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花おりおり
湯浅浩史/文
矢野勇/写真
出版社/朝日新聞社
本体価格/2,000円 |
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花と人との関わりをできるだけ掘り起こし、
平易に親しんでもらおうと筆を進めました。 |
この本は朝日新聞の朝刊で、一年間毎日連載されたコラムから生まれました。新聞の一面は重要なトップニュースを扱うページです。そこに連日花のコラムを載せるのは、新聞社の英断だったと思います。世界に数多い新聞の中で、花の記事を一面に毎日連載するというのは、まずないでしょう。これが許される土壌が、私は日本の文化の一つの姿だと思います。
世界にも日本でも、様々な文化があります。植物に関する文化も少なくありません。生け花、盆栽や花見など誰でもすぐ思い浮かぶ花の文化以外にも、普段は気づいていませんが、日本には植物の伝統文化が多々根付いています。行事の植物が象徴するように、生活の節目に四季折々の植物を結びつけました。赤飯や正月の赤い実の縁起植物、農耕儀礼の残存と思われる月見のサトイモやススキなど有史前に遡り、現代に脈々と続いています。
日本人の植物感性は近代社会には類を見ない特異な存在と言えるでしょう。しかしながら、今、その伝統は急速に失われつつあります。・・・ |
| ・・・そんな時代に、朝日新聞のコラムを依頼され、花と人との関わりをできるだけ掘り起こし、平易に親しんでもらおうと筆を進めました。取り上げた人は約百二十名、文献は約五十になります。しかし、何分にも百三十字余りの短文なので、意は十分尽くせなかった面もあります。連載中、たくさんの読者からお便り、ご意見をいただきました。一つ一つには返事が出し切れませんでしたが、一部は本書に反映させました。なお、新聞では載せなかった科名を加え、便宜をはかりました。 |
| 〜本書「はじめに」より |
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