著
    佐藤龍雄/訳
  • 東京創元社(創元SF文庫)

私たちはこの物語の結末と隣り合わせの世界に生きている。どこまでも静かで、残酷で、けれども永遠に優しい世界。

関 容子さん推薦

昭和も遠くなりにけり

  • 矢野誠一/著
  • 白水社

東京やなぎ句会の人々、落語の名人たち、そして観た芝居のこと……こういうさりげなく優しく、深い思いで人とまじわれる昭和男の綴る文章に心いやされる。

大道珠貴さん推薦

山の音

  • 川端康成/著
  • 新潮社(新潮文庫)改版

昭和の美しさ、哀しみに、ぼうっとなります。昭和をばかにしてはいけません、恥じてもいけません。あの時代があり平成を通ってきたからこそ、令和のいまがあるのです。

大門剛明さん推薦

銀と金 1~10

  • 福本伸行/著
  • 双葉社(ACTION COMICS)新装版

ギャンブル漫画としての完成度が高くそれだけでも十分に楽しめますが、悪とは何かについて考えさせられたり大きな師の背中を追う主人公の成長物語でもあったりして、作品づくりのバイブルのように感じています。

高嶋哲夫さん推薦

大数学者

  • 小堀 憲/著
  • 筑摩書房(ちくま学芸文庫)

大学に入った年に読んだ大好きな本。「人生観が変わるよ」と言われて、翌日本屋に走りました。若い人に、出来るだけ早い時期に読んでもらいたい本。でも、少し古いかな。次世代の「数学者」の本が出てもいいと思う。

髙田 郁さん推薦

句集 源義の日

  • 角川春樹/著
  • ふらんす堂

私事ですが、年明け間もなく、40年来の友人が急逝しました。地域医療に人生を捧げた友でした。埋めようもない寂しさを、この句集によって随分と慰められました。死別の悲しみを知るひとに、読み継がれますように。

高殿 円さん推薦

傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン 1

  • 磯見仁月/著
  • 新潮社(BUNCH COMICS)

読み継ぐほど長いシリーズならば既に売れている。なので絶対売れてほしい歴史漫画を推薦します。十八世紀花の都パリで自分の才覚と針一本だけでのし上がったモードの祖、ローズベルタン。そろそろブームになるはず。

高橋弘希さん推薦

星の王子さま

  • サン=テグジュペリ/作
    内藤 濯/訳
  • 岩波書店(岩波文庫)

高橋が人生で初めて読んだ本です。ユーモアあり、人生哲学ありで、大人も子供も楽しめる一冊です。

田亀源五郎さん推薦

股間若衆

  • 木下直之/著
  • 新潮社

日本美術の男性ヌード表象を論じた本。ユーモアをたっぷり効かせながら、ヌードという「性」を含む芸術に関する日本的な欺瞞を、ものの見事に暴き出してくれて痛快至極。表現規制問題に関心のある方にもおすすめ。

瀧羽麻子さん推薦

神戸・続神戸

  • 西東三鬼/著
  • 新潮社(新潮文庫)

戦時下の神戸を舞台とした自伝的作品。トーアロードにある難破船のようなホテル、奇妙なエジプト人の友、得体の知れないバーの女たち、今とはまるで違う景色と今はもういない人々の、鮮烈な存在感にただ圧倒される。

立川談四楼さん推薦

江分利満氏の優雅な生活

  • 山口 瞳/著
  • 筑摩書房(ちくま文庫)

談志の付き人をしていた頃、銀座でお会いし、声をかけてもらいました。女性と思っていたのでビックリしました。以来ファンになり、この人の著書を通じて吉行淳之介、山本周五郎、色川武大等の作家を知りました。

田中六大さん推薦

はたらくカッパ

  • 逆柱いみり/著
  • 青林工藝舎 増訂版

昨日見た夢みたいな風景から、海底、謎の観光地、終盤の情緒的な花火までいろいろな景色が楽しめる。ギャグも多いし、なんとなくストーリーもあるので逆柱いみり初心者の方も読みやすい内容だと思う。おすすめ。

俵 万智さん推薦

私の万葉集 1~5

  • 大岡 信/著
  • 講談社(講談社文芸文庫)

