本、雑誌、CD・DVDをお近くの本屋さんに送料無料でお届け!


『中学生までに……』6万部突破!
私が編者の『中学生までに読んでおきたい日本文学』(全10巻)は、おかげさまで好評です。重版が続き、累計6万部突破しました。
松田哲夫(まつだてつお)
1947年東京都生まれ。編集者。ブックコメンテーター。『中学生までに読んでおきたい日本文学』(あすなろ書房)が完結した。著書に『印刷に恋して』、『「本」に恋して』など。
『ばんば憑き』
宮部みゆき
この子たちに幸あれと祈りたくなる
 宮部さんの怪談話では、いつも子どもの姿が印象的です。とりわけ、この作品では、子どもたちがいきいきと活躍しています。少年探偵団顔負けの活躍をするいたずらっ子三人組がいるかと思えば、おしゃまな七歳の少女は、神社の狛犬さんから怪物退治の方法を教わってきます。もうひとりの七歳の少女は真顔で「父さまは、よく化ける猫はお嫌いですか」と問いかけます。無垢でひたむきな子どもを前にすると、大人はもちろん、妖怪だろうが神様だろうが、ついつい気を許してしまうのでしょう。でも、登場してくるのは恵まれた子どもばかりではありません。虐待され殺される子どももいます。そういう、いびつな世の中や歪んだ大人の犠牲となった子どもたちの痛ましい姿も、宮部さんは見つめ続けます。ほほえましいドラマの裏にあるものを決して忘れないのです。
『円卓』
西加奈子
活きのいい言葉が主役の小説
 主人公は小学三年生、八歳のこっこです。家族や友だちの温かい眼差しに包まれて、幸せに暮らしているのですが、本人は不満で一杯です。彼女の中に生まれ育っている屈折した思いを親友にぶつけていきます。さまざまな葛藤の末に、言葉を解き放つラストシーンが素敵です。
『身体のいいなり』
内澤旬子
身体の声に耳をすませて
 もともと身体が弱かった著者は、三十八歳で乳ガンを告知され、何度もの手術を受けました。そういう経験を経て、自分は「身体を極限まで無視して生きてきた」ことに気づき、「身体のいいなり」になろうとします。そうしてはじめたヨガのせいか、体調が良くなったそうです。
『装丁問答』
長友啓典
装丁がいい本は中身も面白い
 「装丁はラッピングじゃない」と言い切る長友さん。ベテランのブックデザイナーで、いろいろな本の装丁を手がけています。そういう彼が、本屋さんをまわり、装丁の素敵な本を「ジャケ買い」します。折々の話題の本をサカナに、装丁の見どころを親切に教えてくれる一冊です。
『さよならもいわずに』
上野顕太郎
悲しみを描ききったコミック
 ギャグ漫画家である著者が、奥さんの急死を克明に描いたドキュメントコミックです。リアルな描写の間に、底知れない悲しみや喪失感を表すシュールな絵が登場するなど、漫画でしか表現できない心象風景が鮮烈で、「このマンガがすごい!2011」オトコ編3位に輝きました。


 
運営会社概要 プライバシーポリシーについて

 本のこだわり検索へ
Copyright©2000 TOHAN CORPORATION