本校は堺市北区にあり、学校から南西約1qには仁徳天皇陵があります。校区の北側を長尾街道、南側を竹之内街道が通っています。
昭和31年に日本で最初の公団住宅である金岡団地ができ、それにともなって本校が誕生しました。平成19年度には創立50周年を迎え、地域をあげてお祝いをしました。
まさに地域と共に育った学校といえます。総勢50名に及ぶこども見守り隊の方々は、一日も欠かすことなく学校内外や通学路の清掃、登下校の付き添いなど子どもたちを見守ってくれています。地域の方々の熱い思いに支えられて子どもたちは育っています。
さて、堺市では「堺スタンダード」として三つの重点取り組みを定めて、堺で育つ堺っ子の育成に取り組んでいます。朝の読書の推進と茶の湯体験、あいさつ運動です。
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本校でもそれを受け、
@朝の10分間読書の 確実な定着と深化・充実
Aあいさつの響きあう学校
この二つを子どもたちが誇れる特色ある学校としてあげています。
朝の読書については、六年前から本校では取り組んでいます。落ち着いた学校環境の中で一日のスタートが切れるようにすることは、学習活動を豊かにする上で、また生徒指導上とても大切なことと考えています。校務分掌の中にも「朝の読書推進主担」が位置づけられ、私は本校に赴任して二年目の時(19年度)、その担当になりました。
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読書は楽しむためのものであってほしいと私は思っています。そして、子どもを本好きにさせる一番の方法は読み聞かせだと考えています。そんな私が朝の読書について次のようなことを提案し推進してきました。
1.目標 読書の楽しさを知り、心豊かな人間性を養う/静かで落ち着いた心の状態で一日の学校生活を始める
2.朝読の基本 先生も読む(水・金は職朝なし)/毎朝10分間行う/各自好きな本を読む(新聞、雑誌、マンガは除く)/ただ読むだけでよい(感想文等は書かない)
3.本の準備 各自が自分の好きな本を用意する/事前に準備しておく(本のかばん、机の上)/自宅にある本/学級文庫の本/図書館で借りた本/団体貸し出しの本(イトーヨーカ堂子ども図書館、堺市立北図書館)
4.注意事項 私語をせず、静かに読書に集中するようお互いに協力する/10分間は席を立たない/絵本などは二、三冊用意しておく
朝の読書は、自分の好きな本を自分のペースで読んでいくだけの営みですが、続けることが一番の成果につながっていることは言うまでもありません。以下、二年生の感想です。
「朝読をするようになって本が速く読めるようになった」「本を読むのが好きになった」「図書館へよく行くようになった」「友だちとおもしろい本の話をするようになった」
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ありがたいことに、本校には、PTAのおはなしサークル「かしの木」があり、一、二学期の読書タイムに全クラスに各一回読み聞かせと、年に一、二回のお話会を全学年にしてくださっています。練習を重ね工夫されたお話を子どもたちはとても楽しみにしています。
また、読書を身近なものにということで、第一図書室、第二図書室と二つの図書室のほかに、廊下の広いスペースをブックタウンとして気軽に好きな本をちょっと読んだり、本を見ながらひと休みしたりできるコーナーとして設けています。雨の日など、座って読書している子どもを見るとうれしくなります。
しかしながら、学校に1名、司書教諭の配置とは名ばかりで、学級担任がそれを兼ねています。図書室に本を手渡す人がいることの大切さを声を大にして言いたいと思います。
本校では、ソフト面でもハード面でもまだまだすべきことが沢山あります。朝読や読書教育は、全職員が同じ思いを持って取り組むことが大切です。ひとつずつできることからやっていくつもりです。
嬉しいことに、20年度、図書館支援センターの協力を得られることになりました。なかなか手をつけられずにいた図書室の環境整備を中心に、子どもの読書環境が豊かになるようなアドバイスをいただけることを楽しみにしている今日この頃です。
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