トップページ朝の読書ホームページ→「朝の読書」トピックス

読書の習慣は第二の天性である

佐賀県立 鳥栖商業高等学校
▲鳥栖商業高等学校の「朝の読書」風景

 本校では、平成7年度末に図書館の新築に伴い職員も生徒も気分一新し、図書館利用の活発化を進めてきた。以来10年目を迎え現在の図書館スタッフも日々、「図書館が、中心となって学校教育の質的向上に寄与するためにはどうすればよいか」ということを常に念頭に置き努力をしている。
1.本校概要
 本校は、昭和46年4月1日に鳥栖高校から分離独立し開校した商業科3学級、流通経済科1学級、情報管理科1学級の1学年3学科構成の商業高校である。
 進路状況は、就職と進学がほぼ1対1の割合である。

□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

2.読書量について
 「日本一の読書量を目指す学校」という懸垂幕を校舎に掲げたのは、平成10年である。それまである程度の読書量はあったが、今ひとつ伸び悩んでいた感があった。
 そこで単に読書量を増やすという目的だけでなく、読書の習慣化、読書の楽しさ、本との出会いのすばらしさと大切さなどを一人でも多くの生徒に体験してほしいという当時の教職員の願いで、平成10年10月より千葉県の私立高校で実施されているという「朝の読書」をスタートした。読書量がこれで急速に伸びたわけではないが、徐々に浸透し定着化するにつれ、確実に上昇の方向に向かっている。貸出冊数は、平成16年度末現在1万冊程度である。本校の場合、貸出冊数は開館日数にも比例的であるので、可能な限り年度始めの開館日を早めるとともに、日頃の閉館日を少なくするようにした。その他、生徒にできる限り読書のチャンスを与えるために、各学期に最低1回は、読書タイム(50分程度)を設定したり、課題のない自習時間は原則として「読書」とするなどの方策をとっている。

□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

3.「朝の読書」アンケート結果について(アンケート項目は紙面の都合上、省略)
 「朝の読書」の現在の実態を把握するために、全校生徒を対象にアンケートを実施した。その結果はほとんどの生徒が中学時代に「朝の読書経験あり」ということ、問題点となる「読書嫌い・大嫌い」が6%程度いること、朝読書の行事で「読書の習慣が身に付いた」という生徒が52%で、「朝読書の時間は10分間で充分である」という生徒が58%と最も多いこと、読む本は日本の小説が圧倒的に多く52%、読む本の入手先は学校の図書館以外にも自分の本も結構多いこと、好きな作家ベスト3は@乙一、Aさくらももこ、BYoshiであることなどが挙げられる。

□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

 読書の楽しさ、効用や本が人間の精神に及ぼす影響の重要さは古くから語られている。「晴耕雨読」、「この1冊が私の人生を変えた」、「本は心の糧」などの言葉は、ほんの一例である。パソコンやインターネットが発達した現在でも、このことは、変わらないと思われる。インターネットは、「WWW」の言葉が示すように世界規模で構築された超大百科事典であり、あらゆる情報を提供するITであるが、心(感性)の豊かさを得る手段では読書に勝るものはないと考える。読書が人間としての成長や精神生活の向上に多大な影響を及ぼすことは、間違いないことである思う。その意味で良書を読み続ける習慣を身に付けることはかけがえのない財産であり、第二の天性と呼んでもよいと思う。絵、図や映像のみに頼る日常生活は、人間性や心の向上に寄与する点では不充分であると思う。


朝の読書ページトップへ

−無断転載を禁ず−
Copyright (c)2000 TOHAN CORPORATION