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学校・保護者・地域をつなぐ読書活動

平川市立柏木小学校
▲柏木小学校の「朝の読書」風景

 平川市は平成18年1月1日に3町村(旧平賀町、旧尾上町、旧碇ヶ関村)が合併してできた市です。津軽平野の南に位置し、秀峰岩木山の美しい姿を全市から望むことができます。米・りんご、そして温泉が市内各地にあるということでも有名です。
本校は市の中心部に位置し、135年を迎える歴史と伝統のある学校です。しかし、少子化の影響を受け、現在は184名、職員数13名、学級数7(特別支援学級1を含む)の規模です。地域に支えられ様々な活動を行っていますが、その中でも顕著な取組みとして「親子読書」があげられます。
これは昭和39年に赴任した第25代校長の村上方一氏によって始められたもので、『親と子が同じ本を読み、お互いが感想文を書き合う』活動です。今年で46年目を迎えます。当初は大学ノートに親子が書き込み、リレー形式で全校児童・保護者が取り組んでいました。当時においても、読書の重要性は指摘されていたと思いますが、親子で共に感想文を書くということは画期的なことだったのではないでしょうか(ひょっとしたら、この活動を通年で行っているのは、日本の中で本校だけかもしれません)。

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 これは単に本に親しむことだけでなく、「親が子の」また「子が親の」感想文を互いに読み合うことで、親子の会話や絆が深まる効果もねらいとしてあったことと思われます。本の選定は子どもが行っています。高学年になるにつれて長編が多くなりますが、保護者も最後まで読んでから、感想文を書いています。
感想の中身をみると、命の大切さ、自然・環境の大切さ、戦争の悲惨さ、兄弟愛、偉人といわれる人の頑張り、映画とは違った味わい深さなど、様々です。
現在は何組かの親子感想文が集まりしだい「親子読書」というタイトルでB4判西洋紙に印刷し、全校に随時配布しています。年度の最後には、それらを冊子にし、次年度に引き継いでいます。本校の宝の一つといえるものです。

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 このような活動の積み重ねとともに、子どもたちに、より読書に親しませることを目的に、平成12年から朝読書の時間を始業の午前8時から15分間、日課に位置づけています。始業前には体力づくりのために校庭での朝マラソンを行っていますが、それとは対照的に朝読書の時間は、図書室から借りた本や家から持ってきた本を黙々と集中して読んでいます。この朝の時間の静寂さは、一日の落ち着いた生活の始まりにとても効果があります。
読書の広がりは、市の読書推進協議会のご支援によってさらに進んでいます。それは、秋から冬にかけての昼休みに、毎年読み聞かせ会を10回程度実施しています。すでに、10年以上継続して行われています。この昼休みでのお話は2つ程度ですが、子どもたちは毎回、楽しみに待っています。読書推進協議会の方は、毎回2人お出でいただいています。本だけの交流だけでなく、読推協の方との交流も深まりつつあります。
また、近年は国語の教材に出てくる物語文の作者に関連した作品を、読推協の方に授業で紹介してもらっています。そのことで、教材の読み取りの深さが増すことにもつながっています。範読ではさすがに読み慣れていらっしゃることから、子どもたちからは教師が行うのとは違い、感嘆の声が上がります。この活動も読書への関心興味を高めるものとなっています。
一方、子どもたち自身が読書活動を高めるために、児童会の図書委員会が新刊本の紹介を年に数回、全校集会で行っています。図書室の整理や本の貸し出し業務だけでなく、このような活動の取組みは、読書を一層身近なものにしています。

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 このように、本校の読書活動は長い歴史と保護者の協力、ボランティアの支援、子どもたち自身の活動等で、地道ではあるけれどしっかりと行われています。新学習指導要領の中においても、読書は人間形成や情操を養う上で重要であると指摘されています。今後も、本校の読書活動を高めていくために邁進していきたいと考えています。

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