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朝読書で心豊かに

佐賀県伊万里市 伊万里小学校
▲伊万里小学校の「朝の読書」風景

 本校は、伊万里市の中心部にあり、児童数六七五名の学校である。
校訓「心豊かに 健やかに」を掲げ、「学校は子どもが主役」の認識にたって、せせらぎのごとく限りない教育愛を持って子ども達の育成にあたっているところである。
本校では、活動的な子ども達が多いため、落ち着いた学校生活を送らせることが必要であると考えた。そこで、子ども達に一番身近で楽しむことができる「読書」に重点をおいて取り組むことにした。

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 ○朝の読書タイム
読書の習慣化を図るために朝読書の時間を位置づけた。週四回(水曜日は朝会や集会のため実施しない)、八時十分から十分間読書する。クラス全員で同時に行うのであるが、なかなか全校一斉に開始することは難しいところである。読む本については、子ども達自身に選ばせている。
入学して間もない一年生については、教師が読み語ることもあり、本を読む楽しさをみんなに体感させることができるようにした。
ここでは、教師側は常に読書環境を整えておく必要がある。教室の中や廊下にも本を置き、いつでも手にとることができるよう準備しておくことも大切である。
このようにして取り組んでいることから、毎日図書館に通い、毎日本を借りていく子どもの数が増え続けている。また、図書館の貸し出し冊数も一学期だけで、昨年よりも六千冊増加し、一人当たりの読書量も増えつつある。これも、朝の読書タイムによる効果のひとつであると考える。
また、子ども達は、朝読を終えた後も本の楽しさやおもしろさを友達に伝え合ったり、本の貸し借りをしたりと読書に対する関心や意欲を高めていることがわかる。
これは、子ども達が読書を通して、本から感じる力を蓄えてきているからである。この積み重ねこそが、読書力を育てることとなり、これこそが、学ぶ力の礎となるものである。

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 ○語の日(家庭の日)
朝の読書タイム以外にも、本校では毎月五のつく日(五、十五、二十五日)を「語の日」と決め、家庭で語に関わる取り組みをすすめているところである。また、今年からは、「語の日」のルール作りを家庭にお願いした。その中には、
・ゲームやテレビを消して家族みんなで本を読む。
・家族みんなで十五分間読書をして、互いの感想を話し合う。
・おかあさんがみんなに絵本を読む。
・家族みんなでしりとりをする。
など、様々な方法があげられた。しかし、これは、まだごく一部の取り組みであり、全家庭に普及するには至っていないのが現状である。

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 ○お話プレゼント
その他にも、保護者の活動による読み語り「お話プレゼント」を毎週金曜日の朝実施してもらっている。読み語りの本は、学年に応じて精選されたり、郷土の昔話を取り入れたりと内容も充実しており、子ども達も毎回心待ちにしている。なかには、読んでもらった本を図書館で探して自ら読書する子も見られる。
こうして本校の「読書」に対する取り組みは、家庭や保護者の協力を得ながら、少しずつではあるが深まりつつある。
また、地域の取り組みとして、「伊万里市」では六月より、「親と子のこころをつなぐ家読のすすめ」を展開しており、「伊万里」の将来を担う子ども達の心豊かな成長を促すことをねらいとしている。「家読」とは、「親子が同じ空間で同じ時間を共有し、本について語らい、互いの思いを交流させる」としており、このことが家族の絆を深め、家庭が子ども達の心の居場所であることを感じとってほしいと願ってやまない。
「朝読」から見えてくる子どもの姿には、まだまだ課題が残るが、「読書」を心の栄養にして心身共にたくましく豊かに育ってほしいものである。


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