詩人ならではの解釈と鑑賞が、親しみやすく、面白い。「折々のうた」でも知られる著者の博識と見識に裏打ちされた万葉集。令和の出典となった梅花の宴の意義などについても興味深く語られています。全五巻。

辻 真先さん推薦

  • 皆川博子/著
  • 文藝春秋

想像力と文章力のせめぎ合いから生まれた小説の醍醐味はのちの人々にもぜひ読み継いでほしいと思います。

寺地はるなさん推薦

三つ編み

  • レティシア・コロンバニ/著
    齋藤可津子/訳
  • 早川書房

住む国も年齢も境遇もまったく違う三人の女性の、力強く美しい物語です。多くの人に読んでほしい本です。

内藤 了さん推薦

窓ぎわのトットちゃん

  • 黒柳徹子/著
  • 講談社(講談社文庫)新組版

生まれた意味、生きる意味、生きなければならない意味が詰まっている。時代をこえて届かせたい作品です。

永江 朗さん推薦

どうぶつ会議

    • エーリヒ・ケストナー/文
  • 岩波書店

争いごとばかりしている人間たちに堪忍袋の緒が切れた動物たちが国際会議をひらく、というお話。子ども向けの絵本ですが、大人にこそ読んでほしい。「子どものために!」というメッセージは永遠の合言葉です。

長岡弘樹さん推薦

情報生産者になる

  • 上野千鶴子/著
  • 筑摩書房(ちくま新書)

情報生産者になるための実践的ノウハウが丁寧にぎっしり書かれている。学生時代が遥か遠くなった自分にも新鮮で、思わぬ発見があった。若いときにこの本があったら、しっかり読んでおけば良かったと思う一冊。

中島 要さん推薦

蜜蜂と遠雷 上

  • 恩田 陸/著
  • 幻冬舎(幻冬舎文庫)

言わずと知れた直木賞、本屋大賞受賞の名作。単行本の厚みを見て怯んでいた人は、文庫(上下)が出たのでぜひ。タイプの違う天才ピアニストたちの熱き戦いとピアノの名演奏を聴いた気分が楽しめます。

中村彰彦さん推薦

はじめて読む人のローマ史1200年

  • 本村凌二/著
  • 祥伝社(祥伝社新書)

著者は現代日本におけるローマ史研究の第一人者。1200年に及んだローマの盛衰史を悠然と叙述している。

南木佳士さん推薦

これは水です

  • デビッド・フォスター・ウォレス/著
    阿部重夫/訳
  • 田畑書店

躁うつ病に悩まされ続け、四十代なかばで自死を選んだ作家の、カレッジ卒業生に向けた最初で最後のスピーチ。自分の初期設定を変えることの大事さを伝える簡潔なことばは限りなく詩に近い。

那須正幹さん推薦

平和のバトン

  • 弓狩匡純/著
    広島平和記念資料館協力
  • くもん出版

広島市は12年前から「次世代と描く原爆」プロジェクトを実施。本書はこれに参加した被爆者と広島市立基町高校生の証言と絵画制作の過程を克明に記録。被爆体験の新たな継承を示唆した力作。

二階堂黎人さん推薦

くまのパディントン

  • マイケル・ボンド/作他
  • WAVE出版

「くまのパディントン 最終章」は『パディントン、テストをうける』『パディントンのどろぼう退治』『パディントン、映画に出る』の三冊です。抱腹絶倒で、大笑いの、パディントンの活躍もこれで最後かと思うと、非常に残念です。

西村賢太さん推薦

藤澤清造短篇集

  • 藤澤清造/著
    西村賢太/編集・校訂
  • KADOKAWA(角川文庫)

貧窮と性病、不遇と冷笑の中で書き続けた不屈の私小説家。好悪が明確に分かれ、決して大向こうからの支持は得られぬアクの強い作ほど、不思議なしぶとさを発揮して蘇える場合があります。該作家もその一例。

似鳥 鶏さん推薦

一九八四年

  • ジョージ・オーウェル/著
    高橋和久/訳
  • 早川書房(ハヤカワepi文庫)

令和の必読書であり、海外では一般教養となっている1冊です。全体主義とはどういうものか。どうやって広がり、どう国民を支配するか。「権力者に都合のいい奴隷」にならないために。

