イチオシ!
七人の男女が直面した衝撃的な事実とは?
まず、サスペンスタッチの導入部分に引き込まれる。七人の男女は幼い頃、毎年サマーキャンプに参加していたが、ある年、突然中止になる。成長していく彼らは、「あの集まりは何だったのか?」という疑問を抱く。やがて、その謎は解かれるのだが、そこから七人の苦悩が始まり、さらにスリリングな展開を迎える。そして、彼らが直面した重いテーマは、人間にとって普遍的な問題であり、これまで当たり前だと思っていたことがズシリとのしかかってくる。でも、登場人物たちは人間的な魅力いっぱいで、決して希望を忘れない。そういう姿勢が、この物語を風通しのいいものにしている。だから、読了したとき、目頭が熱くなり爽やかな涙が流れてきた。『八日目の蝉』、『森に眠る魚』と、子どもを産み育てることの意味を問い続けてきた角田さんが到達した新境地。 |