累計発行部数が100万部以上の絵本だけを集めた企画「ミリオンぶっく」。鈴木のりたけ先生の『大ピンチずかん』が、その仲間に加わりました。今回は、ミリオン達成を記念して鈴木のりたけ先生にインタビューさせていただきました。
もういつピンチが来ても大丈夫!こどもが出あう世の中のさまざまな大ピンチを、「大ピンチレベル」と、「なりやすさ」で分類し、紹介。また、その大ピンチの対処法や、似ている大ピンチなど、あらゆる方向から大ピンチをときあかすユーモア絵本です。
100万部突破おめでとうございます!感想をお聞かせください。
もちろんうれしいです。それといっしょに、どうして短期間にこれほど売れたのだろう、といろいろ考えるようになって、絵本の魅力、ひいては本の魅力を再確認しました。新しい扉が開いたようで興奮もしています。
『大ピンチずかん』のアイデアはどのようなところから浮かびましたか。
アイデアは1箇所から生まれるものではないので限定できませんが、自分の子育てから得たヒントは大きいです。あとは、あまり実生活から離れず、身の回りを存分に楽しむという長年の姿勢が結実したなあと感じます。
『大ピンチずかん』で一番好きなページはどこですか。
「シャワーがみつからない」のページです。はたから見れば、なんのことはない馬鹿馬鹿しいシーンですが、当事者にとっては一大事。そんな、日常生活の真空スポットみたいな場面が、うまく切り取れていると思います。
こどもの頃、大きくなったら何になりたいと思っていましたか。
弁護士です。口喧嘩が得意だったので、それを世の中のために生かしなさいと、小学校の担任の先生が勧めてくれました。
元々は別のお仕事をされていたところから、絵本を描くようになったきっかけは何でしたか。
直前は広告制作の仕事をしていたので、関係人数が多く、自分の把握できる範囲も狭く、うまくいっても、いかなくても、次へのステップアップの道が描きづらい状況でした。それを打破すべく、自分の署名がしっかりつく方法として絵を選びました。
絵本を描くときに意識している言葉は何ですか。
長年、講演のタイトルにしている言葉が「おもしろがると世界がひろがる」です。ふと気づいたこと、身の回りのちょっとしたことに対して、なぜだろうと立ち止まって、改めて時間とエネルギーを注いで興味を持ち、自分の中の好奇心を育てることが大事だと思っています。
こどもたちへのメッセージをお願いします。
焦らずゆっくり育ってください!そのほうが面白いことに気づきやすいので。