『走って』『歌って』『本読んで』これが本校の合い言葉です。
『走って』は休み時間のマラソン。『歌って』は全校合唱活動。そして、『本読んで』は朝の読書≠ニ暗唱≠ノ代表される活動です。
本校は、角田市の北部、静かな田園地帯にあり、1学年1学級の6クラス、児童は175名です。
朝の読書≠ヘ、平成15年から行っています。月、火、水、木曜日の8時15分から30分までの15分間、読書に親しみます。
暗唱≠ヘ、文字どおり古典の名文や詩、百人一首などの課題を暗唱し、校長室で発表するものです。休み時間になると校長室前には、自信たっぷりの子、真剣に課題をぶつぶつと繰り返す子など長い行列ができます。成功した子のほっとした笑顔はとてもすてきです。
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このように、北郷小学校は、知・心・体のバランスの取れた教育を進めています。
朝の読書≠ノ大きな力となっているのは、図書ボランティア「すまいる」のみなさんが月2回行っているSUNSUNタイム(よみきかせ)です。8人のメンバーが、学年に合わせ絵本や紙芝居で、ときには図鑑を使って子供たちに語りかけます。
メンバーは、『子供たちが本を好きになって欲しい』『本の楽しさやおもしろさを味わって欲しい』そして、『小さな冒険をして、今までにない経験をしてもらえたら』と思って活動を始めました。
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本の選択は、『学年に合わせて』『季節や学校行事』『学級の様子』などからそれぞれがテーマをもって行っています。
例えば、1年生には『ぐりとぐらの1年間』、交通安全教室に合わせて『交通安全とまってキットン』(紙芝居)、遠足の前には『おべんとくん』などです。
友達間のトラブルが多く、思いやりに欠ける行動が多いクラスには、『みんなともだち』『つよいのだれだ』『ともだちほしいなおおかみくん』『たったさんびきだけのいけ』『いじめだよ』『だいじょうぶだいじょうぶ』などを連続でよみきかせたそうです。
SUNSUNタイムの日は、子供たちが朝から「今日は何読んでくれるの」とメンバーを見つけるなり話しかけます。読み終われば「もっと聞かせて」「明日も来てくれるの?」ともう次の催促です。
子供たちから出る感想は、メンバーにとって次の本選びの参考になります。メンバーの一人は、「絵本=子供の読む本、と思いがちですが、大人が読んでも心に響く本に出会うこともあります。そう考えると毎回読む本を探しに図書館に行くのがとても楽しみになっています」とおっしゃっていました。
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このように「すまいる」のみなさんのご協力もあって、『朝の読書』は、読書好きの子供をどんどん増やしています。
読書についての子供たちの声を紹介します。
「おもしろい本を読むと、もっともっと本を読みたくなる」
「好きな本がゆっくり読める」
「好きな本を自由に読めるから好き」
「本ですごいことを知ることができる」
「本は、何かいろいろな場所や世界が出てくるし、ありえないこともできるし、いろいろ考えさせられる」
「朝の読書は、家だけでなく学校で読めるからとてもいい」
読書は、子供たちの心にたくさんの知識や喜びを蓄えてくれます。そして、それは、さまざまな体験の中で表出し、人生を豊かにしてくれると私は思います。
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