野崎六助さん推薦

ザ・ボーダー 上

  • ドン・ウィンズロウ/著
    田口俊樹/訳
  • ハーパーコリンズ・ジャパン (ハーパーBOOKS)

フィクションが現実を圧倒する。麻薬戦争の究極の「敵」は誰だ? その正体は、謎めいた秘密組織の首領などではなく、世界中にニュースをふりまく顔役……。いったい、この世界の未来はどうなってしまうのか。

萩原さちこさん推薦

模倣犯 上

  • 宮部みゆき/著
  • 小学館

宮部みゆきさんの傑作中の傑作。場面や状況の変化、社会的背景や登場人物の心理描写が細かく丁寧で、ミステリー小説というジャンルに一言で収めることに抵抗を感じるほど。

浜島代志子さん推薦

仏のこころと母ごころ

  • 梅原 猛/著
  • 小学館(小学館文庫)

梅原氏は賢治は法華経の行者になったという。「雨ニモマケズ」は法華経で終わっている。晩年はキリスト教も学んだ。賢治作品を読み解くうえで貴重な一冊。

林 静一さん推薦

銀の匙

  • 中 勘助/作
  • 岩波書店(岩波文庫)改版

テレビ『100分で名著』にも紹介された本。明治時代の子供が主人公だが、日に干した布団の匂いなど、今の子供も理解出来る。竪穴に住んでいた男の話が出てくるが、あの時代、竪穴で寝起きをしていた人がいると、通史では判らない明治の人々の暮らしが判り、子供へのプレゼントにも最適です。

原田マハさん推薦

テオ もうひとりのゴッホ

  • マリー=アンジェリーク・オザンヌ、フレデリック・ド・ジョード/著
    伊勢英子、伊勢京子/訳
  • 平凡社

兄=フィンセント・ファン・ゴッホを生涯にわたって支え続けた“もうひとりの”ゴッホ、テオ。この本なくして『たゆたえども沈まず』は生まれなかった。二人のゴッホの絆は世代を超えて感動を与え続けてくれるだろう。

樋口明雄さん推薦

スタンド・バイ・ミー

  • スティーヴン・キング/著
    山田順子/訳
  • 新潮社(新潮文庫)改版

時代が変わり、人も変わっていく。歳をとるごとに過去を振り返ることが多くなります。輝かしい少年時代のひと夏の冒険を経て大人になっていった思い出は、歳をとった今となってはかけがえのない宝物。たびたびこの作品を読み返しています。

平谷美樹さん推薦

怪人二十面相

  • 江戸川乱歩/著
  • ポプラ社(ポプラ文庫)

小学校の頃、シリーズを貪り読みました。小遣いで月に二冊ずつ買い、本棚が埋まって行きました。あまりにも面白かったので、自分でも小説を書き始めました。わたしが小説家になった原点とも言うべき作品です。

深沢 潮さん推薦

三たびの海峡

  • 帚木蓬生/著
  • 新潮社(新潮文庫)改版

昨今よく耳にする「徴用工」という言葉を聞いて、なにかひっかかることがある人は、この本を手に取ってみてください。先の戦時下に起きた負の出来事に目をそらさず、きちんと語り継いでいくことを願ってやみません。

福田和代さん推薦

利腕

  • ディック・フランシス/著
    菊池 光/訳
  • 早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫)

『大穴』に続くシッド・ハレーもの第二弾。強い人間が、最悪の恐怖に負けてしまう切なさと、それをどう克服し、乗り越えていくかに胸が熱くなります。シッド・ハレーは競馬シリーズが生んだ最高のヒーローです。

藤沢 周さん推薦

意識と本質

  • 井筒俊彦/著
  • 岩波書店(岩波文庫)

人間の意識構造を練り直し、今まで隠れていた未知の認識の扉を開ける。そこに立ち現われる世界の真相とは! 日本文化や東洋の無意識の底まで降りて、新たな可能性を探る書は、まさに未来の書であり続ける。

藤野千夜さん推薦

ナイン・ストーリーズ

  • J.D.サリンジャー/著
    野崎 孝/訳
  • 新潮社(新潮文庫)改版

偏屈な著者による九つの物語。私は昭和にはじめて読みましたが、当時の訳が平成を越え、令和の今も読めるのは素晴らしいと思います。柴田元幸さんの新訳(ヴィレッジブックス)と読み比べるのも楽しいですよ。

