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朝読書のススメ


島根県東出雲町 揖屋(いや)小学校
▲揖屋小学校の「朝の読書」風景

 八時半のチャイムの音で、校舎内がしんと静まり返ります。朝読書の時間の始まりです。校舎巡りをすると、どのクラスも、本当に静かに本と向き合っている子ども達の姿があります。この落ち着いた静寂を共有することで、一日のエネルギーが湧いてくるように感じます。終わりのチャイムで、学級朝礼が始まり、今月の歌の歌声が爽やかに流れてきます。本校では、日々このような朝の風景で一日の課業が始まります。
このように朝読書は、一日の学校生活のリズムづくり、学びへの意欲づくりに大変貢献しています。平成十九年からは「静読」の約束を掲げて取り組んでいます。静読の約束とは、「座って読む」「一人で読む」「静かに読む」で、静読運動も進めています。あっという間の十分間ですが、実に貴重な時間になっています。僅か十分されど十分!の意識で寸暇を惜しんで読む姿が見られます。

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 本校は、山陰の小さなものづくりの町、東出雲町の中心にあり児童数四百五十五名の中規模校です。本町では、町をあげて図書館教育を向上させようと学校図書館支援センターを立ち上げ、平成十七年に中学校に、翌年には町内全小学校に学校司書が配置されて、人のいる図書館として図書館教育の充実を図っています。
子どもは本当に本が好きで、ちょっとした時間でも、好きな本を手にして本の世界に浸っています。朝読書で読む本を借りに来る子で、朝から行列のできる図書館でもあります。子ども達に本を読む機会や環境をできるだけたくさん提供するのが、大人の役目ではないかと思います。

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 本校に朝読書が取り入れられて今年で十年目になりますが、子ども達の読書の習慣形成に毎日の朝読書が果たす役割はとても大きいものがあります。学ぶ意欲や知的好奇心の向上、心育ち、読書環境づくりの面で以前とは比較できないほど充実しています。すっきりとした朝のスタートのおかげと思っています。
また、以前から第一・三水曜日に、朝の読み聞かせボランティア(保護者)さんに来ていただき、低学年だけ読み聞かせを実施していました。これを全校に広げるために、ボランティアを募りました。お話絵本の会(毎月第二火曜日の昼休みに読み聞かせの活動)のメンバーや保護者が協力を申し出て、学校司書や司書教諭も積極的に関わり体制が整っていきました。月に二回の読み聞かせが、子ども達の心を育ててくれています。
一方、子ども達の読み聞かせもあります。図書委員会や学級の係活動で、低学年や学級のみんなに読み聞かせをしています。どちらも所属の希望が多く、とても人気があります。

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 本校では朝読書だけでなく、学校図書館にまつわる様々な仕掛けをしています。それが子ども達への読書の刺激となって、本好きの子どもが増えています。「図書の時間」を時間割に位置づけて図書館活用を推進しています。また、読後感想等を通して「親子読書郵便」を広げたり、読書集会を開いたり、学年お勧め本を選定したり、いろいろな機会を設けて、読書への誘いを展開しています。年々本好きな子ども達が増えてきています。年間個人平均貸出数は約八十冊です。朝読書タイムや個々の読書タイムを本当に楽しんでいます。
朝読書が、こうした大仕掛けな図書館活用教育の一つとして子どもの読書力を高められるように、今後共先生方と叡智を出し合いながら頑張っていこうと思っています。

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