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本屋大賞に『天地明察』(角川書店)
第7回大賞受賞の冲方丁さんはライトノベル出身、作品は時代小説なので、世代を超えて読者が広がるのではないかと期待されている。
松田哲夫(まつだてつお)
1947年東京都生まれ。編集者。ブックコメンテーター。筑摩書房顧問。大正大学客員教授。著書に『「王様のブランチ」のブックガイド200』、『印刷に恋して』、『「本」に恋して』など。
『1Q84 BOOK3〈10月─12月〉』
村上春樹
イチオシ!世界的な大傑作がここに誕生した!
 待ちに待った3巻、充実した読書時間を過ごしつつ、一気に読了することができた。どうやら、2巻の終わりが折り返し地点だったようだ。3巻では、これまでの物語を別の角度からていねいに見直していくことになる。青豆、ふかえりの女性陣はほとんど蟄居状態で、天吾くんだけがあちこち動き回っている。青豆と天吾を追跡する牛河というアクの強い人物も暗躍する。張りつめた緊迫感と程のいいユーモアに包まれて一気に読み進むと、鮮やかなエンディングに辿り着くことができた。今回、村上さんは「物語としての完結性」に力点を置いたのだろう。『海辺のカフカ』のように、未解決のものを読者に投げかけたまま作者は去る、という風にはなっていない。読者からすれば、一つの神話的な物語を十二分に満喫できるのだから、こんなに幸せなことはない。
『行くのか武蔵』
好村兼一
剣道の達人が描いた武蔵
 すでに書き尽くされた感じの剣豪の物語に、新しい光を投げかけた意欲作。武蔵の養父・無二を主人公に、武蔵の成長が語られていく。戦国乱世を生き抜き、剣術・兵法に磨きをかけた無二をそばに置くことで、武蔵の天才的な技能と汚れなき潔癖な人格が際立って見えてくる。
『モンスター』
百田尚樹
「美人とは何か」を問う
 醜いまでの容貌であるが故に、寂しく悲しい人生を送ってきた一人の女性。彼女は「整形手術」に目覚め、その果てに絶世の美女に変身する。そして、故郷の町に帰って……。かなり強烈なお話だが、ひたむきに「美」と「愛」を求める主人公の姿には感動すら覚えるのだった。
『真昼なのに昏い部屋』
江國香織
童話風の背徳的恋愛物語
満ち足りた毎日を過ごしている主婦が、浮世離れしたアメリカ人の先生と知り合い、散歩友だちとして、昼下がりのひととき、おしゃべりに夢中になる。そういう二人の気持ちが近寄って、ついに……。美しい人妻の背徳的な恋愛が、童話のような優しい語り口で綴られていく。
『ちづかマップ』
衿沢世衣子
可愛らしい「地図女」登場
 「尋ね人探し」のお祖父ちゃんに代わり、十六歳の女子高校生・鹿子木千束が依頼を受け、町を歩き回る。古地図が大好きな千束は、浅草花やしきのようなレトロ・スポットを巡ったり、工事現場に出現する新書体「修悦体」の謎を探ったり、好奇心のおもむくままに歩き続ける。


 
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