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目先の成功や欲望にとらわれず、人間として正しく生きるためには?
経済界と法曹界という異質の世界に生きる二人が胸襟を開いて語り合った
日本および日本人のあり方

徳と正義
中坊公平/著
稲盛和夫/著
出版社/PHP研究所
本体価格/1,300円
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苦難はもちろん成功も「試練」である
 成功した結果、地位に奢り、名声に酔い、財産に溺れ、努力を怠るようになれば、瞬く間に堕落してしまうことであろう。しかし、成功を糧により高い目標を描き、謙虚に努力を重ねていくとするなら、人生はさらに輝きを増していくのである。
 つまり、七十余年にわたって、「試練」という人生の風雪に耐えてきたことが、同じような考え方をする人間をつくり上げたのだと私は考えている。中坊さんと私は、生い立ちや仕事の専門領域はまったく異なっているが、それぞれ人生の途上で、「試練」に対峙するなかでかちえたものに共通の基盤がある、そのため対談において互いの発言が共鳴しあったのであろう。
〜稲盛和夫「まえがきに代えて」より

一燈照隅、万燈照国
私たちは一つの世界に長くいればいるほど、いつのまにか感覚が麻痺し、常識がなくなっていくという恐ろしさを噛みしめなければならない。まるで特定の人だけが倫理観を失っていると思うのは大間違いなのである。新聞やテレビをみて、他人事のように批判したり、許せないと憤りを覚えたりしている国民の姿を、私は「観客民主主義」といっている。自分をつねに観客の立場に置いて、世の中を観客席から眺めているからである。それではだめで、私たちも皆、同じような要因を内在しながら毎日生きているのだという自戒をもつ必要がある。
 そうしなければ、日本人はいつまでたっても「統治客体意識」から脱却できないだろう。自分は観客ではなく、グラウンドに出て戦っている選手である、当事者であるという意識を強くもつべきである。
〜中坊公平「あとがきに代えて」より

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