椹野道流さん推薦

スティル・ライフ

  • 池澤夏樹/著
  • 中央公論新社(中公文庫)

気持ちが乱れるとき、いつもこの小説の序文を読んで気持ちを鎮めています。

古川日出男さん推薦

20世紀ラテンアメリカ短篇選

  • 野谷文昭/編 訳
  • 岩波書店(岩波文庫)

平成年間に、読者の「小説を読む体力」はいっきに落ちたと感じます。そのパワーを取り戻すためには、20世紀後半の世界文学に劇甚な“力”を投入したラテンアメリカ文学に触れ直すしかない。最高の入門書です。

穂高順也さん推薦

きつねの窓

  • 安房直子/文
    織茂恭子/絵
  • ポプラ社

きつねの染物屋に青く染めてもらった指をかざして作った窓。そこから見えるもの。安房直子先生のファンタジーは不思議で美しく読むうちに、その空間の居心地の良さの虜になってしまう。

枡野浩一さん推薦

老人力

  • 赤瀬川原平/著
  • 筑摩書房(ちくま文庫)

「老人力」は流行語となったが誤解されて流通した言葉です。「老いてもまだまだパワーがある」という意味ではありません。「老人になることで、若いころの力みが抜け、生きやすくなる力」のことです。今こそ老人力を。

三浦天紗子さん推薦

テヘランでロリータを読む

  • アーザル・ナフィーシー/著
    市川恵里/訳
  • 白水社 新装版

イランの英文学者である著者と女子学生たちの、秘密の読書会に招かれたような臨場感。イスラムの抑圧的な社会を生きている女性たちが、切実に貪欲に、知や文学、自由を渇望する様子に心撃たれます。

三上ナナエさん推薦

相手を巻き込む伝え方

  • 鵜川洋明/著
  • フォレスト出版

単なる技法を紹介している本ではありません。どんな世界を望むのか、自分の内側にあるものを明らかにすると、味方が自然に増えていく。その流れが物語で体感でき、実現できるよう解説、図式で紡がれています。

三木 卓さん推薦

ビッグ・クエスチョン

  • スティーヴン・ホーキング/著
    青木 薫/訳
  • NHK出版

高校で物理をとらなかったので、全部すっかりわかるとはいえないが、率直に疑問に答えてくれる。その快感と、未来への予言がズバッとしていて、うなる。若い人には是非読んでほしい。

道尾秀介さん推薦

井上陽水英訳詞集

  • ロバート・キャンベル/著
  • 講談社

謎めいた歌詞の世界が英訳という作業によって解き明かされていく過程は、この上なくエキサイティング。また歌詞を英訳することの困難さや、その理由を通じて、日本語の美点や特性をあらためて知ることができます。

皆川博子さん推薦

文豪ノ怪談ジュニア・セレクション(全八巻)

  • 東 雅夫/編 他
  • 汐文社

日本の文豪の怖い名作を、総ルビと編者による精密で詳細な注によって、原文のままで楽しく読むことができます。学校の図書館にも、是非。

宮木あや子さん推薦

愛を歌え

  • 鈴掛 真/著
  • 青土社

人を好きになる気持ちは性別や年齢関係なく、更にどれだけ時代を経ても同じだと、心のあらゆるところに優しく、ときに痛いくらい激しく触れてくる約三十一音の文字列。短歌という文化の普遍性はすごい。

もとやすけいじさん推薦

わかったさんのアイスクリーム

  • 寺村輝夫/作
    永井郁子/絵
  • あかね書房

平成の小学生時代に夢中で読んだ寺村輝夫作品。僕はわかったさんのおはなしが一番好きです。大人になって読み返してみても、やっぱりアイスが食べたくなりました。シリーズ30周年おめでとうございます!

