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2016年度 第62回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書の一覧です。小学校低学年から高校生向けまで、一堂に集めました。また、課題図書を選定している公益社団法人 全国学校図書館協議会の選定理由も、各年代ごとに掲載しています。選書時に、ぜひチェックしてみてください。

課題図書紹介映像

小学校低学年

課題図書2016 第62回青少年読書感想文全国コンクール

ボタンちゃん

ボタンちゃん

小川洋子/作 岡田千
晶/絵

ひみつのきもちぎんこう

ひみつのきもちぎんこ

ふじもとみさと/作 
田中六大/絵

みずたまのたび

みずたまのたび

アンヌ・クロザ/さく
 こだましおり/やく

アリとくらすむし

アリとくらすむし

島田たく/写真・文

◇選定理由◇

ボタンちゃん…児童の身近にあるボタンを主人公にした親しみやすさと、低学年の児童が、自分も赤ちゃんの時から愛情を受けて成長してきたことを実感できる高い文学性。落ち着いた色調の絵に好感が持てる。

ひみつのきもちぎんこう…本当は優しくしたいのにつっけんどんにしてしまうなど、ポジティブな気持ちとは裏腹にネガティブな行動をとるという、児童にとって親しみやすい内容を持ち、勇気を出したり優しくしたりすることを促している。

みずたまのたび…地球の水循環を低学年の児童でも理解できるようにわかりやすく物語仕立てで説明している。科学読み物という側面でのテーマ性、絵本という側面での絵やストーリーの質の高さと読みやすさを両立している。

アリとくらすむし…身近な生き物を主題にして、生き物が互いにかかわり合って共生していることが写真と文でわかりやすく描かれている。児童の興味を喚起し新たな発見や驚きにつながる。

小学校中学年

課題図書2016 第62回青少年読書感想文全国コンクール

二日月

二日月

いとうみく/作 丸山
ゆき/絵

さかさ町

さかさ町

F.エマーソン・アン
ドリュース/作 ルイス・スロボドキン/絵 小宮由/訳

木のすきなケイトさん 砂漠を緑の町にかえたある女のひとのおはなし

木のすきなケイトさん

H.ジョゼフ・ホプキンズ/文
ジル・マケルマリー/絵
池本佐恵子/訳

◇選定理由◇

二日月…障がいのある妹、妹で手一杯で構ってくれない母親。頭ではわかっていても現状を受け入れられない少女の不満や葛藤と、それを乗り越えて成長していく姿、さらに障がいを持った人への思いを穏やかに描いている。

さかさ町…純粋に物語の面白さが味わえる作品。いわゆる常識を疑ってみることで違ったことが見えてくるというテーマの深読みができると、よりいっそうイメージが広がっていく。

木のすきなケイトさん…100年前の南カリフォルニア、砂漠の町サンディエゴの緑化に取り組んだ女性科学者で園芸家の生き方を知ることにより、信念と情熱を持って生きることの大切さを知る。環境問題を考えるきっかけにもなる点。

コロッケ先生の情熱!古紙リサイクル授業…古紙の再資源化というテーマで、リサイクルの大切さや資源問題・環境問題を考え、行動に移すきっかけとなり、新たな知識を得る喜びが感じられる。コロッケ先生こと小六信和氏の人柄にも感銘を受ける。

小学校高学年

課題図書2016 第62回青少年読書感想文全国コンクール

茶畑のジャヤ

茶畑のジャヤ

中川なをみ/作

ワンダー

ワンダー

R・J・パラシオ/作
 中井はるの/訳

ここで土になる

ここで土になる

大西暢夫/著

◇選定理由◇

茶畑のジャヤ…少年がスリランカで出会った人々との交流を通して成長するというテーマ。スリランカの歴史や人々の暮らしなどを知り国際理解につながるとともに、物事を多面的に考え、違いを認めることで児童の視野が広がる。

ワンダー…障がいのある主人公が差別的な言動を受けながらも、友人や家族の力により日々の生活を豊かにしていき、多くの友人を得るという優れた物語性と、他者を理解することの大切さや差別とは何かを考えさせる文学性を持つ。

ここで土になる…ダム計画により立ち退きを余儀なくされた集落で1軒だけ残った老夫婦の思いが題名となっている。変わりゆく人間社会と、変わらない大イチョウの木や老夫婦との対比から、社会について考えさせられる。

大村智ものがたり…大村氏の少年時代からノーベル賞受賞までの生い立ちを綴る。やる気と努力とアイディア、そして何事にも誠意をもって臨めば自ずと道が開けることや、身の回りの不思議に目を向けることの大切さが伝わる。

中学校

課題図書2016 第62回青少年読書感想文全国コンクール

白いイルカの浜辺

白いイルカの浜辺

ジル・ルイス/作 さ
くまゆみこ/訳

生きる 劉連仁の物語

生きる 劉連仁の物語

森越智子/作 谷口広
樹/絵

◇選定理由◇

ABC!曙第二中学校放送部…生徒に身近な部活動をテーマにした親近感の湧く物語。心の成長や友情が巧みに描かれ、登場人物一人一人の個性が魅力的に表されている。読後感の爽やかさが秀逸である。

白いイルカの浜辺…環境問題、漁業資源問題、人と自然の共存を縦糸に、人と人との繋がりや絆を横糸にして編まれた文学性とメッセージ性の高い作品。母を亡くした少女が母親と離れ離れになったイルカに共感するという情緒性にも優れる。

生きる…アジア太平洋戦争での日本の負の面を考える端緒となる。戦争の傷は戦後何年も続くことを考えさせられ、平和の尊さを学べる。現在の社会状況や国際問題を考える糸口となる。

高等学校

課題図書2016 第62回青少年読書感想文全国コンクール

タスキメシ

タスキメシ

額賀澪/著

ハーレムの闘う本屋 ルイス・ミショーの生涯

ハーレムの闘う本屋 
ルイス・ミショーの生涯

ヴォーンダ・ミショー・ネルソン/著
R・グレゴリー・クリスティ/イラスト
原田勝/訳

シンドラーに救われた少年

シンドラーに救われた
少年

レオン・レイソン/著
 古草秀子/訳

◇選定理由◇

タスキメシ…部活動を通して自分を見つめる姿、兄弟の相克、友情など生徒に身近なテーマで、登場人物と自分を重ねることにより読書を通じて自己を考える端緒となる作品。その文学性や優れたストーリー展開を味わえる。

ハーレムの闘う本屋…アメリカの黒人差別の実態や歴史、差別解消運動も一様でなくさまざまな考え方があったことなどを知り、差別の無意味さや民族性保障の重要さを考える端緒になる。本が文化や知識の源泉であることがわかる点も良い。

シンドラーに救われた少年…「シンドラーのリスト」に載った最年少のユダヤ人である著者の過酷な体験の証言を読むことにより、人の心を変えてしまう戦争の怖さ、過剰な民族主義の愚かさについて学び、現代社会を考える端緒となる。

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