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「習慣」と「静寂」

福生市立福生第二中学校
▲福生第二中学校の「朝の読書」風景

 福生市立福生第二中学校は、各学年5学級で全15学級、それと通級指導学級3学級の中規模校で、創立45年目を迎えた。
 朝、職員の打合せが終わり各教室の様子を見てまわる。8時30分から10分間、生徒たちは静かに思い思いの読書をしている。姿勢の良い生徒、机に突っ伏して読んでいる生徒、椅子に横に座っている生徒と実に様々である。姿勢は正しい方が好ましいのは勿論である。しかし、それは問わない。読書をすることが大事と考える。遅刻してくる生徒たちが何人かいるが、雰囲気を壊さないように静かに自席に着く。本校の朝のスタートである。そもそも、朝の読書を始めた狙いは主に二つあった。一つは、学力の定着という課題に向け、読書活動を通して「習慣」という意識の定着や、少しでも学びの世界を広げて欲しいという願いである。もう一つは、これまで生活指導上の課題が多くその対策に苦慮していた。少しでも落ち着いた気持ちで朝をスタートして欲しいという願いである。

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 始めてから4年目になるが、生徒たちにはすっかり定着した取組みとなった。何より最初に紹介したように朝の始まりが大変落ち着いた。それと共に学校生活全体が落ち着きを見せるようになった。もちろん朝の読書だけによるものではないが、大きな一因になっていることは間違いない。

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 実は、今年度、この取組みの継続を検討しなければならない事態があった。職員の勤務時間が8時間から7時間45分に変わり、一日の時程が大変窮屈になることから、何かを切り詰めなければいけなくなった。掃除の時間や、休み時間、下校時間が見直され、当然、朝の読書もその対象になった。しかし、朝の読書の成果を多くの職員が認めているからこそ、この時間を大切にしていこうと今年度も継続して行なっている。
 3学期には、「読書発表会」が行われる。読書活動を通してどのようなことを知り、感じ、学ぶことができたのかをまとめ、皆の前で発表する取組みである。発表会は、クラス単位から学年、全体へと進んでいく。内容は自由であるから、「読書の素晴らしさを知った」「生き方を学んだ」「人生を変えた」「自分の進路を考えた」などや、ブックトーク的なものまで実に様々である。それもまた、個性を発揮する場であるし、生徒それぞれが認め合い、学び合う場となっている。そして、以降の読書への動機付けにもなっている。

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 生徒たちの手にしている本を覗いてみると、自宅から持ってきているものが多い。本校の図書室は蔵書が充実しているのに、もったいないと感じている。生徒たちがより興味・関心をもっている書物のリサーチや購入により、学校図書室を一層活用した朝の読書に繋がっていければと期待している。

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