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ことばと読書を大切にする教育をめざして!

伊丹市立東中学校
▲東中学校の「朝の読書」風景

 朝8時25分、登校する生徒の声で活気のあった校舎内が、凛とした静寂に包まれます。35分までの10分間は、生徒も先生も一心に本を読んでいるのです。
 これが本校の朝読の風景。どんな日も毎日続いています。

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 伊丹市は、清酒発祥の地として古くから俳諧文化が栄え、井原西鶴や近松門左衛門など文人墨客が集うまちとして栄えました。その流れをくみ、日本三大俳諧コレクションの一つとされる柿衞文庫を有するまちです。さらに、芥川賞作家の田辺聖子さんや宮本輝さんが市民であるということから「ことば文化都市」として「ことば文化講演会」などの様々な取り組みが行われています。今年度7月には新図書館「ことば蔵」がオープンしました。ゆったりとしたレイアウトで交流スペースもあり、市民の学習と憩いの場となっています。子どもたちにとっても、わくわくする空間で子ども連れのお母さんの姿も多くなりました。

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 学校教育においては、全小中学校に専任の司書又は司書教諭の資格を持つ読書指導員が配置されています。さらに、「読む・書く・話す・聞くことば文化都市伊丹特区(平成18年度〜)」の認定をうけ、専任の講師を市費で配置し、全小学校において週に1時間の「ことば科」の授業を行うなど「ことばと読書を大切にする教育」を進めています。
 このように子どもたちが「本」そして「ことば」に親しむ環境ができてきましたが、部活動などで時間に追われている中学生が学校図書館に足を運ぶことは難しいという課題は残りました。そのような中、地域や保護者、大学生からなる学校を支援するボランティア組織「東中ファミリーサポーターズ」が生まれたのです。
 土曜日の学習会の開催、掲示物などの作成や校内美化などのサポートの一つとして、子どもたちの読書環境を調える「ライブラリーサポート」ができました。

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 そしてその活動として朝の読書での絵本の読み聞かせが始まったのです。学期に2回程度ですが、全教室で行われ、生徒たちも楽しみにしています。さらに、図書館に足を運ぶことが少なくなった中学生に対して、こちらから出向いていこうという発想で、昼休みにワゴンに乗せた本を持って廊下を巡回し、貸し出しを行うワゴンサービスも始まりました。一昨年からは、学校図書館の大改造に挑み、すべての本を日本十進分類によって並べ替えるとともに、1万冊を超える本のバーコード入力をしていただいたのです。これは図書委員との共同作業になり、今年の4月からはパソコンによる貸し出しを始めました。さらに、小学校のことば科を引き継ぐ総合表現での図書館の活用や、毎月1回の図書館まつりなどの取り組みにより、貸し出し数は4年前の10倍、読書数も大幅に増えています。今回「第6回高橋松之助記念 朝の読書大賞」をいただいたことで、教員・生徒そしてボランティアスタッフにとって大きな励みになりました。今後も、読書教育に継続してとり組み、一人でも「本が好き」という中学生を増やしていきたいと思います。


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