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筑摩書房ありがとう!
6月末で「筑摩書房顧問」を退任。1969年に嘱託として働き始め、社員、役員、顧問と41年間、楽しく本作りに携わることができた。
松田哲夫(まつだてつお)
1947年東京都生まれ。編集者。ブックコメンテーター。大正大学客員教授。著書に『「王様のブランチ」のブックガイド200』、『印刷に恋して』、『「本」に恋して』など。
『小暮写眞館』
宮部みゆき
イチオシ!最後には深い感動が響き渡ってくる
 シャッター商店街にある「小暮写眞館」。このお店を買って住みついた花菱一家と友人たちの物語。花ちゃん、ピカちゃん、テンコちゃん、コゲパン……登場するのは、ちょっと風変わりだけど愛すべきキャラクターばかり。彼らのユーモラスな日常が、軽妙な会話と共に描かれていく。ある日、主人公のもとに心霊写真が届く。そこに秘められた謎を解くうちに、人々が抱えている心の傷が少しずつ明らかになって……。宮部さんはこれまで、数多のドラマティックな物語を書いてきた。ところが今回は、大きな事件や犯罪が起きない七一三ページの大作に挑んだ。そして、優しさをとことん貫き通して、この素晴らしい物語を描ききった。そのおかげで、最後の百ページ余りの、たたみ込むような展開には、圧倒され、翻弄され、深い感動が心の底から響き渡ってくるのだった。
『パスタマシーンの幽霊』
川上弘美
奇妙な味の掌編小説集
 いんちき霊感商法のための石を拾う女がいたり、別れた男のおばあさんの幽霊が憑いてきたり、コロボックルとの叶わぬ恋に悩んだり、どういうわけか続かない恋ばかりだったり。この世の中、ちょっとぐらいヘンテコでも、それなりに楽しく生きてゆけそうな気がしてくる。
『遍路みち』
津村節子
深い深い悲しみを掬い取る
 端正な文体で女性心理の機微を描いてきた津村さんの最新短編集。ご主人である作家吉村昭さんが亡くなられる前後のことが書かれている。長い時を共に過ごしてきた大事な人を失うということ。その深い悲しみが抑制のきいた筆致で綴られ、読者の胸にひしひしと迫ってくる。
『最後の七月』
長薗安浩
ひと夏限りの切ない冒険
障害を抱えた友だちと対等につき合おうとする子どもたち。でも、彼らの絆は他の町に移り住むことで断ち切られてしまう。引っ越す子どもたちは、残される子どもに、最初にして最後のプレゼントを贈ろうと思い、森の中へ踏み込んでいく。切なくも懐かしい少年たちの物語。
『名も知らぬ遠き島より』
山口智子
躍動感あふれる美術の旅
 異国に流れ着く椰子の実のように、ある島を旅立った「文化」は出会った土地で美しい花を咲かせる。女優・山口智子は、日本と世界を結ぶ旅の軌跡を発見し、その驚きを文章に刻みつける。読み進むあなたは、美術作品に注ぐ眼差しが微妙に変化していくことに気づくはずだ。


 
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