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「ポール・マッカートニーの絵本?
あのポール・マッカートニーが絵本を描いたんですか?」
エージェントからの電話に私は少し、いえ、かなり興奮しました。今年の、暦の上では春とはいいながら、まだまだ寒い、そんな頃だったと思います。
本書『あの雲のむこうに』は、元ビートルズのメンバーであるポール・マッカートニーと、世界的な人気アニメーターであるジェフ・ダンバー、そして、子どもの本をこれまでに六〇冊以上も書いてきたイギリスの人気作家フィリップ・アーダーの三人がコラボレートして、生まれました。
子リスのウィラルは、お母さんのシュガーテイルと、村のみんなと仲良く平和に森で暮らしていました。ところがある日突然、ブルドーザーの大群が押し寄せます。森の木は倒され、仲間たちが逃げまどう中、お母さんが木の下敷きに……。
でも、最後にお母さんは、こんな言葉を残してくれました。
「夢の楽園アニマリアの国は、実在する島なのよ。本当にある国なの……」
そのアニマリアの国をめざして、ウィラルの冒険物語は始まります。
赤リスのウィルハミナとカエルのフロッゴ、ワニのグラディス、フクロウのスヌーズなど、この物語は、愛すべきキャラクターの動物たちが数多く登場します。子どもの頃からディズニー映画が大好きだったというポールならではでしょうか。そういえば、動物たちを支配する「毛のない猿」のグレッチは、「101匹わんちゃん」のクルエラに似てるかも?
みんなが平和で安心して暮らせる世界――みんながその気になりさえすれば、それを手に入れることは難しくない。そんなことを教えてくれる一冊です。
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