累計発行部数が100万部以上の絵本だけを集めた企画「ミリオンぶっく」。柴田ケイコ先生の『パンどろぼう』が、その仲間に加わりました。今回は、ミリオン達成を記念して柴田ケイコ先生にインタビューさせていただきました。
まちのパンやからサササッととびだすひとつのかげ。パンがパンをかついでにげていきます。「おれはパンどろぼう。おいしいパンをさがしもとめるおおどろぼうさ」。パンに包まれた、その正体とは―!?お茶目で憎めないパンどろぼうが、今日も事件をまきおこす!
100万部突破おめでとうございます!感想をお聞かせください。
これほど多くの方々にパンどろぼうを楽しんでいただいているんだと実感し、驚くとともに、心から感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。
『パンどろぼう』のアイデアはどのようなところから浮かびましたか。
過去に、しろくまくんがパンを帽子のようにかぶって逃げていく「パンどろぼうの結城さん」という作品を個展でオリジナルイラストとして発表していたのですが、そのイラストから発想しました。
『パンどろぼう』で一番好きなページはどこですか。
「まずい」のページです。お話の展開が変わる大事なシーンを「まずい」という表情だけで表現できたからです。また、気持ちよく描けたページでもあります。
こどもの頃、大きくなったら何になりたいと思っていましたか。
小学3~4年生の頃、画家になりたいと思っていました。小学校に入って「こども県展」で佳作をとり、褒められたのがうれしくて、その頃から絵を描くのが楽しくなりました。
元々は別のお仕事をされていたところから、絵本を描くようになったきっかけは何でしたか。
息子が生まれて3歳の時に弱視と分かり、眼鏡をすることになったのがきっかけです。眼鏡をすることをネガティブに感じている保護者の方々に、絵本を通して「眼鏡ってかっこいい」と伝えたいと思いました。
絵本を描くときに意識している言葉は何ですか。
「ちょうど良いユーモアを」
私は、ちょっとシュールなことや、なんだかちょっと変だよねとクスッと笑えることが好きなのですが、そうした自分が面白いと思うことをこどもたちとも共有できたらすごくラッキーだなと、そう信じて描いています。
こどもたちへのメッセージをお願いします。
絵本はいつでもどこでもあなたの「友達」です。絵本をひらけば知らなかったことを発見でき、美しい絵を見られます。そんな、新しい世界に連れて行ってくれる絵本をどうか大切に、大人になってもぜひ読んでほしいと思います。