全国書店ネットワーク e-hon
総合 本 雑誌 CD・DVD マイホームページ
 本のこだわり検索へ
新刊 予約 ランキング 文学賞 オススメ商品

木内昇さんおめでとうございます!
第144回芥川賞・直木賞は両方W受賞で賑わいました。私としては、応援してきた木内昇さんの受賞がことのほか嬉しいものでした。
松田哲夫(まつだてつお)
松田哲夫(まつだてつお)
1947年東京都生まれ。編集者。ブックコメンテーター。『中学生までに読んでおきたい日本文学』(あすなろ書房)を編集中。著書に『印刷に恋して』、『「本」に恋して』など。
『木暮荘物語』
三浦しをん
イチオシ!リアリティと作り話の配分が絶妙です
 小田急線世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年のオンボロアパートには風変わりな住人が集い……と、こう書き出すと、よくある貧乏長屋の心温まる人情劇だと、誰でも思うでしょう。でも、その予想は見事に裏切られます。だって、ひとりひとりの正体や本音が露出してくると、どの人物もアブナイ人、アヤシイ人ばかりなんですから。それも、性的なことや男女関係にかかわっているのだから困ったものです。でもでも、もっとよくつきあってみると、実はそれなりにいい奴だったりするんです。だから、最終的にはほのぼの人情ドラマに行き着くんですね。入り口と出口は一緒でも、その間にはとんでもないことが起こっているというわけです。この若さで、こんなに円熟した物語を生み出すことができるしをんさん、これからもバリバリ楽しい作品を書いてくれそうですね。
『聖夜』
佐藤多佳子
美しい楽の音が生まれるとき
 オルガンを通して自分を表現しようとする、不安定だけど前向きな少年少女たちが主役です。彼らの切ないまでの思いが、奏でられる音楽にあわせて読者の胸に響き渡ってきます。対になる音楽小説集『第二音楽室』とあわせて読むと、さらに深く心が揺さぶられるはずです。
『蜜姫村』
乾ルカ
爽やかな読後感のホラー小説
 生物学者山上と妻和子は、研究のために分け入った山奥の村で、人々の健康な姿に違和感を覚えます。そして、この村の恐るべき秘密が明らかになるにつれて、凄惨な出来事が次々に起こります。それでも、この小説にはポジティブで明るいエンディングが待っているのです。
『文士の舌』
嵐山光三郎
健啖、偏食、悪食なんでもあり
 玉子焼き、洋風かきあげ、鯛の潮汁、鰻の蒲焼、牛鍋……文士たちの食べっぷり、飲みっぷりは興味深いものです。森鴎外、夏目漱石から向田邦子、開高健まで二十四人の食をめぐるとっておきのエピソードとゆかりの名店を紹介。食べたくなる、読みたくなるエッセイ集です。
『清冽 詩人茨木のり子の肖像』
後藤正治
しなやかに言葉を紡いだ人
 「自分の感受性くらい」、「倚りかからず」など、この時代を生きる人々の心に深く響く詩を遺して逝った茨木のり子さん。彼女は、自分自身の弱さや深い悲しみもうちに抱えながら、すっくと力強く立っていた。その生涯と暮らし、言葉を紡いできた歩みをたどる類い稀な評伝。


 
運営会社概要 プライバシーポリシーについて

 本のこだわり検索へ
Copyright©2000 TOHAN CORPORATION