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アンソロジーの楽しい入門編です!

ぼくが編者の新シリーズ『小学生までに読んでおきたい文学』(全6巻・あすなろ書房)がスタート。鈴木成一さんの装幀が素敵。

松田哲夫(まつだてつお)

1947年東京都生まれ。編集者。書評家。10月に「週刊ポスト」連載「松田哲夫の愉快痛快人名録 ニッポン元気印時代」が全70回をもって終了。著書に『印刷に恋して』、『「本」に恋して』。

流星ひとつ

『流星ひとつ』

沢木耕太郎

イチオシ!驚きに満ちたノンフィクション

 この作品は、地の文が一切なく、ふたりの対話だけで成り立っています。かたや、二十八歳で歌手を引退するという藤圭子さん、かたや、大宅賞を受賞し、『一瞬の夏』を執筆中の沢木さん、三十一歳。驚くべきスピードでスターへの階段を駆け上っていったひとりの女性の人生を、本人が飾りけのない言葉で語っています。そして、それを受けたインタビュアーの絶妙な反応が、藤さんの苦しみと哀しさをくっきりと浮き彫りにしているのです。ところで、この作品は三十三年前に完成していたにもかかわらず、諸般の事情によって封印されました。その封印が、藤さんの自死がきっかけとなって解かれました。藤さんの悲しい最期があったことで、ぼくたちはこの作品を読むことができたのです。本を閉じた後に、読者としての幸せを複雑な思いで噛みしめています。

心にしみる「小さなしあわせ」

大切な人の笑顔、心のこもった手料理、町と人をつなぐ鉄道……ここでは、人びとが日々の暮らしをていねいに営んでいます。彼らが手に入れた「小さなしあわせ」の物語が、わたしたち読者の心を温めてくれます。人気時代小説シリーズ「みをつくし」の作者の現代小説です。

悪条件だからこそ燃え上がる

青石花笑は、彼氏いない歴&処女歴三十三年のOL。誕生日の夜に処女喪失、十二歳年下の大学生との初めての恋が始まりました。花笑は同年代のイケメン若手CEOからもプロポーズされたり、これからの展開が楽しみです。各巻四十万部前後売れている大ヒットコミック。

日本人の自然感覚の豊かさ

「一年を十五日ごとにわけて季節を表したのが『二十四節気』。それをさらに、五日ごとにわけたものが『七十二候』。中国由来の、でも日本の気候に合わせられた暦です」。大田垣さんがお子さんと一緒に、移り変わる季節の暮らしをイラスト入りで楽しく紹介してくれます。

ねこはい

『ねこはい』

南 伸坊

のーんびり気分になれる本

伸坊さんは、いろんな人の「本人」になるのが得意ですが、この本では「じぶんが ねこだったら/どんなかな とおもって」、すなわち「本ねこ」になって俳句を詠んでいます。絵も楽しい本ですが、ぼくは「おおぞらに/くもひとつなき/ひるのつき」という句が好きです。