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「ラジオ深夜便」に出ます!
この4月から毎月、第3日曜日の23時15分すぎから、NHKラジオ第1「ラジオ深夜便」で「わたしのおすすめブックス」始まります。
松田哲夫(まつだてつお)
1947年東京都生まれ。編集者。ブックコメンテーター。筑摩書房顧問。著書に『「王様のブランチ」のブックガイド200』、『印刷に恋して』、『「本」に恋して』など。4月より、NHKラジオ「ラジオ深夜便」にて「わたしのおすすめブックス」コーナーがスタート。
『真綿荘の住人たち』
島本理生
イチオシ!エンタテインメントとして一級の恋愛物語
 時の流れに取り残されたような木造二階建ての下宿アパート。まかない付き下宿の日常は、一見、心休まるユートピアのようにも見える。しかし、よくよく眺めていくと、一人一人の過去には、レイプ、DV、失恋など、暗い影があることがわかってくる。そういう傷跡を抱えながら、他人との繋がりをひたむきに求めていく住人たち。その結果、いい関係を結ぶことができた人も、そうでない人もいるが、誰しも、自分の傷跡を担うべき荷物だと自覚して生きていく。章ごとに、語り手や語り口が変わってゆくので、そこから人々の秘められた過去、望み薄い恋の行方などを垣間見ることができる。これまで、いろんな角度から恋愛を書き続けてきた作者だが、この作品では、ユーモアも交えながら、人と人との距離をていねいに描き、新しい感覚の恋愛物語を紡ぎ出した。
『天地明察』
冲方丁
ニューウェーブ時代小説
 大らかで伸びやかな一青年の爽快な成長物語。幕府上層部の権力争いや朝廷との駆け引きなど、艱難辛苦に直面してもめげずに、主人公は常にポジティブに前進していく。このお話が爽やかなのは、天文、算術、碁といった、揺るぎない大きな原理を見つめているからだろう。
『抱擁』
辻原登
古典作品の風格を持つ物語
 二・二六事件の衝撃もまだ冷めやらない昭和十二年。駒場の前田侯爵邸で小間使として働くことになった「わたし」と令嬢・緑子の周囲では、次々と妖しい異変が起こる。歴史小説に新風を吹き込む作者ならではの語り口で、その時代の濃密な空気感がひしひしと迫ってくる。
『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』
万城目学
楽しく笑い、ときどき涙
元気で好奇心旺盛なかのこちゃんと気高いメス猫マドレーヌ夫人、それぞれの世界が交わるとき、思いがけない出来事が発生する。大掛かりなスペクタクルではないが、日常のすぐ隣りには、楽しくてワンダーな世界が秘められていることを教えてくれる、愉快で感動的な物語。
『珈琲時間』
豊田徹也
コーヒーのように味わい深い
表情豊かな絵に加えて、コマ割りやストーリー展開なども鮮やかな短編マンガ集。コーヒーがいつも隠し味になっているだけあって、まろやかで香り高く、時に苦く、時に酸っぱい、風味満点なお話ばかり。どの一話にも、極上の映像作品を観たときのようなときめきを覚える。


 
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