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子どものよさが生きる「朝の読書」

和歌山県和歌山市 野崎小学校
▲野崎小学校の読書タイム風景

 平成12年4月より取り組んでいる読書の時間は、朝の清掃後に各クラスでひとり読みや、読み聞かせなど8時40分から8時50分までの10分間で継続して実施しています。子ども達の読書ばなれが言われていますが、本校の子ども達は、継続することで本を読むことのおもしろさがわかってきたようです。
 学力の土台は、言語能力だとよく聞きます。言葉をたくさん知っているという事は、表現力や思考力をふくらませることになります。好きな本は何回も読み返され、この話は何ページに書いてあるとか、友達同士でクイズを出し合ったり、絵本の中の遊びが流行ったりしています。
 読書週間の期間中には読んだ本の紹介カードを書いてもらい〈この本おもしゃいでぇ〉(和歌山弁)として掲示しました。
 少しずつではあるが本と友達になり、お話大好きの子ども達が育ってきています。子どもの感想でも自分で読む楽しさがわかってきた子も多く、各家庭でもゆっくり読書する時間を決め、その日はノーテレビデーとして親子で静かに読書をするということ、この取り組みが親子の関係にも影響を与え、浸透していくことはうれしいことです。

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 4年目を迎えた「読書タイム」は、すっかり子ども達に定着し、朝の清掃も効率的に行われ、その後の校内は、静かに落ち着いて、読書タイムへと進んでいます。
 続けることの大切さ、小さな事の積み上げが実を結び、
1) ほとんどの子どもが本を好きになり読めるようになってきた。
2) 朝の読書の時間以外でも、プリントや作業が早くできた子どもは、静かに読書をするようになった。
3) 漢字や文章がすらすら読め、表現力や読解力がついてきた。
4) 読書でさまざまな世界を知り、視野が広がってきた。
5) 朝の会や1時間目の授業への取りかかりがよくなった。
6) 市立図書館を利用する子どもが増え、読書量も多くなった。
など、緩やかではありますが、読書好きの子どもが確実に増えているのは、何よりうれしいことです。

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 2年目から保護者の方がボランティアとして朝の読書タイムの10分間に各教室をまわり、学年の子ども達が喜ぶ本を読み聞かせします。わらべ歌も教えてくれたり、毎回子どもの心に響く作品が多く、指人形や積み木などの小道具を活用して語ってくれます。
 「朝の読書」を始めた頃は、けじめがなく騒がしかった校内も、読書をすることで集中して物事に取り組めるようになってきています。朝の読書を全校一斉に実施し、広めていくことは大変な事でしたが、読書だよりの配布や子ども同士の切磋琢磨、読み聞かせボランティアの協力などに支えられ軌道に乗ってきています。
 この力を更に積み重ねることにより、子どもの読書への楽しみをもう1段上のステージに押し上げ、生涯を通して読書することの喜びを味わってほしいと考えています。

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 最近6年生の子どもがこんな文を読ませてくれました。
 「私は2年生まで本とか、あまり読んでなかったけど、読書タイムをはじめてから、色々な本を読んでみて、『本ってこんなに面白いものだったんだ!』と思いました。面白くて、ついつい間があると読んでしまいます。」
 子どもの生活の中では、ビデオやテレビゲームなど映像文化ですごしている子どもたちも、少しずつ読書の良さが分かってきています。本と友達になっている子が増えてきています。読書の波が大きな渦となり、子どもたちの心を癒し、感性や想像力を育んで欲しいと願っています。


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