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『小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所』
秋本治原作  日本推理作家協会監修  大沢在昌他
紹介者  集英社 ジャンプコミック出版編集部
j-BOOKS編集部 編集長 野村武士さん

 
空前絶後の豪華アンソロジー

 「『こち亀』連載30周年記念企画として、ノベライズのアンソロジーを作れないでしょうかね?」と、週刊少年ジャンプ編集部の『こち亀』担当(当時)・中崎君から、私たちの編集部に打診があったのは、昨年(06年)3月。素晴らしい企画ではありますが、さてどんな先生方に執筆をお願いするか、お願いしたとしてお引き受けいただけるか、それが最初にして最大の問題でした。そのとき、頭に浮かんだのが「日本推理作家協会とのコラボ企画」というアイデア。理事長の大沢在昌さんとはおつきあいがあり、『こち亀』を読んでいらっしゃることも存じていましたので、検討くらいはしてもらえるだろう、と思いました。今から企画を進めたとして、おそらく単行本の刊行は翌年(07年)、日本推理作家協会の設立60周年記念にもなることだし、タイミングがいいじゃないか――これは編集部側の勝手な希望的観測でしたが(笑)。
 幸い、大沢さんにご相談した翌日が協会の理事会で、すぐに議題として検討いただき、その日のうちに、応諾の返事とともに参加メンバーのお名前もいただきました。正直、仰天しました。大沢さん、逢坂剛さんの新旧理事長を含め錚々たる人気作家が7人。まさに、望外の喜びでした。
 こうなったら、お祭りの一環として、作品はまず雑誌で発表しよう、と週刊プレイボーイ編集部に話を持ち込み、秋から連載、07年春に刊行、という枠組みを作りました。
 7人の先生方がご自分の個性を存分に発揮され、毎回毎回、編集者冥利につきる原稿受領でした。挿画を描いていただく秋本先生も、「自分では思いつかない話ですねえ」とおもしろがってくださり、描いたことがない街や小物などが次々に登場するのにも「調べるのは大変だけど楽しい」とおっしゃっていました。
 7本の短編は、題材も登場人物もさまざま、読み応えも十分です。人気漫画『こち亀』の世界を舞台に7人の人気作家が展開する「腕比べ」を、どうかお楽しみください。


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