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筑摩書房 それからの四〇年
永江朗さんが活写する倒産と再生のドラマ。出版の世界に興味をおもちの方には抜群に面白い本です。私もちょこちょこ登場します。
松田哲夫(まつだてつお)
1947年東京都生まれ。編集者。ブックコメンテーター。『中学生までに読んでおきたい日本文学』シリーズ(あすなろ書房)が刊行中。著書に『印刷に恋して』、『「本」に恋して』など。
『純平、考え直せ』
奥田英朗
イチオシ!せこいちんぴらが青春まっしぐら!?
 坂本純平は二十一歳、新宿の歌舞伎町を根城にしているちんぴらやくざです。向こう意気だけは強いけれど女には弱い、かなり時代遅れのキャラです。そういう純平に、親分は、対立する組の幹部を狙撃する鉄砲玉になれと命じます。小遣いとして大金を貰い、残された三日間、自由に使っていいことになりました。高いホテルに泊まって、美味しいものを腹一杯食べて……。その上、尻軽な女の子と仲良くなったり、へんなジジイや悪徳警官に見込まれたり、思いっきり青春まっしぐらという感じです。一癖も二癖もある脇役たちにもり立てられながら、ネット上の野次馬たちの盛り上がりを尻目に、純平はターゲットに向かって突き進みます。せこいちんぴらのお話が、いつの間にか爽快な青春ストーリーに大変身。テンポの良い語り口に引き込まれる、これぞ奥田マジック。
『伏 贋作・里見八犬伝』
桜庭一樹
軽快なテンポの伝奇ロマン
 伏姫と愛犬八房の間に生まれた犬人間「伏」の壮大な悲劇が描かれていきます。江戸時代、歌舞伎や遊廓など闇の社会に潜む「伏」は狩られる対象となります。そして、彼らを狩る腕利きの少女猟師浜路との心のふれあいを通して、半獣半人の悲しみが切々と伝わってきます。
『きことわ』
朝吹真理子
五感に静かにひびく言の葉
 子供のころ、葉山の別荘で夏をすごした二人の女性が、二十五年を経て再会します。とりたてて大きな事件も激しい感情の起伏もありません。でも、五感に静かにひびく言の葉が、心の奥底をそっとなでていったような、限りなく懐かしい気持ちになります。芥川賞受賞作です。
『田辺聖子の古典まんだら(上下)』
田辺聖子
古典の世界に遊びにおいで
 日本の古典文学を読めば、そこには楽しく豊かな世界があることはわかっていても、なかなか手が出ません。そういう読者には、格好の入門書であり、コンパクトに楽しめる本です。古典に深い見識をおもちの田辺さんが、優しく語りかけるように、私たちを導いてくれます。
『清冽 詩人茨木のり子の肖像』
後藤正治
とことんナイーブな取材者
 著者は、TVドキュメンタリーで取材したヘンテコ人間に再会する旅に出ます。白人至上主義者、UFO信奉者、ポルノビジネスの人など、彼らの情熱の源がどこにあるのかわかりません。でも、ヘンテコ人間がいる限り、まだまだ世界は大丈夫だと思えてくるから不思議です。


 
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