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そして誰もいなくなる!? 筒井康隆久々の本格推理小説! | |||||
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「先生。あなたは病気です」 とある地方都市で起きた文化人連続殺人事件。 次は俺か……。パニックに陥った作家の狂気を通して “恐怖”の根源に迫った快作! 笑っているのではない、死んでいるのだーー。 主人公の作家・村田勘市は、たまたま訪れた知人の美人画伯の殺害死体第一発見者となる。 さらに直後、建築評論家が殺されるに及んで、犯人の狙いはどうやらこの姥坂市に住む 14人の文化人らしいという疑惑が生まれる。 その根拠となるのは、四年前に起きたある崩落事故。村田とその周囲の文化人たちは疑心暗鬼に苛まれる。 「次は俺が殺されるのか……」。 もはや友だちも信じられない。 些細な物音にも怯える極限状況での生活。 パニック状態に陥った主人公の精神状態が克明かつリアルに描かれますが、むろん謎解きの愉しみもあります。しかるに犯人は誰なのか、またその動機とは……。 作家生活35年、あまたの作品を執筆してこられ、かつ幾多のジャンルに挑戦してきた筒井康隆氏の今度の新作は久々の本格推理小説といえるかもしれません。 が、他の筒井作品と同様、一概にひとつのジャンルに括ることが非常に難しくもあります。 というのは例によって巧妙かつ精緻に張り巡らされた仕掛けのためです。 たとえば、作中にさりげなく出てくるアガサ・クリスティの名作ミステリー「そして誰もいなくなった」、フリッツ・ラング監督の「M」などのテキスト引用は、まさに筒井氏ならではの鮮やかさ。 また、精神分析に造詣の深い氏の心理描写ーーことにパニック状況に陥った人間におけるーーのリアルさをみれば、すぐれた心理小説といえなくもありませんし、極限状態の人々だからこそ生みだされる会話のおかしみ、軽妙洒脱さはユーモア小説としての一面を備えています。 | ||||
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筒井康隆氏から皆さまへ 筒井康隆は蜷川幸雄演出の三島由紀夫「近代能楽集」に出演して十一月には埼玉・浜松・琵琶湖・名古屋・大阪と巡演し、十一月三十日、大阪で無事千秋楽を迎えました。 その日のうちにただちに上京、翌日からは朝六時起きで吉祥寺にある老人ホームでの映画のロケに通いはじめました。 この映画は、テヒート制作(ホリプロ協力)の「ひっとべ」(鹿児島弁で「思い切ってやれ」の意)で、三遊亭歌之助・筒井康隆・伊藤かずえ主演、公開は来年三月となります。 七日、府中の東京競馬場でのロケで出番が終り、現在ほっとひと息ついているところです。 役者としての次の仕事は、テレビ朝日・共同テレビ制作の「ココだけの話(仮)」というオムニバス・ドラマの一篇「思い出せない!」で雨上がり決死隊の宮迫さんと共演します。 あとは、来年六月、上記「近代能楽集」のロンドン公演まで予定はありません。 出版の方は長篇「恐怖」のあと、小学館から「演劇日記・文学外への飛翔」が、また新潮社から「天狗の落し文」が出ます。 現在仕事中のものとしては、アンブローズ・ビアス「悪魔の辞典」を翻訳中です。 雑誌「現代」に連載されたあと、講談社から再来年に出版される予定です。 他に連載しているエッセイは朝日新聞の「トークエッセー」、「噂の真相」の「狂犬楼の逆襲」など。 ではよい世紀末をお迎え下さい。そして、新世紀おめでとうございます。 |
筒井 康隆 |
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