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あと5分で,朝読書始まりのチャイムがなります

奈良県新庄町 忍海小学校

 忍海小学校の一日は,子ども放送局のこんなアナウンスから始まります。

ピンポンパンポーン・・・
「あと5分で,朝読書始まりのチャイムがなります。遊びをやめて教室へもどり,8時30分のチャイムと同時に,静かに本が読み始められる準備をしましょう。」

 本校では,8時30分から45分までの15分間,全校一斉朝読書を行っています。子どもたちが読書をしている間に職員朝礼を終え,そのあと教師も各教室で時間まで読書をします。
 この取り組みを始めたのは,子どもたちの「読みとる力」を伸ばしたいと考えたからです。「読みとる力」は,読書量と大いに関係があります。乳幼児のころの絵本の読み聞かせが,「子どもに読書の習慣」をつけると言います。といって,今さら子どもたちを乳幼児期に戻すことはできません。でも,「自分が読みたい本を読ませる習慣」を学校でつけることはできるはずです。家でできないなら,学校でするしかありません。

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 読書後の感想は大切にしたいところですが,むやみに感想文を求めるのは避けようと考えました。感想文を書くことの煩わしさが子どもの読書離れを促しているようにも思えるからです。まずは,「ああ,おもしろかったなあ」「意外とつまらなかった」という感想だけでいいと考えました。
 昨年度末の総括会議では,朝読書に肯定的な意見が多数を占めました。

低学年・・・ 友だち同士で本の紹介をしあっている。楽しんで読書をする子や本を借りる子が徐々に増えてきている。
中学年・・・ 本を読むことの楽しさ,物語文の楽しさを知り,シリーズ本を読む子どもも増えてきた。集中して本を読み,本の世界に入り込んでいる子もいる。おもしろい本を友だちに紹介している姿も見られる。朝の会や1時間目が落ちついた雰囲気の中で運営できるようになった。
高学年・・・ 一冊の本を最後まで読み切ろうとする意識が,多くの児童に身に付いてきた。活字離れが危惧される昨今ではあるが,物語や伝記等の「活字」に意欲的に向き合っている。朝読書の成果は読書の時間にも反映され,自分の興味あるテーマに沿った読書も行われている。チャイムと同時に朝読書がスタートするが,休み時間等も本に積極的に向き合おうとする児童の姿が多くなってきた。

また,6年の子どもが私にこんな手紙をくれました。

 朝読書,初めのうちは「いらんなあ」と思っていたけれど,今では15分じゃ足りないくらいです。今まで本なんか読みたくないと思っていたけれど,今は読みたい本が増えてきました。本屋へ行くと,「この本,読んでみたいなあ」と思います。朝読書,できればもうちょっと時間を増やしてほしいくらいです。

 今日もまた,子どもたちは本を読み続けています。


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