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読書環境の大切さ

山口県周南市 今宿小学校
▲今宿小学校では読み聞かせにも力を入れている

 周南市立今宿小学校は、山口県の南部に位置する周南市にあり、学校の窓からはコンビナートや新幹線が見えるなど比較的都市化された環境にある。さらに、近くには図書館、美術博物館、文化会館、動物園など文化的な施設も多くある。
 本校の目指す児童像は、「心も体も強い子」「心豊かで仲のよい子」「進んで学ぶかしこい子」の三つである。その中でも「進んで学ぶかしこい子」を目指すために、朝の読書に力を入れている。

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 本校に朝の読書を取り入れたのは、六年前で、子どもたちが朝から落ち着いた環境の中で学習できるようにしたいという思いから、週一回のペースで始まった。その際に、保護者の協力も得て、家庭で眠っている本を寄贈して頂き、学級文庫の充実も図った。次第に子どもたちの取り組み姿勢が定着してきたことから、年ごとに回数を増やし、今では毎朝十分間、全校で朝の読書に取り組んでいる。
 朝の読書に取り組み始めてからというもの子どもたちが朝から落ち着いて学習に取り組むようになったり、読書にも興味を持ち始めたりする効果が表れてきた。そこで、その効果をさらに大きくしていくためには読書環境を充実させる必要性を感じ、次のような様々な取り組みを行ってきた。

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 @PTAによる読み聞かせ
 なんといっても大きな力を発揮して頂いているのが保護者の方々である。PTAに読書クラブができ、毎月一回各クラスごとに朝の読書の時間に読み聞かせをしてくださるようになった。また、学期に一、二回程度、昼休みにも希望者にプレールームなどを利用してぺープサート(人形劇ぬりえ)やパネルシアターなど大掛かりな読み聞かせもしてくださるようになり、子どもたちは読み聞かせの日を楽しみに待つようになっている。
A図書館司書補助員の配置
 昨年度から週二回ではあるが、図書館司書補助員が配置されるようになった。そのおかげで、今では図書室に行けば、資料探しの手伝いやお薦めの本の紹介、さらには読み聞かせなど読書環境の充実はもちろんのこと、図書室に人のいる温かみが感じられる状態になった。子どもたちもその心地よさを感じてか、図書室に行く回数が増えたようである。
B図書委員による朝の読み聞かせ
 保護者や教師による読み聞かせが読書意欲の向上に効果があるのはもちろんのことであるが、子どもから子どもへの読み聞かせはさらに効果があることから、図書委員によるクラスごとの朝の読み聞かせを今年度から行うことにした。この取り組みは図書委員だけでなく聞く側の子どもたちにもとても新鮮に感じられたようで好評であった。今後も回数を増やしたり、ブックトークなど読書形態や読み聞かせ時間などを工夫したりしながら取り組んでいきたいと思っている。

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 以上のように様々な取り組みを行ってきているが、やはり朝の読書活性化のためには子どもたちが読みたいと思える本を学級や学年文庫に揃えることが、今一番の大きな課題といえる。しかし、予算には限りがあるので、公共図書館や家庭の本を上手に利用していきたい。特に、家庭から子どもたちがお薦めの本として持ってきた本は子どもたち同士の間で人気が高く、読書の時間には競うようにして読んでいるので、子どもたちによる持ちより文庫をさらに充実させていきたい。また、校内でより有効に本が活用されるよう学年間での学級文庫の交換や図書委員による図書だより、イベント等にも工夫を加えていきたい。
 子どもたちの読書離れが問題になっている現在、大人が子どもたちにどれだけの読書環境(時間・蔵書・きっかけ等)を提供できるかが問題解決の第一歩につながるのではないだろうか。今までの取り組みに対する子どもたちの素直な反応を見るにつけ、そう思わずにはいられない。


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