ここ数年、日本語に対する関心が急速に高まっています。昨年には文字・活字文化振興法が制定され、今年に入ると次の学習指導要領の基本理念が「言葉の力」であることが明らかになりました。その背景にあるのは、日本語の力が衰退してきているのではないかという危機感だと言えるでしょう。そのような状況において、『大辞林
第三版』は十月二十七日「文字・活字文化の日」に刊行されました。日本語力の養成・強化のためには、何よりも現代日本語の規範となりうる大型国語辞典が必要であると思われますが、『大辞林』刊行はそのような時代の要請に真正面から応えるものです。
この自信作をより多様に使っていただくために、今回、私たちは「三省堂デュアル・ディクショナリー」という新しい辞書出版のかたちを提案しました。「デュアル」とは「ふたつの」という意味で、このサービスは、紙とデジタル、両媒体の辞書を同時に読者に提供しようというものです。書籍辞書の購入者に、ウェブサイトにアクセスしていただき、書籍をお持ちの方なら必ず正解できるクイズに答えていただくと、ウェブ辞書の利用権が無料で得られる仕組みです。詳しくは、http://daijirin.dual-d.net/
をご覧下さい。
『大辞林 第三版』は、「ひとつの辞書で、ふたつの引き方」ができるため、「家では書籍、会社ではウェブ」「父は書籍で、娘はウェブ」など、多様な使い方が可能となります。また、紙媒体のもつ総覧性やランダムアクセスという利点と、デジタル媒体のもつ検索性の良さなどの利点、両媒体のメリットを共に享受していただけます。もちろん、このような辞書出版のかたちは、日本で初めての試みです。インターネット時代にふさわしい、新たな辞書の姿を実感していただくためにも、ぜひ書店とウェブサイトの双方で、デュアル・ディクショナリー『大辞林
第三版』の良さにふれていただければと思います。
|