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7月8日〜7月20日の間、全国の書店員さんが書いたレビュー(書評)に対する人気投票イベント「書店レビュー コンテスト」を実施し、多くの一般読者の方からご投票いただきました。

投票イベントの対象となったレビューは計10件。さて、どんなレビューが1位になったのでしょうか?ご投票 いただいた方の感想とともに発表いたします。

本好きな方なら共感できる部分が多々あるはず。ぜひ、覗いてみてください。

※順位は上位3レビューだけ発表しております。それ以外の順位は非公開とさせていただきます。

 
住所 鳥取県鳥取市末広温泉町164
電話 0857-23-7272
営業時間 10:00 〜 19:00
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『砂の器』
今井書店鳥取駅前店のレビュー

「探偵気分で読まないで!!日本一哀しい推理小説ここにあり」


私が数ある清張作品の中で、何度も何度も読みかえした“再読記録
No1”の作品。
東京。蒲田駅の車庫で男性の死体が見つかる――。
ベテランと若手刑事のコンビが執念の捜査で、徐々に真相に近づいていく。と清張度100%の推理小説。
ひとりの青年の哀しい人生。捨ててしまいたい、忘れてしまいたい過去。
未来への希望。功名心。どんな犠牲をはらってでも幸せになりたい。
そんな気持ちが痛々しい程伝わってきます。そしていつも読み終えた後には「砂の器」という題名が心に重くのしかかってきます。
映像で見た人もぜひ読んで自分の心にこの悲哀を映して下さい。
ラストでのベテラン刑事今西が若手刑事吉村へかける言葉が何よりの救いです。
投票者の声
   
 
まず、再読記録No1という言葉に説得力あり。私も過去に映像で観た事もあるし、ほとんどの人が耳にしたことのあるこの作品を知っているつもりになっていたが、再度しっかり読みたいなと思わせるレビュー。(40代・女性)

探偵気分で読まないで!にぐっときました。それは私の事だから(汗)
これはドラマでしか観た事がありませんが、レビューを書いた方が何度も読んだ、と聞くと、ドラマより面白いのかな?と興味が沸きます。(30代・女性)

歯切れの良い言葉で、人の一生の苦悩を表現していると思う。
作品における最後の言葉を知りたくなり、自分なら、どのように言うのか、想像してみたい気分になった。(男性)

あらすじを上手く案内しつつ、ネタバレはしていない。読後感が気になって、読んでみたくなる。(20代・女性)

難しい言葉などを使わず、あくまで自分が感じだことをベースに書かれた書評に、好感を持った。(30代・女性)
 
   
住所 神奈川県相模原市松ケ枝町17−1イトーヨーカドー相模原店3F
電話 042-765-3935
営業時間 10:00 〜 22:00
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『お伽草紙』
竜文堂相模原店のレビュー

「文学を忘れたすべての大人たちへ、今ひとたびの太宰治!」


学生の頃、太宰をチラッと読んだけどそれっきり。『何と無く暗い作家』と思っているだけの人は多いんじゃないでしょうか?“今更、太宰なんて!”と思っているアナタにぜひ読んで頂きたいのがこの『お伽草紙』です。浦島太郎・カチカチ山など誰もが知っている昔話が、太宰による皮肉やユーモア、心理描写によって、大人の小説へと生まれ変わっています。個人的には味わいキャラの亀が登場する『浦島さん』が気に入っています。この話の面白さは、学生よりも、人生経験を積んだ大人こそがわかるはず!太宰は、暗いとか、ペシミズムだけの作家ではありません。文学なーんてと思っている、大人たちよ、今ひとたびの太宰治を!
投票者の声
   
 
学生よりも人生経験をつんだ大人に読んで欲しい、このコメントに惹かれて是非とも読んでみたくなりました。 (30代・女性)

「文学を忘れたすべての大人たちへ、今ひとたびの太宰治!」というタイトルに興味を持った。(20代・女性)

まさに「学生の頃、チラッと読んでそれっきり」である私にぴったりのレビューでした。
「何と無く暗い」だけではないらしいという話は漏れ聞いていたものの、今更どの作品を選べばいいのかもわからない。そういう太宰初心者は、私も含めとても多いのではないでしょうか。
また、私的な批評というよりも人に関心を持たせることに重点を置いた文章にも好感を覚えました。近い内に、『お伽草子』読んでみます。(20代・女性)

