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「朝の読書」と本校の読書指導

京都府 宮津市府中小学校
▲宮津市府中小学校の「朝の読書」風景

 本校の学校経営計画(スクールマネージメント)において基礎基本の徹底と学力充実・向上において読書活動と結びつけ、読書の習慣化を図ることを重点の一つとして考えている。
読書の習慣化はその必要性を強調しても簡単に読書に意識を向けることは難しい。読書するため時間と空間をどうつくりだすかが重要であるが、生活の中に意識して読書にふり向けることはなかなかできないのが現状で、「朝の読書」は読書に浸れる時間として貴重な役割を担っている。

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 もちろん「朝の読書」のみで読書の習慣化を図ることは難しいが、読書をする時間と空間を与えることで、とりわけ読書に親しむ機会の少ない児童には読書の楽しさを味わわせることになる。また、年間を通して「朝の読書」が一日の生活のスタートとして根付くことで、読書月間の取組みがより浸透し、効果をあげている。
ちなみに本校の読書月間は@読書アンケート(読書月間が始まる前に実施し、指導や啓発に生かす)A教師による読みきかせ(「朝の読書」)B先生のおすすめの本コーナー(職員室前)C読書感想文の取組みDはまなす移動文庫(市立図書館)と読みきかせE各学級で本に親しむ取組みF読書貯金等を行っている。

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 市立図書館が催すブックトーク、エプロンシアター、大型紙芝居等を利用しての読みきかせでは、物語の展開に応じて一喜一憂、はらはらどきどきの子どもたちの表情がこちらに伝わり、本に対する食い付きの良さが感じられた。まさに本の世界を満喫している。それはテレビやゲームの視覚に訴える刺激とはちがう反応である。文字や言葉が醸し出す創造的な世界への誘いである。
まさに「朝の読書」を日常的に経験することで本の楽しさ、豊かさを子どもたち一人一人が身に付け、本を媒介した世界を楽しむ効果を発揮している。
 さらに、職員室前に設置した「先生のおすすめの本」コーナーでは、興味深げに先生方おすすめの本の紹介文を読んでいる。「朝の読書」を教師と子どもが一体となって取組むことで、読書を共有する機運が校内に生まれつつある。また、読んだページ数を記録し、積み重ねる読書貯金の取組みも読書活動の励みとなり、「朝の読書」の意欲にもつながっている。

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 巷に溢れる圧倒的なビジュアルな世界に子どもたちの文化が奪われるつつある中で、「朝の読書」は生活の中に読書を根付かせることで、子どもたちの文化からこぼれ落ちそうになっている文字・活字の力を意識することにつながると思われる。本校のアンケートによれば家庭での読書時間(一日30分)が5月38%、7月55%、9月58%と徐々に増えている。「朝の読書」による読書活動の日常化は、子どもたちの生活に確実に変化をもたらし、メディア中心の娯楽から読書をする時間を位置づけることで、多様な生活体験を経てその後の子どもたちの生活に大きな影響を与える。とりわけ小学生の時の読書体験はそれ以後の読書習慣へ大きく結びつく。
よく言われることだが、「たかが10分、されど10分」。わずかな時間と空間を共有する読書体験を通して、これからの生活に豊かさと潤いにつながる読書への導きとともに読書の習慣化の確立を、学校経営計画(スクールマネージメント)の重点の一つとしてその実現を図りたい。


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