森まゆみさん推薦

私の昭和史

  • 中村 稔/著
  • 青土社

父より一つ年上の著者は戦時期の一高生。勉強してもいずれ召集され、自分たちは死ぬ。先輩は醤油を飲んで徴兵を逃れ、佯狂となって返され、あるいは自死する。心臓の鼓動が聞こえるような時代。合わせて下町で空襲を経験した吉村昭「東京の戦争」(ちくま文庫)も。

諸田玲子さん推薦

月まで三キロ

  • 伊与原新/著
  • 新潮社

自然界、科学、宇宙への知識と人間の情、これからますます必要になってくるバランス感覚を考えさせてくれる、心に残る小説です。

山田宗樹さん推薦

ローマ人の物語 1~43

  • 塩野七生/著
  • 新潮社(新潮文庫)

「歴史を読む楽しさ」を知るには絶好の本。カエサルなど歴史上の人物が『ゲーム・オブ・スローンズ』以上にスケールの大きな人間ドラマを繰り広げる。まさに圧巻の一言。

山藤章二さん推薦

手鎖心中

  • 井上ひさし/著
  • 文藝春秋(文春文庫)新装版

カテゴリーとか分野という概念が入ってくる前の江戸の戯作者たちは、誰もが文を書き絵をかき、江戸好みの洒落を考えていた。今の時代のルーツがある。今は粋という概念が失われつつある。高齢者は読むべし。

雪富千晶紀さん推薦

死国

  • 坂東眞砂子/著
  • KADOKAWA(角川文庫)

ホラー作家の立場から。日本の情緒や郷愁を感じさせる傑作ホラー。習俗や土地の空気などがじっとりと緻密に描かれており、大きく影響を受けました。ずっと読み継いで、冷たくひりつく恐怖を肌で感じてほしいです。

柚木麻子さん推薦

若草物語

  • L・M・オールコット/作
    矢川澄子/訳
    T・チューダー/画
  • 福音館書店(福音館文庫)

時代とともに映画化されるのは、普遍的であると同時に、女の子たちがどうやって自分でいられるかを探る物語だからだと思います。

湯本香樹実さん推薦

悲しい本

  • マイケル・ローゼン/作
    クェンティン・ブレイク/絵
    谷川俊太郎/訳
  • あかね書房

悲しみにしずかに寄り添う本。他者の悲しみへどう想像力を働かせるかを教えてくれる。絵本でなければ表現し得ない世界。

米澤穂信さん推薦

夜明けの睡魔

  • 瀬戸川猛資/著
  • 東京創元社(創元ライブラリ)

時代を超える傑作ミステリを時代を超える洞察と文章で紹介する、間違いのない一冊です。そして、ミステリ読者のあいだに諒解されていた当時の雰囲気がわかるという意味で、時代が描かれた本でもあります。

米山公啓さん推薦

どくとるマンボウ航海記

  • 北 杜夫/著
  • 新潮社(新潮文庫)改版

まだ海外旅行が夢の時代、筆者は船医となって世界中を巡る。エッセイの面白さ、好奇心の大切さ、本の面白さを教えてくれる本。私が作家になるきっかけを作ってくれた本でもある。何度読んでも面白い本である。

領家高子さん推薦

働く人のためのマインドフルネス

  • 菱田哲也、牧野宗永/著
  • PHP研究所(PHPビジネス新書)

仏教に関わる興味深いキャリアをお持ちのお二人の対談。仏教理論とその実践について脳内物質の働きにまで言及して説き明かし、ビジネスマンに限らず、どんな読者にとっても、心の問題を解決するための格好の指南書。

和田秀樹さん推薦

「甘え」の構造

    • 土居健郎/著
  • 弘文堂 増補普及版

日本人には人の好意をあてにする心理とそれを満たしてくれる文化がある。それがおもてなしの源泉であり、日本人のメンタルヘルスを支えてきた。最近になり、「甘え」を許さない方向性に向かいつつあるが、本書が読み継がれ「甘え」文化が続くことを切に望む。

和田 竜さん推薦

あの戦争は何だったのか

  • 保阪正康/著
  • 新潮社(新潮新書)

大雑把に理解していた太平洋戦争突入へのプロセスが事細かく記されており、なるほど!連続。原爆投下の日が近くなるとパラパラとめくるのが習慣になってしまった。すごい取材力。

渡辺裕之さん推薦

下山事件最後の証言

  • 柴田哲孝/著
  • 祥伝社(祥伝社文庫)完全版

1949年GHQの占領下、国鉄総裁下山定則が出勤途中に失踪後、死体となって発見された。警察は捜査を打ち切り、事件は闇に葬られた。柴田氏は取材を重ね、真相に迫る。昭和の闇を知ることこそ、現代を知る手がかりになる。