トークショーを楽しみました!
あすなろ書房の「哲学」シリーズのパブリシティで、南伸坊さん、角田光代さん、三遊亭圓橘さんとそれぞれ公開対談しました。
松田哲夫(まつだてつお)
1947年東京都生まれ。編集者。書評家。「週刊ポスト」で「松田哲夫の愉快痛快人名録 ニッポン元気印時代」を連載中です。著書に『印刷に恋して』、『「本」に恋して』。
イチオシ!幕末の江戸が立体的に見えてくる
第一線のミステリー作家、真保裕一さんによる時代小説です。時は幕末、安政二年十月二日、直下型の大地震が江戸を襲います。この緊急事態に際して、主人公である見習い同心・大田虎之助は、臨時の市中見廻り役を命じられます。大地震とその後の混乱した状況下で、抑えていた感情が噴き出したり、便乗して悪事を企んだり、どさくさ紛れに逃亡を図ったり、不慣れな虎之助に次々と難問が降りかかってきます。それでも、頼りがいのある岡っ引き松五郎たちに助けられて、事件の真相を突きとめ、人情味あふれる決着をつけていくのです。幕末、大地震という大きなドラマ、江戸で暮らす武士や町人のドラマ、個別の犯罪や事件にかかわるドラマとが重なり合って、ある時代とそこに生きる人々の姿を立体的に映し出してくれる、見事な出来映えの時代小説です。
みんなの心の中に長嶋がいた
この小説は、巨人軍の長嶋茂雄が現役でバリバリ活躍していたころのお話です。主人公のノブオくんは小学五年生の野球少年です。彼には、次々と災難やつらいことが襲いかかってきます。どんなにつらくてもノブオくんは、長嶋を心の支えにして、明るく生きていくのです。
エッセイもこんなにおもしろい
料理雑誌に連載された身辺雑記的なエッセイなのですが、随所に物語の萌芽が垣間見られます。ある春の日に遭遇したストーカーの話、やめられない止まらない食べ物の話、料理とモテは無関係という大発見の話、どういうわけか人から物を貰うことが多いという話、などなど。
おもしろくて役に立つ本です
読み出してすぐに、おかしな失敗談があって、思わず噴き出してしまいました。雑誌やテレビで数多くのインタビュー・対談を経験している阿川さんが、しくじったこと、楽しかったことなど、とっておきの逸話を披露しながら、話を聞くときに大事なことを教えてくれます。
家族の温もりが伝わってくる
テレビ番組がきっかけで本になった九十三歳のおじいちゃんの絵日記です。特別に大事件は起こりませんが、この人の家族の人生や暮らしが活き活きと描かれています。ほのぼのとしたヘタウマっぽい絵がいい味を出しています。昭和・平成の庶民生活資料としても貴重ですね。