花小金井小学校には、洋風の中庭があります。中庭にある桑の木の大木にオナガなどの野鳥が飛んできます。ある日のことです。野鳥図鑑をかかえて、「ほらね、あのしっぽ水色でしょ。だからオナガだよ」と呟いている4年生の子を見つけました。
本校は児童数275名の小さな学校ですが、教科・領域を学習するための基礎として国語に力を入れています。国語力がないと、理数系の文章題、応用問題を解くことはかなり困難になります。また、単に実利的な能力を育成するのみではありません。国語力をつけていくことは、人生を切り開く基礎になります。
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もとより国語力は、学校だけで育成するものではありません。家庭・地域の力によるところも大きいと考えております。もちろん、朝の読書活動は国語力強化のベースとなる活動です。本校では、毎週火曜日の20分休みに地域・保護者の方が読み聞かせ活動を行っています。また、低学年のクラスでは、毎週水曜日にお父さんやお母さんが本の読み聞かせを行っています。中学年、高学年では、担任がブックトークを行い、子どもの読書意欲を引き出すようにしています(ブックトークをしない日には、担任も子どもたちと一緒に持ってきた本を静かに読みます)。
文字の一つ一つは記号に過ぎません。その記号を総合して意味を取りだしていく子どもの姿はなかなか良いものです。それはとりもなおさず、想像によって自らの世界をつくる姿と言っていいでしょう。
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家庭や地域の協力はまだ他にもあります。それが親子読書です。毎学期ごとの読書旬間に「親子読書カード」を配って勧めています。ところで、親子読書カードとはどういうものかと言いますと、
B5判のカードの冒頭には、「読んだ本の題名を書きましょう。長い物語を読んだときは、その日に読んだページを書きましょう」と書いてあります。一番下の欄には、子どもの感想の欄とおうちの方の感想の欄があります。手元に届いた「おうちの方の感想」を一つ引用してみましょう。
「普段、寝る準備が早くできた時に読み聞かせをする約束をしているのですが、なかなか8時までに寝る仕度ができず、読めずにいました。それで今回は、登校前の5分、10分、あるいは帰宅してすぐに読みました。わが子は読み聞かせが大好きなので、登校前が親子共々気持ちのよい時間となりました。これからも続けたいです」(一年生保護者)と保護者の方にも好評です。
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本校の子どもたちが図書室から借りる一人当たりの冊数は年平均で40冊です。40冊に275を掛けると延べで1万1千冊を借りていることになります。これは、小さな学校の大きな取り組みと言っていいでしょう。本に手を伸ばす子を育てるために、図書ボランティアの方と連携して、朝の読書をベースに国語力アップの取り組みを今後も推進していきます。 |