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心静かに朝の読書
─小さな一歩の積み重ね─

生駒市奈良北高等学校

 本校のある生駒市は、奈良県の北西に位置し、近年住宅開発が進み、大いに発展しつつあります。緑豊かな高台にある校舎からは、東に春日、若草山、西に生駒山、遙か南方には葛城連山、吉野の山々を望むことが出来ます。また、学校の北側に隣接した雑木林を抜けると、真弓山長弓寺の本堂(国宝)が聳え、悠久の歴史を感じさせる場所でもあります。

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 さて本校は、平成十七年四月、県立高校再編計画により奈良県立富雄高等学校、同県立北大和高等学校の統合校として北大和高校校地に開校し、今年三月、第一期生が卒業しました。校訓として「自律・共生・創造」を掲げ、己を厳しく律し、自己を教育し続ける強固な意志を持ち、創造的に二十一世紀を生きる逞しい人材、豊かな感性と他を思いやる心を持つ社会の形成者の育成を目標としています。また、本校の特徴の一つとして普通科に加え理数科の設置があります。一年時から数学・理科に重点を置き、大学から教員や、院生を招いての講義や実験、大学研究機関の宿泊見学会等独自の取り組みを行い、奈良県北部の理数教育の拠点となっています。

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 朝の「おはようございます」の挨拶から始まり、生徒は真摯に勉学に励み、放課後も多くの生徒が部活動に熱心に取り組んでいます。
さて、本校の「朝の読書」は「奈良県子ども読書活動推進計画」(平成十五年七月策定)や国語力の低下という現実を踏まえ、平成十六年度「朝の読書週間」を十一月に試行しました。静かに読書をし、その静粛な環境で朝のSHRにも移行しやすいという効果がありました。試行を踏まえ、次年度本格実施を前になされた主な論議は、「クラブの開始・終了が遅くなる」、「三年生は受験の年であり、読書をする時間的余裕がない」等々の意見が出されました。再検討した結果、とりあえず「歩きながら考えて行こう」となり、行事の錯綜している時は止める、職員朝礼の各連絡は簡潔にすることが共通認識され、「十分間読書・五分間SHR・五分間休憩」という形での次年度本格実施が決まりました

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 四月当初には新入生オリエンテーションで「朝の読書」実施について説明をします。「朝の読書」当日は、八時四十分に開始の音楽(「タイスの瞑想曲」など)が校舎全体に響くと、次第に学校全体が静まり十分間の「朝の読書」が始まります。
自分が読みたい本(漫画・雑誌・教科書・参考書などは除く)を持参し、「みんなで・毎日・好きな本を・ただ読むだけ」という四原則に従い、ここ三年間、実施されて来ました。各学級には学級文庫を設置し、当日は、図書館も早めに開館しています。今年、「朝の読書」は本校の学習目標である「基礎学力の充実」の一つとして位置づけられました。生徒のアンケートからは「毎日少しずつ読んでいくのがよい」「いろんな生き方や新しい見方にふれることができた」「本を読む習慣がついた」等々肯定的な意見が多く聞かれ、三年生からは、「小論文の速読に役立った」との意見も寄せられています。十分間心静かに読書する─その小さな積み重ねが生徒の大きな財産になると確信します。

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