文章が長くなく、短くまとめられているので、レビューとしてふさわしいのではないかと思いました。私自身、あまり本に興味を持てないのですが、このレビューを見て、本を読んでみたくなりました。(60代・男性)

 
   
住所 千葉県千葉市花見川区花園1−21−1
電話 043-271-1771
営業時間 9:00 〜 23:00 休日22:00まで
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『走れメロス』
BOOKSワールド花園店のレビュー

「30年ぶりの走れメロス」


約30年ぶりに読んだ「走れメロス」は、以前読んだ時とは違う感想を抱かせた。
自分の信念や友情を貫く事は理想だが、果してこの物語のように現実においてそれができるのだろうか。
現在の自分のまわりをみても、友人との間にはどうしても損得を考えてしまう部分があって、ましてや自分の生命がかかっている局面で友情を守り通す事ができるのだろうか。
この本は、自分の信念を貫き通すこと、そして理想の友情の在り方を教えてくれる励ましの1冊です。
投票者の声
   
 
何よりも「30年ぶりの走れメロス」と題した点がよいと思います。中年になって、若いころを思い出し、もう一度手にとって見ようか・・・との気にされられました。 (40代・男性)

かれこれ25年ほど前、小学生の頃、教科書で読みました。メロスの困難に挫けない強い心、親友を思う心に感動を覚えた記憶があります。
レビューにもありましたが、今、年齢を重ねてから読むとどんな気持ち、感想を持つのか自分のことながら興味がわきました。今度書店に行った時には、懐かしい「走れメロス」を新鮮な気持ちで手にとってみたいです。(30代・女性)

走れメロスって教科書に載っていたけど、どこが名作なのかさっぱり分からなかった。でも年なみに経験を重ねた今なら、その良さがわかるかも?と思った・・・(40代・女性)

中学生の頃に読んだきりだった「走れメロス」。私もまた、30数年ぶりに読んでみようかとおもわせてくれたレビューでした。(40代・男性)

 
   
▼その他のエントリーレビュー
その他のエントリーレビュー計7件は以下にご紹介します。
僅差で人気レビューベスト3を逃しましたが、いずれも気持ちのこもった熱いレビューばかり。こちらも是非ご覧下さい。
ABBY CUORE松井書店のレビュー ⇒書店ホームページを見る
『点と線』
「点と線 その時代と今を比べて読むと面白い」

松本清張と聞いてまず頭に浮かぶものは 霧・闇・列車・雨といったちょっとミステリアスを思い浮かべる。
「点と線」数十年前サラリーマン時代に一度読んだことがあるが、正直面白いと思った印象が無かった。今回また読ませて頂いて年と共に感じ方が変わった。

この時代の風景のギャップである。まず昭和の高度成長期の時期、列車・寝台車 東京から博多まで数十時間をかけての旅である日本がとても広く感じる。今なら数時間で行ける距離、また電報の手段も使っている。

今では 携帯・パソコンインターネットと通信手段がとても便利になっている。さらに井戸冷しのビールなどの言葉。時代背景がよくわかる。点と線 博多での男女2人の自殺を殺害と断定し北海道にいた容疑者のアリバイをどうやって崩していくのか、どうやって点を線でつなぐかに面白さが増してくる。この推理小説は、さらに奥が深くそこにうごめく人間の欲が見えてくる。平成生まれの若い世代にも昭和の時代を想像してもらいたい、お勧めの1冊である。
投票者の声
   
 

「硬派」というイメージばかりが先行する松本清張とその作品世界。しかし、この作品を「携帯のない世界で、列車に乗って日常から完全に自由になる旅の情趣」や、「高度成長を経て破壊される前の、旧き善き日本の風景」「季節感豊かで、美しい昭和の文化」などの点にも注目して読んで欲しい、と呼びかけているレビューに、清張作品の新たな魅力に気付かされました。(30代・女性)

「平成生まれの若い世代にも昭和の時代を想像してもらいたい、お勧めの1冊である。」という一文に惹かれました。
昭和生まれの自分の世代も、若い人たちも、昭和の香りを体感できそうでグッときました。(30代・女性)

背景となっている、「古き良き昭和の文化」に感性をくすぐられる。(40代・男性)

 
   
