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自ら学ぶ生徒の育成を目指した「朝の読書」

広島県広島市立広島工業高等学校
▲市立広島工業高等学校の「朝の読書」風景

 本校は、大正13年に開校した夜間の広島工業専修学校を母体とし、昭和39年に全日制を設置した、本年で87年の歴史を有する全定併設の工業高等学校です。工業技術の発展に寄与する次代のものづくりスペシャリストを育成する学校として、広島市の産業及び地域社会を支える多くの技術者を輩出して参りました。全日制は平成13年に学科改編を行い、機械・自動車・電気・情報電子・建築・環境設備の工業6科を設置しています。
近年では、平成18年度からの3年間、文部科学省より「通信の先端的技術の研究開発」で、「目指せスペシャリスト」(スーパー専門校)の指定を受け、情報電子科を中心とした学校全体の取り組みは高い評価を得ています。
他の学科においても、将来のスペシャリスト育成に日々取り組み、その成果はたびたび新聞紙上でも取り上げられるなど高く評価されています。また、次の世代に受け継ぐ地球環境の最適化を目指し、「二酸化炭素の継続的な測定」、「屋上緑化プロジェクト」を実施するなど、環境教育の推進を行っています。

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 本校では平成11年度から学科改編を含めた学校改革を進めておりました。学校改革の教育目標である「自ら学ぶ生徒の育成」を目指す取り組みの一環として平成14年4月から「朝の読書」を導入しました。
平成13年4月に、当時の故増永英樹校長から「朝の読書」の導入が提案され、教育研究部を中心に県内外の先進校の調査を繰り返しながら実施案を作成。各学年担任や分掌組織の意見を取り入れながら研究推進委員会で審議し準備を進めました。実施するに当たり、教職員個々の「読書観」の違い、「強制的な読書」というイメージへの抵抗感、生徒の実態から失敗を懸念する声、補習時間や部活動の時間的制約、仕事量のさらなる増加など、数多くの異議や危惧を乗り越える必要がありました。

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 また、全教職員の理解と協力を十分に引き出す必要があることから、準備に1年間を要しましたが、「朝の読書」が単なる読書習慣の定着のための取り組みではなく、本校の学校改革の基本理念に合致した「生きる力」を養成するための教育活動である点を強調し、実施に至りました。
実施後は、早い時期から遅刻者数の激減、生活面で問題のある生徒への指導件数の激減などの効果が認められ、生徒の雰囲気も落ち着き「ものづくりスペシャリストの育成」に専念できる土壌が出来上がったように思います。

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 毎朝8時30分、市工の朝は「朝の読書」から始まります。「みんなでやる 毎日やる 好きな本でよい ただ読むだけ」の取り組みは、導入から9年間、全く変わっていません。
「朝の読書」導入間近な頃、当時の故増永英樹校長が生徒の言葉として、次のようなことを言われていました。「朝、本を読んでいると、小さな頃に母親に本を読んでもらったことを思い出しました。」
本に触れることは、自己と向き合うことに他なりません。生徒の心の豊かさや人間性を育むためにも、明日も市工は「朝の読書」から始まります。

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