新宿にほど近い東京都杉並区に位置する本校は、中学1年から高校3年まで全39学級、生徒数約1200人の大規模校です。服装学・生活造形学のパイオニアとして半世紀以上の歴史を誇る文化学園大学(旧文化女子大学)の附属校であり、被服造形の授業を選択した生徒は、デザインから制作まですべて行うファッションショーにも取り組んでいます。その一方で「特別進学コース」や「英語コース」といった特色あるコースを設けて進学指導にも力を入れ、難関大学の合格者も多数輩出しています。また、部活動も大変盛んで、国体で優勝したソフトテニス部をはじめ、卓球部や薙刀部など多くの部活がインターハイなどの全国大会に出場し活躍をしています。
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「朝の読書」を始めて約15年が経ちました。全国で朝の読書の効用が広まると、本校でもその効用に国語科の教員が注目し、導入するように働きかけました。学級数が多い中で教員の共通理解を得ることは容易ではなかったようですが、国語科教員がその効用について説き、各方面に働きかけを行って無事に実施することとなりました。以来、月〜土曜日の8時20分から30分までの10分間を朝の読書の時間とし、全員で取り組んでいます。
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ところで本校では教育目標の一つである「自ら考える生徒の育成」のために、普段の授業だけではなく、修学旅行や文化祭といった学校行事や、部活動などの課外活動を通して生徒自身に考えさせ、生きる力を養っています。読書指導もその役割を担っています。読書を通して知識を得させるだけではなく、物事に対する興味関心を深め問題意識を持たせることは「自ら考える生徒の育成」そのものです。
ところが、生徒はなかなか自分で本を読む時間を確保することができません。学年が上がり、大学受験が近付くにつれ、「本を読む時間があったら勉強がしたい」と思ってしまう生徒もいることでしょう。しかし、中学から高校という人格形成の重要な時期に、本を通して様々な世界に触れ、多くのことを吸収することは、生徒の成長に必要不可欠なことです。朝の読書の時間を設けることで、読書の時間を確保することが困難な生徒も、必ず本に触れることができるのです。
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専任司書がいる本校図書館では、季節や行事に合った特集が組まれ、いつも多くの生徒たちで賑わっています。生徒からは、本の相談だけではなく、勉強や進路に関する相談もあります。毎月発行している「図書館だより」には、「勉強に悩むきみへ」という連載を行っており、ここで紹介した本はすぐに借りられています。読書が勉強に役立つということを実感する生徒も増えてきたように思えます。
多くの本と出合うことは生徒にとって一生の財産になります。学校のさまざまな場所で生徒同士が、そして生徒と教職員が本について語り合う、そんな学校であり続けられるように、今後も朝の読書を始めとした読書活動を一層推進して行きたいと思います。
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