啓林堂書店郡山のレビュー ⇒書店ホームページを見る
『ヴィヨンの妻』
「ユーモア小説の名手」

「とにかくそれは、見事な男であった。あっぱれな奴であった。好いところが一つもみじんも無かった。」と、太宰治ならではの切り口で始まる「親友交歓」小学校時代の同級生(親友)が、ありったけの無礼・無作法で主人公を振り回したあげく最後のオチで加害者だったはずのこの(親友)が一転、被害者になりすます!(極度の被害妄想)こんなコントの様な展開に今までの太宰治のイメージが覆る人もきっと多いはず!太宰といえば「暗い」「重い」といった固定観念がありますが、「人を喜ばせることが、何よりも好きであった!」という太宰治は、こうゆうユーモア小説の方が天才的な力を発揮していた!と思わせてくれる作品です。
投票者の声
   
 

太宰治とユーモアが結びつくのか興味が湧いてきました。お話が面白くて、さらに作者への関心を引き付ける…(40代・男性)

お店に伺ったことがあります。親しみやすさもあり、お店の顔がわかることから。
以前読んだ本ですが、コメントから再読してみようかという気持ちになりました。佳い本はいくつになってもいいものです。
(30代・女性)

「ユーモア小説の名手」という最初のキャッチフレーズにまず惹かれました。私の中で若い時に読んだ太宰治はおもしろいイメージではなかったので、今読んだらおもしろいと思えそうな気がして…(40代・女性)

 
   
啓林堂書店西大寺店のレビュー ⇒書店ホームページを見る
『眼の気流』
「急展開!」

第一編「眼の気流」。タクシー運転手、末永は、人を見下す人間味のない客二人を乗せてしまい、心にしこりを残す。しかし、偶然にも遠く離れた地で、再びそのうちの一人を乗せる事になる。密かに仕返しを企む末永の心理描写がとてもリアルで、力を入れて応援してしまう。だが、一人のベテラン刑事の出現により、一変。一気に事件性が濃くなり、推理が始まる。
 表に出る憎悪(−運転手の場合−)と、出ない憎悪(−刑事の場合−)。この温度差がたまらない!!他四編収録。
投票者の声
   
 

簡潔にして、読みたくなる紹介文で、いいなあと思いました。表に出る憎悪と出ない憎悪、にグッときました。(30代・男性)

運転手の日常性の中に潜む憎悪と報復の連鎖感情は、同時にごく一般的なものでもあると思いますが、この辺のニュアンスをレビューは旨く表現していると思います。(50代・男性)

簡潔な表現にも関わらず、この後どうなっているんだろう?と一気に心をつかまれた。(10代・女性)

 
   
札幌弘栄堂書店パセオ西店のレビュー ⇒書店ホームページを見る
『パンドラの匣』
「生きるということ」

友への手紙という形式で進められる日常の描写は、代名詞ともいえる『人間失格』や『桜桃』にある、暗さ・重さとはかけ離れています。
しかしそこは太宰、最初の一節を読んだだけで一抹のせつなさを予感させるのはさすが。
タイトル『パンドラの匣』の意味、「口が開いたパンドラの匣の隅にある、けし粒ほどの希望」がこの話の主題なのだと明確に読者に示しています。
常に隣り合わせにある「死」について徹底的に考え抜く、それこそが彼にとって「生きる」ことなのだということ。
決して暗い話じゃない、どんな苦境にあろうともそこには必ず「希望」がある。
「太宰」らしくない作品といわれるかもしれませんが、へこんだ時に読むと意外と励まされる、忘れられない一冊です。
投票者の声
   
 

「人間失格」を途中挫折していて、抵抗感が拭えないままでした。
が、この「パンドラの匣」のレビューは太宰云々抜きで単純に興味を持てました…(40代・男性)

死について考えることが彼にとって生きること、という文面に惹かれて、読んでみたいと思った。
こんな時代だからこそ、本気で生きることに向き合った作家の世界を覗いてみたい。(20代・女性)

太宰文学にハマった青春時代、感銘を受けた作品の1つが『パンドラの匣』。
まさにこのレビューどおりで、私もヘコんだときに励まされた本であった。(40代・女性)

 
   
