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今夜もどこかで完全トリックが成立している!
「処理場のネットワーク」「穴屋のネットワーク」…知られざる年間1兆円のブラックマーケット。
千葉県庁の現役職員が、恐るべきシンジケートへと成長した不法投棄ビジネスの実態を解明! |
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出 版 社 か ら |
著者の石渡氏は、全国でも最大級の不法投棄常習地帯と言われた千葉県銚子市で、短期間のうちに不法投棄ゼロを達成した千葉県庁の現役職員です。 |
新聞・テレビを通じて報道される大規模な不法投棄が氷山の一角にすぎないことは、誰もがうっすらと感じていたこと。しかし、その隠された水面下の部分がいかほどのものか、どんな姿をしているのかが語られることはありませんでした。
環境省が発表する数値の100倍以上の不法投棄が今なお進行しています。
年間1兆円のブラックマーケットに、法的枠組み自体がのみこまれようとしています。
問題は、「産廃」だけにとどまらず、リサイクル、循環型社会を奈落の底に陥れかねないほどに、産廃コネクションの根は深いのです。
石渡氏は、自分の管轄する区域から不法投棄を追い出したところで、また別の場所が標的になるだけだということに、一職員としての無力感を覚えていたのかもしれません。また、次々に打ち出される国の対策がかえって事態を深刻化複雑化させていることも、本文でふれています。 |
堂本知事の快諾を得て送り出されるこの本が、関係者のみならず、より多くの人に届き、今、この国で進行している悪夢のような現実を変えていってくれることを願ってやみません。 |
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著 者 紹 介 |
石渡正佳 Ishiwata Masayoshi
1958年生まれ。1981年に千葉県入庁。
1996年4月から千葉県環境部産業廃棄物課で、産廃行政を担当し、
現在千葉県で活躍している産廃Gメン「グリーンキャップ」の創設にかかわった。
2001年4月からは、海匝(かいそう)支庁県民環境課で監視班のリーダーとして現場の調査チームを率い、全国でも最大級の不法投棄常習地帯といわれた銚子市で、短期間のうちに不法投棄ゼロを達成した。
専門は財務分析。税務調査も上回る厳しい立入検査によって、不法投棄への関与を明らかにしている。
本書では、こうして集められたデータの分析によって、不法投棄の実態が構造的に解明されている。 |
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本文「序論」「第1部」より抜粋 |
序論◆不法投棄の真実 より |
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廃棄物処理法は、万華鏡のように毎年どころか半年ごとにどこかが変わる。リサイクルのための新法や自治体独自の条例もブームのように相次いで制定され、廃棄物処理の枠組みはあたかも複雑な迷宮と化してしまった。そしてこの迷宮の下に、許可業者とアウトロー業者が結託した、産廃コネクションともいうべき巨大な地下構造が、いつのまにか構築されていたのだ。
新たに許可を取得した業者が、実はかつての不法投棄業者ということもあり、現に行われている不法投棄もまた、必ずといっていいほど許可業者が介在している。その背後に地下組織が暗躍し、巨額のブラックマネーが動いている。
産廃を満載した黒蟻軍団が走る闇は、時代の底知れない闇に連なっているのだ。 |
第1部 不法投棄という構造的犯罪 |
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第1章 産廃処理の二重構造 |
首都圏の最終処分場の残存容量はあと2年分、いやあと1年半分だと、その逼迫が警告されて久しいが、結局いまだに残存容量はなくならない。毎年5000万トンがきっちりと最終処分されているなら、処分場はとっくの昔に満杯になっていていいはずである。
どんなトリックが隠されているのだろうか。
仕掛けはマニフェスト(産業廃棄物管理票)にある。 |
…… 地下構造はアウトロー業者が暗躍する闇の世界である。単独で産廃を運ぶ一発屋、一発屋を束ねるまとめ屋、不法投棄現場を掘る穴屋、適地を斡旋する地上げ屋、上前をはねる暴力団、許認可に介入する開発ゴロ、ブラックマネーをあやつる金融業者など、地下構造の登場人物は多彩で、枚挙にいとまがない。 |
第2章 不法投棄シンジケート |
組織的な不法投棄は、アウトロールートへと産廃を横流しする「処分場のネットワーク(再委託ネットワーク)」、捨て場まで産廃を運搬する「ダンプのネットワーク(二次収運ネットワーク)」、捨て場を開設する「穴屋のネットワーク」、ブラックマネーを還流させる「資金のネットワーク」が相互に結合されることによってシステム化され、「不法投棄シンジケート」と呼ぶべき複雑な構造が構築されている。 |
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