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百田尚樹さん受賞おめでとう!

第十回本屋大賞は、百田尚樹さんが、4回目の候補作『海賊とよばれた男』上・下(講談社)で獲得。ファンとしては嬉しいニュース。

松田哲夫(まつだてつお)

1947年東京都生まれ。編集者。書評家。「週刊ポスト」で「松田哲夫の愉快痛快人名録 ニッポン元気印時代」を連載中です。著書に『印刷に恋して』、『「本」に恋して』。

夢を売る男

『夢を売る男』

百田尚樹

イチオシ!出版の世界を舞台にしたピカレスク・ノベル

『海賊とよばれた男』で見事に第十回本屋大賞に輝いた百田尚樹さんの最新作です。この作品は、自費出版の世界を舞台にした痛快なピカレスク・ノベルです。自費出版会社の編集部長を務める牛河原は、本を出したい素人を、巧みな話術でその気にさせて高めの「出版費用」を巻き上げます。物語の展開は、詐欺まがいの商法をコミカルに描いた作品のようです。しかし『夢を売る男』は、そうそう単純な作品ではありません。自費出版の世界の暗部をえぐり出すとともに、返す刀で文芸出版の現状をも暴き出して見せるのです。現実に起こった出来事などを素材にして、あくまでもエンターテインメントとして書かれた作品ではありますが、作者の小説への深い思いは半端ではありません。肉を切らせて骨を断つ覚悟を、小説好きの読者はぜひ感じとってほしいものです。

コミカルな女性検事物語

東京下町の豆腐屋生まれで、子供の頃から正義感が強い女性検事凛々子を主人公にした、コミカルでシーリアスなお仕事小説です。同僚や先輩、事務官や刑事、そして家族に支えられて成長していく凛々子が、「冤罪」を引き起こしたとして渦中に置かれる日々がやってきます。

藝人春秋

『藝人春秋』

水道橋博士

含蓄のある芸談と鋭い芸人論

そのまんま東、古舘伊知郎、ポール牧、稲川淳二から松本人志、北野武まで、芸能界を彩る巨人、名人、怪人が一堂に会する前代未聞の現代芸人論。お笑い芸人としてテレビの時代を生き抜いてきた彼らの言動や振る舞いを通して、芸人たちの複雑怪奇な実像が垣間見えてきます。

のんびりしみじみ紡がれた言葉

作家でありシンガーでもある竜二は、故郷の町に戻り、拾ってきた猫のミーちゃんとふたり暮らししています。筆の進まない小説に取り組みながら、生きること、死ぬこと、この世の中のことなどをぼんやりと考えているのです。この世の片隅で紡がれたささやかな思索の物語。

一人一人に親しみを感じる肖像画

文藝春秋のPR誌「本の話」、その表紙を十七年間飾り続けた山本容子さんの銅版画の数々。その後半の十年分が一冊の本にまとまりました。山本さんが興味を持っているクリエーターへのオマージュとして描かれたポートレートは、みんな人なつっこい、いい表情をしています。