ブックスアイオーのレビュー ⇒書店ホームページを見る
『斜陽』
「太宰治作品の中で一番おススメでしょうか。」

太宰治は青春時代にかかる”はしか”のようなものだと聞いたことがあります。そう、誰もが一度はかかるもので、それは若いときの方がいいと。それは、そこを通過することによって、生きるための免疫ができるからだとも捉えることもできるかもしれません。太宰治の作品は多くが、自らの破滅に向かって進むものが多く、ある人には毒になり、またある人には苦い薬にもなる。そんな感じがします。私も例に漏れず”太宰治病”にかかって抜け出すのに苦労した口です。この『斜陽』で大きな衝撃を受けたのがその始まりだったかもしれません。没落した華族を取り上げたこの作品。今でも印象に残るのは、”母”がスウプ(本文より)を飲むのに、スプウン(本文より)を口に直角になるように持っていき、さらさらと流し込む。そんな冒頭のシーンです。その情景が目に浮ぶようです。ちょっと独特な表現が、この作品の重苦しさを和らげている気がします。私が読んだそう多くない太宰作品のなかで秀逸の作品だと思います。
投票者の声
   
 

太宰というはしかにかかったことのなかった私ですが、レビューを読んではしかにかかってみたくなりました…(20代・女性)

この作品に励まされ、くじけず生きてこられたことを考えると、レビューの「生きるための免疫」という表現は言い得て妙だと思います。(60代・女性)

書店の方が、一読者としてわたしたちと同じ視点でいい本を紹介してくれている、そんな印象を受けました。斜陽は学生時代に読んだことがありますが、ひさしぶりにまた読んでみたくなりました。(30代・男性)

 
   
BOOKパーク増坪店のレビュー ⇒書店ホームページを見る
『黒の様式』
「松本清張って中編もスゴイ!! 」

松本清張の長編は改めて言うまでもなく傑作揃い!「点と線」「ゼロの焦点」などの代表作は夢中にさせてくれた。
 しかし私は中編や短編が好きだ。中編や短編にこそ松本清張らしさがあると思う。日常にありそうな話の中で、推理小説という枠組みでは収まりきれない社会の問題をつきつけられる。
 「黒の様式」は中編3編が収められている。私がこの作品を初めて読んだのは30年前、高校生であった。3編ともそれぞれにおもしろい。そして10代の私にはかなり衝撃的であった。
 大人の世界、社会ってそういうところなんだ・・・とつくづく感じたのを今でも覚えている。今読み返しても、新鮮に衝撃を受ける。松本清張の作品は社会の闇や問題に真っ向勝負を挑んでいる。だから作品が発表されて40年たっても30年たっても映像化され、読み継がれている。
 いつの時代も社会は病んでいる。松本清張が生きていたら、現代の社会の病を、どんなふうな作品に仕上げるのだろうか・・・
投票者の声
   
 

どんどん広がりそうな話をあえて抑えて抑えて、狭い世界を書いてあるのが好みです。松本清張の中編って今まで聞いたことがないけど、是非読んでみたい。(30代・女性))

「いつの時代も社会は病んでいる」この言葉にグッときました。(30代・男性)

松本清張って中編もスゴイ!! タイトルにひかれ、レビューを読んでみて一読の価値がありそうだと感じ…(40代・男性)

 
   
啓林堂書店奈良三条店のレビュー ⇒書店ホームページを見る
『お伽草紙』
翻訳作品と聞いて「なーんだ、古典の現代語訳か」と思ったアナタ。大間違いですよ!『西鶴諸国ばなし』に題材を取りつつもそこここに太宰独自の鋭い感性が光っているのです。ユーモラスに描かれる人々からえぐり出されるのは、いつの世にも変わらない人間のエゴや虚栄。原典と比較しながら読むのもおもしろいと思います。『人間失格』や『斜陽』と同じ著者が書いたとは思えないような軽快なタッチでテンポよく描かれているので、「文学作品はちょっと・・・」な人の苦手意識もふっとぶ1冊!視点を変えて何度も読んでみて下さい。新たな気付きが、きっとあります。
投票者の声
   
 

フレンドリーな言葉使いで、本に対する敷居の高さも感じなかった。かといって決して軽いわけではなく内容は細かく書いてあるし…(女性)

「若い頃に読んだ作品を、大人になって読み返すと新たな発見がある」という経験はよくあること。それを「この本を再読したあとも、さらに何度も読んで!」という強い押しが気に入りました。(40代・男性)

『人間失格』や『斜陽』と同じ著者が書いたとは思えないような軽快なタッチでテンポよく描かれている・・・ という表現に惹かれました。(40代・男性)

 
   
⇒太宰治・松本清張作品の書店レビューを全て見る

 
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