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「哲学」のシリーズが好評です

私が編集した『中学生までに読んでおきたい哲学』(あすなろ書房)は全8巻完結後も売れ続け、版を重ねて8万部を突破しました。

松田哲夫(まつだてつお)

1947年東京都生まれ。編集者。書評家。「週刊ポスト」で「松田哲夫の愉快痛快人名録 ニッポン元気印時代」を連載中です。著書に『印刷に恋して』、『「本」に恋して』。

イチオシ!めくるめく京都宵山万華鏡の世界

森見さん、三年ぶりの長編小説です。主人公は、「何もしない、動かない」ことをモットーとする社会人二年目、最強の「怠け者」小和田君です。彼は、ある日、正義の味方「ぽんぽこ仮面」なる怪人から「跡を継げ」と迫られました。一方では、「ぽんぽこ仮面」を追いつめていこうとする怪しげな秘密組織の暗躍も始まります。京都の夏、祇園祭の宵山の一日、祭りの喧噪を縫うように、町中のあちこちでは、乱痴気騒ぎと意味不明の追跡劇が繰り広げられます。一体、誰が味方で誰が敵なのか、皆目わからないままに、たよりない浦本探偵と助手の週末探偵玉川さん、陽気なアベック、恩田先輩と桃木さんなど素敵なキャラクターも乱入してきます。これまでの作品と繋がるエピソードも盛り込まれ、ひときわスケールアップした森見ワンダーランドを満喫できました。

立花隆の書棚

『立花隆の書棚』

立花 隆
薈田純一

書棚は持ち主の知的歴史の断面

六百五十ページのうち図版が百九十二ページで、どこまでも書棚の写真ばかり、写真家の精密書棚撮影術の成果をじっくり眺めているだけでも楽しい一冊です。その上、二十万冊もの膨大な量の本の所有者である「知の巨人」が語る、本にまつわる話にも興味をそそられます。

ステーキを下町で

『ステーキを下町で』

平松洋子
谷口ジロー

日本各地の美味しいもの

帯広の豚丼、三陸のウニ弁当、風間浦の鮟鱇鍋など、胃袋のおもむくまま、味覚の喜びを求めて食べ歩く、臨場感溢れる描写に、よだれが溜まってきます。また、それぞれの食べ物の由来が語られたり、料理人の心意気が伝わってきたり、そういう面でも味わい深いエッセイです。

水の手紙 群読のために

『水の手紙 群読のために』

井上ひさし
萩尾望都

「わたしたちは水です」

渇水、川や湖の消滅、地下水汲み上げ、地球温暖化、酸性雨、水争い……水惑星・地球の各地から、水の大切さを訴える手紙が届きます。世界の水はひとつにつながっているのだから健やかであってほしいと願う群読劇に、萩尾望都さんが素敵なイラストを添えてくれました。

包帯クラブ

『包帯クラブ』

天童荒太

心の傷に包帯を巻いてみよう

東日本大震災、いじめや虐待の深刻化などの現実を目の当たりにした私たちに、今こそ必要な物語です。作者も、文庫化にあたって、もっと深く面白いものにしようと、大幅に手を入れています。さらに、人気漫画家五十嵐大介さんの力強く美しい装画・挿絵が目をひきます。