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「童話作家はいかが」 斉藤 洋著
紹介者 講談社 生活文化第二出版部・金沢千秋さん

 
「童話作家はいかが」はいかが?
 長い間編集者をしていると、男性作家とだけは結婚したくないとしみじみ思う。
 売れると、やたらもてる。そう売れなくても、受賞したり、書店に本が並び始め、書評が出たり、講演を頼まれたりするようになると、やっぱりファンが出来てもててくる。大学教授なんて肩書きが加わると、もっともてて心配だ。一方、全く売れなくて評価もされなければ、それはそれで辛い。家計も大変だ。家族は、いつ小説やエッセイの材料にされるかうかうかしていられない。家族じゃなくても、傍にいるだけで危険なことこのうえない。
 だから、私は作家に愛を告白されるのだけは必死で避けてきた。だから、賢明にもそんな目には全然あわなかった。自分が作品のネタにされそうになる状態も出来うる限り避けてきた。幸い、児童文学畑で仕事をすることが殆どだったから、そういう危険な目にあうことも少なかった。
 だのに、何を間違ってしまったのだろう。会社で異動して新しい企画を考えていたとき、いつも斉藤洋さんがお話になっていた「職業論」があんまりおかしくて、ユニークだったのを思い出し、つい依頼してしまったのだ。「童話作家への道」を書いて頂けませんかと……。自分たち編集者も、格好のネタになる素材であることを忘れてしまって……。
 お原稿を読み始めて後悔した。面白すぎる! うますぎる! 編集者なんて、めためただ。しかし、童話が好きな人や、童話作家になりたい人には、どんな本より役に立つ! 読んでいる内につい童話を書きたくなってしまう! 苦さの中にそこはかとなく、読者への、本への、自作への愛が漂う! 私などからは想像も出来ない、めちゃめちゃ傲岸な編集者が登場しても、まるでその辺にいそうにリアルに描かれているではないか!
 斉藤さん、この本を担当できて本当に幸せです……。


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