青森市は、本州最北端の県庁所在地として知られており、北にはその向こうに北海道を見晴るかす陸奥湾、そして南に八甲田連峰、東に東岳、西に津軽富士と言われる岩木山と三方に山々を望み、四季折々に自然の豊かさを感じることができる街です。冬は積雪のため厳しい生活を強いられますが、その分春の訪れを喜び、夏にはねぶた祭でエネルギーを爆発させ、秋になると錦秋の山々を愛でながら冬支度に取りかかります。
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本校は、そんな市内のほぼ中心に位置し、古くからの商店、住宅街を学区とし、63年の歴史を地域に支えられて歩んできた学校です。生徒は学習と部活動にいそしみ、多くの成果もあげてきました。読書活動に関しては、小学校と比べると他の中学校と同様、遅いスタートではありましたが、平成13年「子どもの読書活動の推進に関する法律」が制定されるころ、子ども読書の意義の大きさを踏まえ、当時の校長がいち早く「朝の読書」を取り入れました。現在は全小中学校が実施しており、本市における「朝の読書」は定着した感がありますが、本校が今回「朝の読書大賞」受賞という栄誉をいただくことができたのは、その朝の読書をベースに、読書を日常生活につなげるべくいくつかの取り組みを工夫し、いくばくかの成果を上げたと評価されたからだと受け止めています。
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具体的には、
@本を手にとりたくなるような情報を提供する司書教諭の図書館だより。これはA4判で手書きですが、年間100号以上になります。
Aその目玉の一つにもなっている、その年の教師のおすすめの本と推薦文の掲載という企画。おすすめの本は、図書室にコーナーを設けて展示し、実際に手に取り、借りることもできるようになっています。
B市民図書館と連携し、その配本を受け、各学年の廊下に配架して、いつでも借りられるようにしていること。今年で3年目になります。
Cまだ小規模ながら図書室の地域開放とボランティア導入。このことは、生徒にとっても読書が身近で生活感のあるものになることに奏功していると思います。
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これらのことにより、静寂な朝の読書タイムが終わっても、10分休みや昼休みには本を読む生徒の姿も普通に見られ、生徒の机や鞄の中にはいつも本がある状態になりました。また夏休みや国語の時間を活用して読書新聞を作成し掲示しているほか、作品がコンクールで賞をいただいたり作文で力を発揮したりと、読書の習慣は学力面にも結びついていると感じています。
課題はよりよい図書館経営のためにはどうしても司書教諭に負担を強いること。司書教諭個人の心意気に頼る部分が大きいということです。
しかしながら、読書は自らの世界を広げることにもつながり、読書による言葉の獲得は豊かな感情表現にもつながります。これからもスポーツと同様に読書にも親しむ中学生、読書を生涯の趣味とする大人になってくれればと願い、職員皆で読書活動を進めていきたいと思います。
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